「意味のある3.5」リバーズ・エッジ 彬さんの映画レビュー(感想・評価)
意味のある3.5
原作未読。
個人的な感想ですが…
意味のある3.5でした。
5.0でも翌日には忘れてしまう映画もありますが、この映画はきっと「ずっと忘れない3.5」。
5.0じゃない。でも1.0じゃない。
お腹の深いところにずっと存在し続けるような映画。ですので3.5と致しました。
ちょうど主人公達の年代(90年代でしょうか)と同年代だった為に刺さったことも多いかも知れません。
同性愛は今よりももっとずっとタブーだった。
援助交際(男性相手に傷だらけの体で売春する吉沢亮さんの姿には思わず顔をしかめた。←彼が傷ついていないように見えることに傷ついてしまう)、ドラッグ、過食嘔吐、いじめ、家庭不和…
「ああ、いつのまにか縁のない大人になってしまったが確かにあった、そこにあった」
という出来事たち。
二階堂ふみさん、吉沢亮さん始め、若い役者陣が本作品を演じ切ったことに拍手を送りたい。
ギリギリの精神状態を綱渡りするような、ひたすらにヒリヒリ、ヒリヒリとした感覚。
二階堂ふみさん、吉沢亮さんはもちろん、とにかく脱ぐ。
脱ぐというとそればかりがクローズアップされてしまいがちですが、彼らが演じるキャラクター達は、裸になっていながら、心の鎧は全く脱ぐことはない。
それが痛々しく、悲しく、若く、醜く、美しく、愛おしい。
セックスしているのに、愛していない。
殴りながら、愛している。
笑いながら、泣いている。
そんなアンバランスな心の動きが、実力ある役者陣によって表現されていました。
個人的に森川葵さんを最近見かけることが多いのですが、毎回毎回別人のようで凄い。
最後の笑顔は切なかった。
あのインタビューは、誰が撮影していたのだろう?
「明日、君がいない」を思い出す。
暴力描写や性描写がある為、苦手な方はご注意を。
「かつて傷ついた子供だった大人が観る青春映画」
でした。カップルも多かったのですが、個人的には一人でどっぷり浸りたい映画。