勝手にふるえてろのレビュー・感想・評価
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松岡茉優のための、松岡茉優にしかできない映画
誰だキャスティングを決めたのは。絶妙じゃないか。
松岡茉優の「ちょい不思議系でおもしろかわいい魅力」を最大限に活かしている。
“二”が言う台詞が主人公にささる。
「バラすつもりなくても、人の秘密をバラしちゃうことってあって!
そこに少々のイジワル心がないというのは嘘かもしれないけれど。。
でも人間ってそういうもんじゃん!」
自分の都合のいい妄想の中に生き、清廉潔白で傷つくことを回避してきたその結果である“処女”を、傷つきながらも清濁いろいろある現実世界を受け入れて手放していく。
赤い付箋が剝がれて水が染み込んでいくのは「受け入れていく」ことの表現か。
個人的にはそれでも処女ということをバラシてしまったことは許せんやろ、と思う。(笑
※エンディングに流れる渡辺大知の歌も良い。
「名前を大事にする」ことの大切さ
綿谷りさも知らず、原作未読だけど楽しめました。この映画で学んだことが1つあります。
それは、「名前を大事にする」ことです。
ふだん私たちは多くの人と関わっていますが、名前を知ってる人は少ないでしょう。家族や友人など親しい人以外は、いってしまえば機械、ゲームに出てくるNPC(名前が無いモブ)のようなものです。コンビニ店員A、駅員Bなどと記号でしか認識してません。行きつけの飲食店の店員の名前ですら、私は知りませんし、向こうは私の名前を知らないでしょう。
イチはヨシカの名前を呼ばないことで、妄想からヨシカを目覚めさせます。一方、ニはヨシカの名前を呼んで、ヨシカを現実の世界に引きづりこみます。それだけ名前にはパワーがあるのだと教えてくれました。
私の名前は「ユウタ」。どれだけの人が自分の名前を呼んでくれてるだろうか。考えてみると、名前で私を呼んでくれるのは、親や一部の親しい友人しか居ませんでした。逆に私が名前で呼んでる人を思い浮かべても、片手も満たないほど少なかったです。
もちろん、名前で呼び合える仲が必ずしも深いとは言い切れません。それでも名前で呼び合える人が側にいると嫌な気はしません。ですので、これからは名前を意識して呼んでみます。そうしたら向こうも私の名前を呼んでくれるだろうから。
小説的映画
〜まとまりない感想をつらつらと〜
前半での様々な人とのやり取りが自分の意識の中の出来事であった、という構成が人間の深層心理を捉えていると感じた。
イチの「僕を知ってるみたいに言うね」(こんな感じの発言。曖昧ですみません。)の時に、勝手に人を観察して"この人はこういう人なんだな"という主観的な固定概念を他人にもちがちな人間をよく表している一言だと感じた。
そのため、知った気になっていると知らないうちに"相手も自分を知ってくれているはず"というような勘違いをしてしまいがちになる主人公の姿も人間的であった。
小説の内容の本質とはズレるのかもしれないが、最後の二とのやりとりを見ていて言葉で考えていることを話すことがいかに大事であるのかを学んだ。自分の思いを話すことは(とくにこじらせている自分は)他人からどう思われてしまうのか不安、恐怖が付きまとうので、感情的になって全てをぶちまけているシーンは、そこまで感情的にならないと話せないことってあるよな、と共感した。
二の放った言葉である「わからないから(けど?)好き」(これも曖昧です)がとても好きになりました。
小説とかなり違う
映画を見て、面白いけどこれ小説でどう書かれてるんだ?ととにかく気になりすぐに小説を読んだ。
大筋は一緒だけど、かなり内容が違って。
小説を読んでしまうと、もう少し原作に寄り添った映画も見たいなぁと思ってしまった。
映画は、主人公が歌いまくるミュージカルのようで。また、小説から受ける印象よりも主人公の容姿が良いので、ニに上から言われてるのがあまりしっくりこないかなぁ。
可愛いからイチとこれから上手くいく可能性あるでしょ?と思う。
原作もだけど、ニを選ばずにイチを思い続けないのが不思議に感じた。
名前を覚えられてなくてもめげずにいきそうな感じは映画の方がある。
名前と付箋とアンモナイト
松岡茉優とこの映画、まじ神
映画を観る醍醐味のひとつとして、主人公や登場人物の心情がセリフやナレーションではなく、映るもので感じとれる瞬間があげられる。
この映画は醍醐味であふれている
棚をみるだけで、主人公の心の迷いがわかり、コメディ(エレベーターのシーン)やミュージカル、シリアスまで緩急をつけて写り変わるこの映画は『よしか』そのものだ
謎だらけで、いびつだが愛おしいアンモナイトのような『よしか』は、自分の投影である一を好きになり、
最後には、付箋でつながる二を愛す。
自分を好きになり、他人を好きになる過程を丁寧に描いたこの映画と『よしか』が愛おしくてたまらない
追記
ラスト、よしかが嘘をついてるとわかってから、徐々に頭が整理されていき、以前のよしかを好きだった感情が再度湧き出てくる二の演技は最高すぎるのでは?
