「ブラッシュアップしすぎて」ラプラスの魔女 テツさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラッシュアップしすぎて
うん、まあまあって感じ
原作は既読だが、少々忘れ気味(とりあえず原作の方が面白かったとは思うけど)
物語が幼少期の彼女から始まるのはまあ原作通りなはずだが、そこからは早いこと早いこと
櫻井翔演じる教授が硫化水素の事件について調査しにくるのだが、そこから第二の事件そして広瀬すず演じる円華と出会い行動を共にするまでが早い早い
原作だと円華側の描写だったりとか、そもそも彼女は何者でこの事件は何なのか?というミステリーとしての縦軸がというべき話が拍子抜けするほどあっという間に解決するので物足りない
小説をシンプルにスピーディーに纏めすぎてこれはどういうことなのか?という物語を牽引するものがすぐさま片付いてしまう。
玉木宏演じる刑事の勘だけで全ての話が繋がっていくのもどうかと…(あの刑事優秀だわぁ笑)
過去の回想シーンに入るのにも唐突でそしてまた突然に今のタイムラインに戻るし。この辺上手く出来なかったのだろうか?(あえてなのだとしたら目的が見えないが)
福士蒼汰演じる謙人(字は分からん)の目的もほぼ刑事の勘が当てていて、どう行き着いたのか分からない捜査と勘でほぼ事件の概要が見えてしまう。(原作こんなんだったか?)
リリーフランキー演じる父親が教授に話をしてから、謙人の目的を探っていくのだが、真相は大体予想通りの展開だし(この辺を分からなくして描くのが醍醐味なのでは?原作はどうだったかな?)
何よりそこに行き着くのもアッサリとしていて盛り上がりに欠ける。
豊川悦司演じる映画監督の狂った感じはまあまあ良かったけど、あのカメラワークはわざとなのだろうか?
なんだか、話に集中出来なくなってしまったので意図があるなら知りたい。
あと、ちょいちょい挟まれる説教臭いというか説いているようなセリフがなんとも居心地が悪く(原作にあったっけ?)どうにも違和感が拭えない。
志田未来や高嶋政伸などのキャストも見せ場も無く終わってしまうのも、もったいない(原作で見せ場があったかどうかは疑問だけど)
とりあえず原作読み返したくなった
記憶が正しければ、原作では事件の真相や彼らの能力など物語を最後まで牽引していく謎が有り、そこからどのように展開するのかという見応えがあったはずなのだが、原作を映画にまとめ上げるに辺り、ブラッシュアップし物語の大きな枠だけをピックアップした結果、確かに原作通りのストーリーではあるもののどこな物足りなさ、見応え不足を感じてしまった
そんな作品です。