ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のレビュー・感想・評価
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これまでにないアングルで歴史を見つめた史実モノとして興味深い
戦争という絶体絶命の状況下で、市民の憩いの場所、動物園は一体どのような運命を辿ったのか。上野動物園の「かわいそうなゾウ」と同じく、ここには悲しい運命におかれた動物たちが数多く登場する。中でも序盤の空襲によって動物たちが逃げ出したり、そのまま火に焼かれて絶命していたりと、さながら地獄絵図のような光景には胸が痛くなってやまない。
そこから園長夫婦が園内を利用してユダヤ人を匿うようになってからがこの映画の見せ場だ。1日数人しか移送できない歯がゆさ、大勢が収容所へと強制連行されてしまうタイムリミット感にも緊張感あふれる。史実という点ではとても興味深いのだが、その一方で、ナチス高官が夫人に寄せる想いを利用したり、またその光景に夫が嫉妬したり、あるいはラストの緊迫した場面での追いかけっこなどは、やや短絡的にも思える節も。実力派が揃っているだけに、史実を補強するドラマの織り成し方が勿体なく感じられた。
ジェシカ・チャステインの目論見は見事に成功している
家族で見れるホロコースト作品
のめり込み女優入魂の一本
個人的に好きな女優さんなので、彼女の出演作はなるだけ見るようにしている。見る前の印象は「重たそうだな…」まあ、だいたいは、重厚なヒューマン系ドラマ作品がほとんどで、見終わった後に考えさせられるような役回りばかり演じているのだけれど、今回は、時代の波に飲み込まれる優しく、美しい女性。いままでの力強い印象の女性像とは一味違う。
史実に基づいて作られた映画なので、脚色がどの程度施されているのか分からないが、あえてステレオタイプの歴史に翻弄される女を体当たりで演じている。とにかく、初めから終わりまでジェシカが出ずっぱりで、ファンとしては見ごたえがある。それでも、重たそうな印象を少しでも軽くできれば、と思い、吹替え版で見たのだが、どうしても気になったので、やっぱり字幕スーパー版に切り替えて見直した。
例えば、サンクトペテルブルクという地名がセリフの中にあるが、歴史上はレニングラードじゃないのか?なんてことが気になって、吹替え版では分からないことが確かめたかった。いずれにしろ、登場人物たちはみな英語で会話するので、ドイツ訛りのドイツ兵、ユダヤ人がお祈りに唱える言葉、言葉遣いにそれなりの配慮はあるものの、最大多数に楽しめるように作劇してある。『女神の見えざる手』の、セリフの多さに圧倒されたが、字幕は素晴らしかった。今回も、字幕の担当は松浦美奈さん。なんとなく、ジェシカ・チャスティンの作品には、彼女の翻訳が合っているようだ。
映画として見ると、抑制された演出で、見るものに想像させる作りになっているようだ。前半部分は、猛獣の檻に爆弾が落ちる描写があったりして、ド派手な戦争が展開するのかと思ったりもしたが、あくまで、人間のドラマに重点を置いて作劇しているので、予算配分的に、カロリーの高い画面作りには限界があったようだ。
これから数年以内に、ジェシカがオスカーを獲得できないかと、気を揉んでいる。なにかと体制に反目するようなギリギリの問題作が続くので、政治的判断が問われるだろうが、そういう役を好んで演じているに違いない。それでも、『オデッセイ』『インターステラー』なんて娯楽大作にも溶け込むし、『X-MEN』の新作に名前が挙がっていたりする。これからも目が離せない女優さんだ。
動物のかわりに
1939年、ポーランドのワルシャワにおいて、
動物園を経営するヤン&アントニーナ夫妻によるユダヤ人を匿った実話をもとにした作品である。
ワルシャワと言えば、浅学な自分でも知りうるナチスによるユダヤ人虐待が酷かった地域である。ナチスの侵攻が進むにつれ夫妻の知人たちもゲットーに入れられる頃から話が進む。同時期動物園を開園していても客が見込まれない事から閉園の話も出たが。
友人を匿う為に、表向き動物園を存続していく事に決めたアントニーナとヤン。
この時の決心がとても大きかったのだろう。
おそるおそる始めていくうち要領も掴み、ドイツ兵にバレずに日が過ぎていき、組織からの要請でゲットーから人々を救い出していくことになる。
さらに、ヤンが、知人からの繋がりの口利きでゲットーにも自由に出入りできるようになった事から、出来るだけたくさんの人を救出しようと懇願するアントニーナ。
ドイツ人動物学者のヘックがアントニーナに目をつけて頻繁に出入りし、その対応に必死になるあまり夫のヤンにも誤解され非難されてしまう。
