「可愛らしい二人の初々しさと健気さに思わずきゅんとなる」はじまりのボーイミーツガール 天秤座ルネッサンスさんの映画レビュー(感想・評価)
可愛らしい二人の初々しさと健気さに思わずきゅんとなる
フランスでベストセラーになった小説の映画化という風には聞いていたけれど、作品を見て、あぁつまりヤングアダルト小説(日本ではライトノベルと言うのかな?)みたいなジャンルなのだろうと気づいた。かといって、ヤングアダルト小説だからと侮るべきではないのは「きっと、星のせいじゃない」や「ボクとアールと彼女のさよなら」などと言った素晴らしい青春映画もヤングアダルト小説が原作だったりするからだ。この「はじまりのボーイミーツガール」もそんなヤングアダルト小説の映画か作品らしい瑞々しさと爽やかさと、ちょっぴりほろ苦い痛みを描いた作品で、言語がフランス語ではなく英語だったらハリウッド映画と見間違えてもおかしくないほど軽やかでキュートで個人的にはとても好み。はじめての恋をした少年と少女の初々しさにきゅんきゅんしつつ、その奥に隠された厳しい現実に胸を痛めつつ、健気に直向きに立ち向かおうとする二人の姿に心が洗われていくよう。初恋なんて遠い昔に過ぎ去ってしまったこの心に、淡いトキメキが蘇ってくるみたいで、ずっとドキドキしながら楽しませてもらえた。
正直なところ、主人公の年齢がまだ幼いためか、ストーリーとしてはヤングアダルト小説よりも更に年齢層を下げた「少女コミック」的な側面を感じたのも事実。設定やストーリー展開には粗が多く目立ち、現実的に見ればツッコミ所の多い少女コミックのような内容であるのは否めないだろう。ある意味、淡いロマンスに憧れを抱く夢見がちな少女たちの空想のようなファンタジー感は、大人が鑑賞するにはかなり気になる部分。それでも私がこの映画を好きだと思う理由は、何しろ主役のジャン=スタン・デュ・パック少年が抜群に可愛いってこと!映画の上映時間中ずっと、ジャン=スタン・デュ・パックにひたすら萌えまくっていたと言っても過言ではない。だってもうただの天使なんだもん。あの柔らかそうな頬も、ふわりと巻いた毛先も、まっすぐな瞳も、あぁなんて可愛らしい。彼の可愛さに免じて、つい評価が甘くなってしまいます。
数々の粗はあるけれど、それでも個人的にはこの映画をずっと手元に置いておきたいと思うほど気に入っている。それもこれも、ジャン=スタン・デュ・パックの可愛さと、初々しい初恋の気分を思い出させてくれたからに他ならない。