劇場公開日 2017年7月8日

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裁きのレビュー・感想・評価

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5.0インド社会の理不尽を鋭くえぐり出す

2017年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

自殺をほのめかす歌っただけで逮捕されるという理不尽さから、表現の自由をテーマにしているかと思えば、それだけに留まらずインド社会全体の大きな矛盾点をたくさんあぶり出すような作品だった。老成した内容だが、監督はこの映画を撮った時にはまだ20代だというのが驚き。

カースト制の名残の残る社会、裁判の決定には階級、思想の違いが大いに反映されてしまう現実。裁判シーンと交互に挟まれる弁護士や、検事たちの日常のシーンにも、カースト制の残滓が見て取れる。

自殺するのは下水清掃人だが、カースト制時代には清掃人というのはダリト(不可触民)と呼ばれる、最下層階級の人が就く仕事だったらしい。不可触民というのは、触れてはいけない、姿を見ても、声を聞いてもいけない存在とした扱われたらしい。つまり社会に存在していないかのように扱われたのだ。

そういう男の自殺がインドの社会の理不尽を暴き出すという全体の構造が見事だ。

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杉本穂高

3.5「インド映画好き」くらいでは理解しきれない

2024年4月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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つとみ

4.0あるがままの現実を

2018年11月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

知的

掘り下げるわけでもなく、否定も肯定もせずに、表舞台の法廷だけではなく、弁護士、検事の私生活も描く。
音楽もない、長回しで、どこに登場人物がいるのかやっとわかる。
弁護士が、被告人と検事のやりとりはヒンディー語か英語でと求めるが、被告はマラディー語が楽だと断る。
被告と弁護士が同じ言葉で喋れないと気づく。
何かよくわかないことも多い映画だったけれど、リアルなものをそのままに写していた。

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Momoko

3.5変える意思

2018年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

人を捉えるでも俯瞰するでもない、基本的に動かない映像。
カラッとした作品でした。でも人間臭いのが不思議。

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yuki

3.0引きの映画

2017年8月13日
Androidアプリから投稿

法廷劇なのに心理を追う気が全く無いのが面白い。引きの画が主体なのは勿論、役者の配置や動かし方で奥行のある画面を創ろうとするのも好ましかった。

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花火

3.5複雑過ぎる社会を赤裸々に。

2017年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

人種、言語、宗教、貧富・・・(多分)分離し、絡み合い、日本人には解不能に思える社会。一つの裁判を通して、えぐって見せている(のだと思う)。

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こばりん

4.0インドの貧困層における現状浮き彫りに

2017年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

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突貫小僧

4.5大きく心を揺さぶられました。傑作です。

2017年7月11日
iPhoneアプリから投稿

今年観たアジア系映画では間違いなく一番。インド映画では「きっとうまくいく」以来の感動でした。

メッセージ性の強い詞を歌い歩く65歳の音楽家が自殺幇助の罪で逮捕され、その判決を巡って体制寄りだが、やり手の女性判事と、リベラルな人権擁護派の若手弁護士が法廷で争うというストーリー。

単なる法廷劇ではなく、裁判に関わる人間の私生活、インドの普通の人々の日々の生活や日常会話などがリアルに描かれて(自分は実際にインドには行ってないのであくまで想像ですが)いて、そういう点でもとても興味深いものでした。
また、インドの法廷、学校なども、日本や欧米のそれとは大きく異なるのもわかり、大いに勉強になりました。

個人的にはインド映画は苦手で、その大きな理由の一つが、皆んなで踊り歌うシーンがやたらと盛り込まれる点なのですが、この映画には一切そういうシーンはありません。それどころか、BGMも一切なし。
まるでドキュメンタリー映画のように淡々と物語が進行するだけです。それでも、ひと時も目を放すことはありませんでした。それだけ、脚本と演出が素晴らしいのです。

何の罪もない善良な一般市民が、政府から反体制思想家と疑いを掛けられたために不当に拘束され、社会的に抹殺されていく様が生々しく描かれています。
共謀罪が強行採決された昨今の日本でも、とても対岸の火事では無いと強く思いました。

これほど価値の高い映画にも拘らず、東京では渋谷ユーロスペースでの単館上映とは本当に勿体ない‼️
一人でも多くの皆さんに観ていただきたい映画です。

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アンクルよっちゃん