ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のレビュー・感想・評価
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普通の人の、勇敢な戦い
実話を基にした作品。 第二次大戦時、ナチスに追われたユダヤ人をワルシャワ動物園の園長をしている夫とともに、動物園で匿った女性の姿を描く。 ナチスからユダヤ人を救った人物って、たくさんいるんですねぇ。今回のジャビンスキ夫妻も、そのような人物に名を連ねます。不勉強ですが、この映画を見るまで、彼らの活躍は知りませんでした。 それにしても、ナチスの裏のかき方、と言うか、このジャビンスキ夫妻とナチスの近さは、他の人たちと比べても一二を争うのではないでしょうか?ナチスの高官が、元々友人であったと言う事もあって、何かとちょっかいを出してくる状況の下での活動の緊張は、如何ばかりか。いやぁ、5年?、よくバレなかったと思います。 それにしても、ダニエル・ブリュール、彼は芸達者ですねぇ。今回は、ナチスの高官を演じたわけですが、明示的に権力を笠に着る訳ではないものの、それも権力を漂わせる人物を上手く演じていました。アントニーナに目を奪われていなければ、もっと早く、からくりを見破る事が出来たのではないかと思います。それだけ上手く、アントニーナが手玉に取ったとも言えるのかもしれませんが。 冷静に考えてみると、ポーランドでの話なので、話されるべき言語はポーランド語なのでは無いかと思いますが、英語での作品でした。そのかわりと言うべきなのか、みんな妙な訛りのある英語でした(苦笑) 普通の夫婦の、勇敢な戦いです。
いつまでも大切にしたい映画
戦時下、ナチスの目を逃れてゲットーから少しずつユダヤ人を救い出していくことは生ゴミの回収という隠れ蓑を機能させることでヤン夫妻にとっての一種のルーティンだったわけです。そして、このルーティンはナチス占領下という非日常の中のひとつの日常となっていました。 あの優しい夫のヤンが嫉妬のあまり、外(現場)の悲惨さは家にいると分からない、とアントニーナを詰るシーンがありましたが、兵士になれない妻は家を守る以外に選択肢はないわけですし、終戦後、結局男たちが帰る場所は妻が守っていたその家(建物というよりはHOMEという空間)なのです。 妻が経験できないことを取り上げて、お前には分からないんだと責めたり、やり込めるパターンは 現代の夫婦間でもありますね。お前には酒の付き合いの大事さが分かってない、とかね。男って身勝手でズルいなぁ。 戦時下の日常に於ける残された人たち(特に女性)の闘い。 これは『この世界の片隅に』と共通する要素なのですね。淡々と時間を追っていく描き方も似ています。 劇的でなくてもジワジワと感情が揺さぶられ、心の深いところに何かが刻まれる、『この世界の片隅に』と同様、いつまでも大切にしたい映画です。 余談ですが、『女神の見えざる手』でジェシカ・チャステインの演技を競演させ、『否定と肯定』でナチスのホロコーストについて全く違う観点から迫らせるとは、日比谷映画街の面目躍如といったところですね。東宝さん、なかなか粋な計らいだと思います。ありがとうございます。
よくやりましたね。怖いね。
よく頑張って、ユダヤ人の命救いはりましたね。女性であるが故にに、色ものに見られたりしたけど、自分を貫く、戦時下に出産までするとは、たいしたものです。銃で撃たれた動物たちは、気の毒
人間の良心
ユダヤ人を救った実話って意外とあるんですね。人間の良心はどんな時代にもあるんですね。なんか信じたくなりました。 映画的には、演出上仕方がないのだろうけど、主人公のクライマックスの行動は浅はかすぎるだろ!とひとりでツッコミ入れてました。
今日の次は明日ではない、戦争。
兵士ではない、敵でも味方でもない市民が戦争に巻き込まれるという、 当然の現実です。 この現実の状況下で、瞬時にどう生きるかを決断し、その結果を受け 入れることになります。 この現実を受け入れた結果が、仕事も、夫婦も、家族も、友人も 押しつぶしていくという緊張感があります。 今、戦争が起きたらどうしますか? 戦争を経験したことのない、戦争の話を直接聞いたことがない 人には想像することすらできないと思います。 戦争は想像できないとしても、ハラスメント、嫌がらせ、いじめ程度 なら経験はあるのではないのでしょうか? ハラスメント、嫌がらせ、いじめを見たとき、聞いたとき、立ち上がって 手を差し伸べることができますか? アントニーナとヤンとポーランド人に拍手!