すきです。楽しめました。
好き。面白かった。
私もヲタク気質で、根暗なタイプなので好きな事に対してすごく重なるところ多かった。
中学生の頃からずっと好きな【イチ】に対して、ヨシカさんすごく頑張ってたし、ヨシカさんに思いを寄せる【二】の存在が大きかった。
少し残念だったのが【イチ】がヨシカさんの名前を覚えていなくてショックを受けるところかな。
ヨシカさんなら「こんな私のこと覚えてないないなんて、当たり前こうやって会話をしてる自分エラいぞ」って思うタイプかと思ってたので。
でもここで自分は存在しない透明人間という流れに繋がって物語が後半に流れていかないのですからね。
でも自虐ミュージカル風になるの面白かったし、ヨシカさんのすべて妄想だったところと、現実のくるみさんや【二】の存在、おかりなさんの彼氏さんについては、そこで繋がるんだとほんと楽しめた。
きっとこの話の続きは、ガチで妊娠するんだろうな。
26歳で出産結婚できるとなると、結局傍からみたら、そのエピソードはなしにして、勝ち組仲間入りだよね。
幸せかはわからないけど、【二】なら幸せにしてくれそう。。。
どうして私ばかり...と思ってる人に観てほしい、爽快感満点の映画。
しんどい時、孤独な時、気分が落ちてる時...
数えきれないほど観ています。
大好きな映画です。
ヘッドフォンしながら皿洗いするシーン
紫谷れなのアカウントを見つけてバーカバーカと暴言を吐くシーン
会社の屋上でニにハグするシーン
最後のキスシーン
グッとくる大好きなシーンがたくさんあります。
なんと言っても松岡茉優の変幻自在な演技力が素晴らしすぎました。適役です。ニも良かった。渡辺大知、ちょうど良かったです。笑
ヨシカは自分自身と重なる部分が多く、共感しながら観てました。妄想から現実に戻った時にとてつもなく寂しくなったり、思っていることを一人の時に気にせず吐き出したり、素直になれなかったり、繊細だったり...ありのままでいいんだなと、この映画を観るたびに思います。人ってそんなもんです。思っているほどかっこよくない。みんなそれぞれ弱いところ、人に知られたくない自分の嫌いなところがある。だけど、二のように、自分の嫌いな部分を愛してくれて、素直になれる相手が存在するかもしれない。「この人だから、大丈夫」って思える人が、そばにいることの幸せ。それに気づける映画です。自分に自信が無くなったとき、なんだかしんどい時、ネガティブな気持ちになったとき、この映画を観ると、スッと気持ちが楽になる気がします。
星5つ以上つけたい。本当に大好きです。
中盤からの顕著に現れる主人公の闇に注目
作中でも出てくる「異常巻き」のアンモナイト。主人公も異常巻きな育ち方をしてきたのだろう。中盤で心の闇を吐露し、今まで見えてきた街の姿が空虚な現実へと変わるシーンは見応えあり。
それまでのどこかラブコメ的な見方から、物語は一気に加速していく。
リア充じゃない人ほど心に響くであろう本作。泣く人は相当泣きます。
絶滅すべきでしょうか
イチという初恋の男性との脳内恋愛の世界に縛り付けられていたヨシカが、ニと出会い、高すぎる理想から解放され、ありのままの自分を受け入れていく恋愛成長ストーリー。
原作も面白かったですが、映画も面白かったです。
繊細でプライド高いがゆえにグサグサと傷付いていく主人公ヨシカの姿が痛々しくも共感でき、応援したくなりました。
自分の気持ちを悟られるのが怖くて恥ずかしくて、常に周囲に全神経を注いでいたヨシカ。
でも実際には誰も自分の事なんて気に留めてなくて、10年間想い続けていたイチには名前すら認識されていなかった。なんと哀しい現実。
初めて告白され舞い上がろうと、二人の彼氏との恋愛に思い悩もうと、いつだって自分は独り。絶滅すべきでしょうか~♪の歌が胸に沁みました。
周囲の人から見れば自分は透明人間。ニというたった一人の存在を除いては。
鬱陶しいけど常に自分を見つめ、追いかけてくれるニの存在のなんとありがたい事か。