だが、匿う事をやめず、挫けず信念を曲げないアントニーナ。
ここに揺るぎない決意が窺える。
最初から命懸けだ。一人であろうが三百人であろうが、バレたら殺される。戦争が終わるまで続けなければだめだ。罪のない人々の命が奪われてはならない。と。
尊敬する先生始め幼い可愛い子供たちが次々とアウシュビッツに送られて行くのになすすべのないヤン。ワルシャワ奪還に立ち上がる。しかし、捕まり捕虜収容所に送られ安否不明となってしまった。
ヤンの行方を探すと同時に情報を得ようとヘックの元に行くアントニーナだが、ユダヤ人隠匿がバレてしまう。
咄嗟に判断してすぐさま戻り皆を逃がすことができたのは幸いだった。
ヘックのおかげか、殺されずにすみ終戦を迎える。ヤンも戻って来れた。
自らの命の危険も顧みず、多くの人々を救った
勇気ある夫妻の話。
日本の『かわいそうなぞう』にもあるように、
戦時となると人を襲う恐れのある猛獣や大量の食糧を必要とする大型動物から処分されていく。何の罪も無いのに。
本作でも冒頭もっと小さな動物でも撃ち殺されている描写がある。その動物たちと同じく民間人を虐殺していくナチスドイツ。
それに対して自分たちの生死も厭わずユダヤ人たちを助ける実話。本作はポーランドだったが、他の国でも心がホッとする実話があるかもしれない。あったら是非映画化して欲しいなと思う。
動物が一番可愛かった
動物がとにかく愛らしく映されていた
こういった作品でまた知らないことをしれてよかったし、調べるきっかけを与えてくれてよかったと思う。
個人的にはオーナーの息子が「僕も外につれてってくれ申す」と直談判で父を尾行して、バレルきっかけを与えていたシーンで「お前十分小さいときに行ってたやろがい!!」と少し不快になったところ以外は概ね良かったと思う。
あと息子の出来損ない感もそれが狙いなら、十分表現できていたと思う。
ただ全体的にパンチや緊迫感が少なかったかなと
主人公は魅力的な女性
タイトルなし
ユダヤ人を300人も命懸けで動物園に匿い続けた園長夫婦。実話だけに、相当の勇気に感服する。映画では数人しか登場していないが、相当多くの人を助け、二人しか見つかって殺されていないのが驚き。ジェシカ・チャステインも好演だが夫役も良かった。
彼らの信念と勇気に感動しました!
少し単調に感じました。
ワルシャワ動物園のオーナー家族が、危険を顧みずユダヤ人を救うために奔走する物語で、実話なのだそうです。
ホロコーストの映画は幾つも観ていますが、いつも人の命の軽さに恐怖を感じます。そして、普通に暮らしている人々がいつでも殺戮者になり得ることに。
この映画でもゲットーを逃れたユダヤ人が無慈悲に無造作に殺されるシーンが出てきます。名もなき善良な一市民に密告されたことが原因で。
もしかしたら数年後の日本でも同じような状況になっているかもしれません。そのような状況で、自分が密告者となってしまう可能性に大きな恐怖を覚えます。
感動作
【多くのユダヤ人を救った動物園園長夫妻の物語。ジェシカ・チャステイン主演作に外れなし。】
第2次世界大戦中のポーランド・ワルシャワで、動物園の園長夫妻が300人ものユダヤ人の命を救った実話を、ジェシカ・チャステイン主演で映画化。
と当時のフライヤーに記載があるが、矢張り魅力的なのは園長ヤンの妻アントニーナを演じたジェシカ・チャステインである。映画の規模的に大掛かりな爆撃シーンはほぼ、音声のみで描かれるが気にならず。
アントニーナに気のあるヒトラー直属のヘックをダニエル・ブリュールが演じるが、本当にこの人はドイツ人将校役が似合う。
アントニーナとヘックの手に汗握る遣り取りが面白かった事とともに、戦時中の動物園に飼われていた動物たちの悲惨な末路(含む、日本)に心痛んだ作品。
<2017年12月26日 劇場にて鑑賞>
実話ネタ。ポーランドのワルシャワ動物園は今も存在するとか
しょっぱなからジェシカチャステインがノーブラで起きてきたらもう色々期待してしまった。
何もない、無骨な旦那さんに謝れ。
唐突に妹を産んだ印象。
シンドラーや杉原千畝のようにユダヤ人を救った偉人さん夫婦のお話。
本人映像は無し。
G指定で描写はないにせよ幼気な女子を二人がかりでレイプして人格崩壊させてしまう辛いシーンあり。動物も死んじゃう。
ホワイトライオンより兎とバイソンがメイン
まあほぼ想定通りに物語が進むため面白みには欠ける。
つくづくポーランドをいう国は辛い歴史を歩んでいるなぁと不憫に思った。
タイトルなし
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