「感じること」リバーズ・エッジ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
感じること
何だか、ブルース・リーの台詞みたいだが、90年代サブカルのバイブル的漫画が原作の作品である。自分も正にこのバブル世代の人間だが、今作品は未読、いや、読み始めて岡崎杏子の絵柄が身体に合わず、何となくオシャレ雑誌のタッチの匂いに読む気が失せた記憶がある。今回、主演の二階堂ふみがプロデュース的立ち回りで関わったということである。あの時代のナニかを知りたいと感じたのかも知れない。以前観た『密のあわれ』の方が、脱ぐべきだと思ったのだが、今回そんな力の入れよう故、裸体を披露したのだが、これの方が痛々しくて、マグロで、女優としてのファーストヌードとしては余り美味しく無いんだと思うのだが・・・女優魂に火がついたのだろうか?
作品自体のストーリーは原作に忠実らしい。ただ、ネットでも散見されるあの、所々差し込まれるインタビュー型式の心のモノローグ的吐露は、非常に不可解で物語をブツブツ切ってしまう変な演出である。もっと表現方法があったのでは?と思ってしまう。それ以外は、結局、作品を評価するイコール原作を評価するになってしまうので、漫画そのものの雰囲気や特徴に依るところを好きか嫌いかに二分してしまうことになる。決して嫌いじゃないのだが、でも細かいところでの詰めの甘さみたいなものに一寸興ざめしてしまうのを感じる。例えば、イジメにしても、殴る方だって拳は痛い筈。それにイジメの最終着地は金の恐喝だ。でもそれは本作では起こらない。まぁ、そこまで追込まないところが作風なのだといえばそうだが・・・
映画の画角が所謂スタンダード画と呼ばれていて、昔のアナログテレビの画角なのもこの作品の時代を表現したとのことだが、これもそんなに寄り添うのが必要なのだろうか?オザケン主題歌も含めて、今作品こそ、もっと今風にアレンジしても良かったのではと感じる。