ダビデの星
第二次世界大戦時にワルシャワゲットーのユダヤ人を外に出し匿ったワルシャワ動物園園長夫婦の実話に基づく話。 エピソードそのものや人の繋がりや優しさは非常に面白かったけど、深刻さやスリリングさがあまりない。 ポーランド人がユダヤ人を匿ったと言う話は聞いたことがあったけど、この夫婦は300人もの人を助けたというから驚いた。…だけどそれも字幕処理。 時代背景とかホロコーストとか頭の中で補完しないとならず物足りない感じはあるものの、鑑賞する意義を感じられる良い作品。
慈悲に始まり慈愛をはぐくむ姿に感動しました
もともと映画や物語を好きになった根幹となった作品が『コルチャック先生』なので、ナチスのユダヤやロマの迫害の歴史にとても興味がありました。 もちろんアントニーナの話も子供のころに知っていましたが、あらためて映像で作品に昇華されるとこれほど力強く愛しいものになるのかと。感動しました。 昨日まで隣人として過ごしていた当たり前の日常が一変する戦争。 我が身さえどうなるか時代の流れも見えない中、「正しいことをしたい」と普通の人でいることの困難に真摯に立ち向かう家族。 慈悲に始まり慈愛をはぐくむ、その姿が美しくて切なくて力強くて。 いとおしさに涙が止まりませんでした。 戦争と迫害の時代なので目を覆いたくなる苦しいシーンも多いですが、愛にあふれた映画に感謝です。 余談:個人的にアンジェイ監督作から30年近くたって、今描かれたコルチャック先生の姿にも涙が止まりませんでした。 児童の権利の先駆、ユダヤの子供たちに最後まで寄り添った先生の信念を短いカットでも描いてくださったことにも感謝です。
人間も動物も、全ての命の重さは等しく尊い
泣いたわー 1939年の第二次大戦中、ドイツの占領下にあったポーランドのワルシャワ動物園で 経営者夫妻がナチスドイツ兵の目を盗んで、多くのユダヤ人を救った実話を描く ドイツ兵はユダヤ人だけでなく、多くの動物も殺していて この夫妻は一頭でも多くの動物、一人でも多くのユダヤ人を救おうと奔走する 命がけで人々を救おうとする彼らの愛や、命の大切さを改めて感じる作品 とても分かりやすくできていて、当時のポーランドの情勢を知らなくても理解できるところも良かった 映画の上映後にはジェシカ・チャステイン登壇の舞台挨拶もあって んもーーーー ジェシカは美しくて可愛かった これは実話で、こんなに素晴らしい人がいたんだと、全ての人に知って欲しい作品
命を守り続けた女神のような女性に感動です!
これがノンフィクションだとは…。 動物たちをこよなく愛したアントニーナの慈悲深い心に感動しました。 綺麗なドレスを着ていても、象のお産で子象が命の危機になると、汚れなんて気にせずドロドロになって子象を助けます。 動物たちを家族のように扱う、彼女の深い愛情に癒されました。 ですが、感動の気持ちはあっという間に消え失せてしまいます…。 徐々に戦争が激しくなると、ポーランドはドイツの襲撃に遭ってしまうのです。 ワルシャワ動物園の動物たちも、ドイツ軍の攻撃により、たくさんの命が奪われてしまいました。 彼女がこよなく愛してきた沢山の動物たちが犠牲となる現実に、涙が止まりませんでした…。 非力な動物たちの残酷な死に打ち拉がれるアントニーナと夫。 空っぽになった動物園に愕然とする中、夫の「この動物園を隠れ家にする」という一言が、沢山のユダヤ人の命を救うことになるのです。 夫の真面目な優しさと妻の真っ直ぐな愛情。 命を守ることに必死になる二人の姿に涙しました。 動物も人間も同じ生き物であり、かけがえのない大切な命。 自分たちの命の危険を顧みず、数多くのユダヤ人の脱出に協力した二人に拍手を送りたいです。 また、夫がワルシャワ蜂起のレジスタンスだったことに驚きました。 革命軍であったからこそ、彼が沢山のユダヤ人たちを匿っていたのだと思います。 動物を愛し守ってきた優しい夫が、戦争という悲劇によって人殺しに成り替わる現実は複雑な心境でした。 戦争さえなかったら、彼が銃を構えることもなかったでしょう。 第二次世界大戦の悲劇が一人の動物園の飼育員の生き方さえも変えてしまうと思うと、戦争は本当に恐ろしいです。 杉原千畝さんのように、多くのユダヤ人を解放してきた夫、オスカー。 彼の功績が21世紀の現代に認められ、映画化されたことに感動しました。 本当の英雄とは、命を守る人のことは言うのだと思います。
感謝
観終わって、1939年~1945年のポーランド歴史やユダヤ人への迫害についてきちんと知らなかった自分、こういうものを観たときしか戦争のことを考えてこなかった自分が無性に恥ずかしくなった。 戦争は、こんなにも簡単に人々の幸せな日常を奪うのだということを改めて実感した。同時に、今も世界中で起きている紛争や内戦、戦争への空しさを感じた。 夫妻は、どんなひとでも、出会ったひとりひとりの命を守るため、自分達の命を懸けてナチスドイツと戦った。自分は、もし夫妻と同じ状況に置かれたら、同じような行動ができるだろうか。自問する。 この映画は妻の目線で物語が描かれているためそういう題名がついているが、夫も同等に素晴らしい行動を取った。並の覚悟ではできないことだ。 また、子役たち含め俳優陣たちの迫真の演技に拍手を送りたい。そして、このような作品を世に送り出してくれた関係者の方々に改めて感謝の意を表したい。
今冬必見!!!
全ての命を愛する事は、自分の命を愛する事。 命を平等に扱い愛するアントニーナの高潔さと、ナチスに寄る選民主義の恐ろしい末路のコントラストに誰もが心打たれ戦争の愚かしさを受け止めずにはいられないハズ。 私たちの祖父の世代にあった事を更に若い世代に繋ぐ為に、高校生以上のお子さんがいたら是非誘って映画館へ。
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