自分を縛り付けていた高すぎる理想やイチの幻影から脱皮し、本来の自分の姿と向き合い、一歩を踏み出そうとするヨシカに勇気をもらえました。
こんな人にお勧めです。 ・もてたい男を微笑ましく見てしまう人 ・オタクキャラが好きな人。 ・とにかく笑いたい人。
松岡茉優さん見たさに観た映画です。
彼女の演技を観たのは1カ月程前に『万引き家族』でひりひりと精神が切れる直前の危うい姿を観たのと、その前はNHKの『あまちゃん』。
かなり遡ります。
『桐島部活やめるってよ』にも出ていたらしいのですが、彼女の役は全く記憶に残っていないのでそれはなしとして。
『万引き家族』の演技は本当にすごいと思いましたし、映画を観ていなかった間も彼女の演技が凄いという評判はなんとなく知っていて、折角だから主役でやっているものを観ようと思って観たのが本作です。
全編、暑っ苦しい程に彼女を接写する映像が続きますが、??、もっと美人だったよな、この子?と思いながら。
役どころなんでしょうね。
なにしろ彼女はオタク喪女。
学生時代は自作漫画を愛し、片思いのイチを視界の端っこで視野見する日々、その後は化石にはまり、街行く人々との妄想の日々。
社会人になり身なりは気を使っているものの、どこかしらあか抜けなさというのが良い雰囲気で彼女を喪女に貶めていました。
寧ろそんな彼女の美人過ぎない接写がかなり魅力的です。堪らんです。
基本、典型的なオタク系なのでのめり込みやすくテンションは高め。
このキャラと、溢れる妄想と、登場する男イチと二の二人に振り回される姿。
話としては若干ドン引きで見ているにも関わらず、最後まで観切ってしまいました。
この辺りのストーリー関係なく見せ切ってしまうのが彼女の魅力なんでしょうね。
ラストの付箋の、なんだこれ?感はともかく、「勝手にふるえてろ」というセリフはなかなか嵌ってます。
間違っているかもしれませんが、自分自身に対して、うじうじするな!という奮い立たせみたいな言葉ですよね?多分。
彼女のいきなり感情が振り切れる演技を観続けただけに、この言葉からの吹っ切れた畳みかけは妙にかっこよく感じてしまいました。
とは言え、こんな大事なシーンを家着のスウェットで撮ってしまうのは少し勿体ない、というか僕の中の松岡茉優的に勿体ないとは思いますが、でも話としてすっきりと落ちてくれるラストだったように思います。
一応、楽しんで最後まで観てはいるのですが、個人的に結構べったりの恋愛映画に付いて行きにくい所があって、これは自分の年齢のせいなのか?それとも作品自体がそこまでグッとくるほどの物でもないのか?ちょっと悩みました。
例えば自分が過去に観た映画で、10代後半から20代前半、オタクあり、恋愛あり、笑いありという条件で映画を思い浮かべた時に、『下妻物語』や『桐島部活やめるってよ』が思いついたんですが、この辺りの映画も観直してしまうと世代差を感じるのか?感じないのであればこの作品だけの問題かな?と、改めて2作を観て確認したい気持ちになりました。
原作は綿谷りささんで、残念ながらこの方の小説は読んでいないので雰囲気が上手く掴めないのですが、映画のテンションやら笑いがどこまで原作に沿っているのか?が判らず、折角なので原作読んでから観ればよかったと思いながら。
ニを演じた方はどこかで観たことあるな?と思っていましたが、エンドロールで黒猫チェルシーが流れて、やっとボーカルの子と気付きました。
そう言えば『色即ぜねれいしょん』にも出ていましたし、結構、役者として活躍しているみたいですね。
男前という役どころではなく、無神経で見栄っ張りで抜けていて熱くてと、癖のある役どころでしたが、なかなかはまり役だったように思いました。
こじらせっぷりがお見事
「私をくいとめて」からの視聴。
松岡茉優さんは、お若いのに貫禄のある個性的な女優さんというイメージ。
こじらせ妄想女子演技、お見事でした。
バーガー屋の金髪お人形さん店員、釣り人おじさま、コンビニの店員、駅員、バスで一緒になる掃除のおばちゃま、和菓子屋店員、居酒屋のおかみさん、など、彼女の日常会話のお相手がわんさか登場。
