「一緒に演奏がしたい。今の自分の演奏を聴いて欲しい。色々な想いを演奏にのせて、大切な人に届くようにと頑張る久美子たちの姿を描いた作品です。秀作。」劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
一緒に演奏がしたい。今の自分の演奏を聴いて欲しい。色々な想いを演奏にのせて、大切な人に届くようにと頑張る久美子たちの姿を描いた作品です。秀作。
このシリーズには劇場版が4作(※)あります。全て鑑賞済み
なのですが、この作品のレビューだけ書いてない事に思い
当たりました。
個人的に一番好きな作品なのにレビューを書いていないの
も何か落ち着かないなぁ という事で書いてみます。
※「リズと青い鳥」はサイドストーリーかなと思ったので
カウントから外しています。すいません。・_・;
これもいずれレビュー書くかも です。
◇
今作の主役は「田中明日香」です。
明日香の幼少期からスタート。
父から贈られたユーフォとの出会いの場面。そして
関西大会の演奏の場面へ、と進むのですが
この関西大会の演奏シーンの出来がとても素晴らしい。
「響け!」の劇場版の中でベストの演奏か と
そう思えるくらいに秀逸の出来です。
♪画面と音楽の同期の見事さ。
♪演奏のリズムに合わせた画面のパーン。
♪演奏のアクセントに合わせた画面カット。
この演奏シーンで、作品の世界に引きこまれ
ずっと聴いていたいような感覚になります。
場面は変わって北宇治高校。
文化祭で演奏を披露する吹奏楽部。
関西大会の結果は ”金賞 ”。
北宇治高校吹奏楽部は、みごと全国大会へと
コマを進めていました。 おー。
この場面から先、
全国大会までの練習期間になるのですが
明日香をめぐってウワサが流れます。
” 明日香センパイ、部活やめるってよ ” ←違います
動揺が吹奏楽部内に走る。
明日香は副部長で、部内メンバーの”支え” だ。
何よりも、全国大会にもっとも出場したいのが
明日香ではなかっのか?
なのに何故…?
◇
この作品では、久美子の音楽人生に少なからず
影響を与えた人物の事が描かれます。
一人目は姉。学校の部活でトロンボーンを吹いていたが
受験のため、演奏することをやめてしまった。
「何故やめるの?」 久美子の問いかけに
「あんたに関係無い」と冷たく返す過去。
二人目が明日香。北宇治高校吹奏楽部の副部長。
入部見学に来た久美子を再びユーフォに引きこんだ面倒な…
いや、 面倒見の良い先輩です。・_・;
母と子の二人で暮らす明日香には、家庭の事情があった。
” 成績を落とさず、良い大学へ ”
” もう部活は引退し、受験に専念しないと… ”
「何故やめるんですか?」 久美子の問いかけに
「高三だもの。大人にならなきゃ」 と返す明日香。
姉がもう演奏しないと決めたとき、ただ見送るしか無かった。
今回もただ、見ているしかないのか?
久美子の口から本心が迸る。明日香先輩と一緒に出たい と。
子供みたいなこと言わないの とあしらおうとする明日香に
” どうして子供じゃいけないんですか ”
” 先輩こそ何で大人ぶるんですか? ”
” 先輩だって、只の高校生なのに! ”
シリーズを通して一番、久美子が熱く想いをぶつけるシーンでは
ないかなぁ と思っています。 ・_・
そしてその後。
模試での好成績(全国で30位以内!)をタテに母親を説得し
全国大会に出るための練習に復帰した明日香先輩。
「おかえりなさい」 と久美子。
「ただいま」 と明日香先輩。
普通の日常の会話なのに、二人の笑顔がとても眩しいです。
◇
劇場版の中で一番好きな作品かもしれませんです。
未鑑賞の方、ぜひ一度。
お薦めです。
◇最後に
劇場版1作目はTVシリーズ(第1期)の総集編です。
なのでTVシリーズの臨場感のまんま です。
と書いてしまうと「それほどでもないの?」と誤解を生みそう…@_@
なのですが、そうではなくてTVシリーズ自体、ハナから
「劇場版のクオリティ」で作成されていると言ってもいいのかな
ということです。・_・
特に、演奏シーンでの「画面と音楽のシンクロ」度の高さは拍手モノ。
そのことを、これ以上は文章で伝えきれません。 ・-・
未鑑賞の方、ぜひ一度。 (…あれ? …二度目?)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。