MOTHER FUCKERのレビュー・感想・評価
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日本の片隅で音楽と一緒に生きる覚悟。
タイトルからはなかなか想像できない、ある夫婦と息子のヒューマンドキュメンタリーである。インディーズレーベルLess than TVを主宰するロッカー夫婦が、自分たちの生き方を曲げることなく子育てをまっとうしようとする。「こんな家族があってもいいはず」と自分たちに言い聞かせながら、普通でなくていいのだろうかと葛藤する母の姿など、極端と普遍が常に隣り合わせで、観ている自分との共通点がなくともついつい共感してしまう。
当時に日本全国のライブハウスで活躍するインディーズミュージシャンがわんさか登場する。名のある人も無名な人も分け隔てすることなく、音楽の万華鏡のように演奏シーンがコラージュされていく。監督自身がワンカメで撮ったという映像が素晴らしく、ライブ映画としてのセンスにも脱帽。ドメスティックな視点と社会性と臨場感が一体となった音楽ドキュメンタリーの名作だと思う。
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