ラプラスの魔女のレビュー・感想・評価
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乖離
あの東野圭吾さんのベストセラー
当然読んだ。
当時は映画化も決定して、文庫本の表紙は櫻井翔君が映るワンカットの写真になっていた。
だから映画を見た気になっていたのだろうか?
もう一度見ようと思って見たのが、まさかまだ見ていなかったことに驚いてしまった。
さて、
記憶に残る小説
私の想像上のシーン
当然これを映像化したのが本作だ。
しかし、
正直言うと映像化したものには「何か」が足りないのか、かなりぶっ飛んだ話になっていた。
ぶっ飛んだという言葉には含みもあるが、単純に言えば小説を読んだ時の印象と感動は何も感じなかった。
思い返せば、「ナミヤ雑貨店の奇跡」もぶっ飛んでいた。
緻密に描き上げた東野圭吾のストーリー
そこには省いて良いものなどない。
あくまで自然で、主人公の選択にはそれ以外の要素はなく、それでいて予定調和など感じさせずに大どんでん返しで驚かされる。
しかしそれを映画化にすると、どうしても長くなりすぎてしまう理由でぶつ切りすることは多いように思う。
それが上手に組み替えられて小説とは少し違った物語になっているものの、大成功したのが「八日目の蝉」や「君の膵臓を食べたい」だろう。
この2冊は原作よりも映画の方が断然よかったと思う。
せっかく映画という武器を使って勝負するならば、そのあたりの組み換えで枠に収めることも有りだが、どうしても曲げられない物語になっていることもあるというのは頷けないわけではない。
この理由で映画化されなかったのが「時生」かもしれない。
ただ、ドラマ化はされている。
映画化という部分においても大人気の東野作品だが、ベストセラーでなければ売れないという概念は捨てたほうがいいと思う。
東野作品で最初に映画化された「秘密」
このとき、監督は冒険したはずだ。
その前に「面白い」と思ったはずだ。
この純粋な自分の感想に、売れる売れないという鼻くそにもならない人間的計算を持ち込むことで様々な要素が抜け落ち、結果的に妥協の産物となってしまう。
東野作品に面白くない作品はない。
面白くないと思うのは、読者が理解できなかっただけだろう。
ベストセラーなどから面白さを探るのではなく、監督がそれ以外の作品から感じた「面白さ」を見つけることができたなら、それを映画にすれば面白くないはずはないはずだ。
逆に、この作品のように、誰もが読んで面白いと感じる部分は皆一様ではない。
その要素を、誰もが、様々な観点で発見しているのだ。
具体的に上げればいくつも出てくるだろう。
ベストセラー作品は必ずしも1点集中的ではない。
だから監督には自分が信じる「面白さ」の発見と、そこに向かった脚本と映像に集中してくれればいい。
何なら売れるのか?
あなた方が常に考えてているこの最初の問いこそ、変更すべきものだと思う。
明らかに尺が足りてない
何を見ればよかったのかなぁ
予告で犯行の種明かしがあったので、
なるほど、トリックを見破るミステリーでは
ないのだなと分かる。
となれば、犯行に至るまでの動機や、
心情の変化そして人物相関図を
楽しむ映画なのかなと思いながら鑑賞開始。
しかし、残念ながら、役者の演技がベタすぎて
心情を楽しむ映画ではなかった。
どんでん返しも予想の範囲内。
刑事(玉木)も推理はしているが、
捜査自体の面白みはない。
教授(桜井)にいたっては、
何のためにいるのか分からない状態。
原作や俳優陣、広告宣伝を見ても
やっつけ仕事ではなさそうなのに
この出来はいかがなものか。
さては、三池監督の悪いクセが出てしまったんだな。
こんな題材が原作の場合、
天才的な頭脳の持ち主の思考回路は
凡人には理解できない。
が、そこをいかに魅せるかが
こういう映画の醍醐味なのに
そこが全く面白くなければ映画にする意味がない。
比べて悪いが、同じ原作者のガリレオシリーズは、
そのあたりの描き方が「実に面白い」のである。
本編がストーリーが原作通りなら
3回に分けて見た
寝落ち一回、トイレ一回
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