なにか違和感がありながら、学生時代と打って変わってずいぶんと社交的になったんだなぁと思ったら、なるほどそういうことか。
テンポよく面白い展開だった。
1番好きな人にとにかく萌えてしまう気持ち、わかるなぁ。
向こうが好きになってくれても、こっちのスイッチが入らないとウザいだけってのも、めっちゃわかるなぁ。
自分なら、名前をわかってもらえなかった事だけでは諦めないかな〜。
あの流れはもっとイチが好きになってしまう。
比較で二はめっちゃ名前を呼んでくれるというね。
ニ役の渡辺大知さん、こんな役、似合うのよね。
最後のおうちのシーンは2人とも熱演。
ふむ、お似合いなのではないかね。
(どちらにも共感は??だけど)
女子のマウンティングも見られたり、綿矢りさ×大久監督の世界観が少しわかってきた。
今回はオカリナの音がスパイスで、これが私をくいとめてのホーミーと大瀧詠一につながっていくのかな。
無敵感と罪悪感
松岡茉優主演、大丸明子監督作品。意外にも松岡茉優映画初主演。
中2から片思いのイチ、急に告白してきた同僚のニとの間で揺れる主人公のヨシカ。
今まで付き合ったことがなく、地味なオタク
女子のヨシカは友達もおらず、東京で一人暮らし。
ある事故をきっかけに死にかけ、一度死んだ身と割り切り、イチに会う決心をする。
そして巻き起こる衝撃の事実、イチとニとの関係は。
リアルSNS、リアルツイートなどと言われる本作品。
皆様々鬱憤があり、誰か人と人との繋がりが欲しいと思っている現代社会が表現されている。
行きつけのコンビニやハンバーガーショップの店員、最寄りの駅の駅長、バスで隣に座る人、公園でよく見かける人などなど縁があるようで縁がない、近いようで遠い。
そういった人と繋がりたいけど繋がれない。
思ってること、考えていることを押し殺し、そういったことはSNSなど呟く現代社会。
それをいっそのこと全部言ってしまった時の無敵感と罪悪感。
笑いがたくさんあり面白く、かつテンポも良い!
オカリナはヤバい笑
松岡茉優さん、いいですね~
類まれなるいいキャラ持ってます。この役(ヨシカ)が素のように感じてしまうくらいです。
でも私が観た作品だけでも『ちはやふる』『万引き家族』『蜜蜂と遠雷』『劇場』とそれぞれ全く違った役どころで大きな存在感を出しておられ、とりわけ美人というわけではないのですが(失礼!)数々台頭してきている若手女優の中でも将来が(いやすぐ次の作品でも)楽しみな女優さんです。
実際にこんな『こじらせ女』っているんでしょうか。『一』に対する一途な想い=純真(純粋)さ、と色々な意味での『わかんない人』を同居させているキャラクターに結構引き込まれました。
これを観てから上記の作品での役作りを順番に観るべきだったかなって思いました。
展開的には前半の進み具合と後半の若干だれ気味な流れが気になりましたが面白く観られました。正直最初に松岡茉優さんをバラエティ番組で見かけた時は、まだ若いのに結構はっきりとしたもの言い(悪くいえばタメ口っぽい?)が気になり何者?って思ってましたがその後の活躍が彼女の才能をよ~く物語っていると思いますね。
北村拓海さんは『キミスイ』で一躍有名になりましたがこの作品が後なんですね?いい味出してました!いい味と言えば『二』の渡辺大地さんのキャラもいいですね~彼『黒猫チェルシー』のVocalなんですね。(って名前しか知らないのに若ぶって、知ったかぶりです)色々とTV、映画でも活躍されているようでこの方もこれからが楽しみです。
また久しぶりに見た片桐はいりさんがとてもいいアクセント(名前や色々なヨシカへのアドバイス、最後の方のカップル立ち等々)で思わず「うまい!」って脚本?監督?の起用の仕方に感心しました。
なかなかこんな作品は観ることがなく結構楽しめました。
初恋なんて美化されてて当たり前だし、100%理想の男と付き合う方が...
初恋なんて美化されてて当たり前だし、100%理想の男と付き合う方が珍しいわけで。
友達もいるし飲み会にも行くし自分の殻に閉じこもってるって程でもないし。
こじらせ女子風な雰囲気出してるけど案外普通だった。
映画としてはそんなに面白くなかった。
自由からの迷走
『勝手にふるえてろ』(2017)
主人公、江藤良香(役、松岡茉優)の当惑やいらだちの原因は、現代日本社会の性の自由奔放さ、または規範の一致していない男女の交際から結婚の間。恋愛事情にある。簡単に言えば社会のせい。賢い時代には、女性のほうに貞操感覚を与えていたのだった。ところが1960年代頃から、結婚に無関係の男女であっても肉体関係を持つのを何の不思議とも思わないどころか、結婚もしていないのに肉体関係を持つことを、それが複数であっても、むしろ1980年代などはそれを行っていない人たちのほうが身分の狭いような社会風潮の最盛期であった。だからヨシカは会社の人たちが自分を処女呼ばわりしている妄想で嫌な気持ちになったり、キレてしまったのだ。作家の綿矢りさの原作は読んでないから、私と同世代らしい女性脚本家の脚色が入っているのかどうかわからないが、そんな社会風潮の汚れた中でも、鏡のごとく純情な男がストーカーなどという言葉で消されてしまうような近似値で現れて来るのだが、恋人未満から恋人から夫婦に至るまでの間で、精神的に同意に至るのだろうが、原作は知らないが、この映画では、同意した時点で、その前に心底の双方の告白があるのだが、抱き合いキスシーンで終わるのだが。その前に婚外妊娠の嘘をついて会社を休んだヨシカに、大雨の中、結ばれると形容されてきた男、霧島(役、渡辺大知)が
心配になってずぶぬれになってやってくる。霧島はヨシカの妊娠の嘘から、誰の子なのかと怒っていたのだったが、ヨシカが嘘だと言い、言い合いの最後で「結ばれ」て映画は終える。ところで、この結ばれるという段階がどこまでを言うのかが、現代日本社会の錯誤の問題になる。日本人には、フリーセックスをなんとも思わない男女と、結婚のごとく肉体関係と精神的関係に永遠を憧れる男女が混在してしまっている。それで複雑な小説が出来上がり、漫画が出来上がり、映画が出来上がる。自由ゆえに苦労して、その前に大勢の人たちは、勢いに失敗したり、幾つもの迷路に阻まれるうちにやる気を無くす。少子化になるのは当然である。金持ちが有利なのも同じ理屈だ。
最後まで見たら★3かな
冒頭からしばらく、ヨシカの妄想とも現実ともつかない世界が進んでいく。
(前半は松岡茉優の無駄遣い感と、ミュージカルテイストが突然挟まってきて、心が折れそうになる)
ヨシカの10年越しの好きな人、イチには
死ぬ前に本気出してあの手この手で関わろうとして、完全にイタイ人に。
『あの時友達になりたかった』
『…誰だっけ?』…
10年前の出来事を大事に思っていたのはヨシカだけで、名前すら覚えられていない。
対してヨシカに猛烈にアタックしてくる二には全く興味がなくて相手にしてないヨシカ。
ヨシカが感じる、二のイタさは
イチが感じるヨシカのイタさだけれど、
目の前のイチにまっすぐで同じ設定だと気づかないのか、
二に対するヨシカの態度がそのままイチのヨシカに対する反応なのだ。
引っ込みがつかなくなって嘘をついたのに、やっぱり誰かに求められたいと思う気持ちは、
普段クールに毒舌吐くヨシカの素直さで、純粋にかわいい。
二を演じた渡辺大知のキャラクターがとてもイタくてばかげていて、最後の最後の手の動きがとても愛おしくてよかった
松岡茉優独壇場
ほぼ松岡茉優しか映っていない。
いや言い方違うな。
松岡茉優が映ってないシーンが無い。
すごい。
これが現実ではないかと思いながら観ていて、それはまあ想定内だけど、そのネタバラシをミュージカルでやってしまうという力技!
「童貞拗らせ男子」に、
「処女拗らせ女子」の存在を知らしめた、エポックメイキングな作品。
世界の片隅の話。
松岡茉優
これは松岡茉優を堪能する映画。
普通に綺麗な顔とか、芸達者な所とか、元々持ってるだろう負の部分とか。
他の人じゃできない。
ある番組で、土屋太鳳と同じオーディションになった時、彼女が受かって自分は落ちた、というエピソードを話していたが、この作品に関して言えば何度やっても松岡茉優だろう。
妄想、してたね、懐かしい。
ホントにあらゆる想像力を総動員して。
でも社会経験乏しいから今思えば貧弱だったと思う。
逆にその反面、経験無いから飛躍することもできるという良さもあった。
今じゃ想像力が欠落してしまって、映画で疑似体験をしている日々。
いろんな事を知らない素晴らしさ。
なんか思い出した。
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