女神の見えざる手のレビュー・感想・評価
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女の敵は女。味方も、女。
登場人物は男性が多い作品だけど、主人公エリザベスをはじめ女性陣がキラッと光ります。
エリザバスの強烈キャラ。論じさせたらいくらでも喋っているし、兼ねている時間も惜しいので精神刺激剤を飲んで、仕事に励む。表情もクールビューティーを超えて、鉄の女って感じ。敵にしたくないキャラ。「いつ眠ってるんだ?」の上司の問いに、「私は信念のために働き、眠る」。キッツー。
記者かと思って話を聞いたら、ライバル会社CEO・直々の引き抜き。「銃規制強化法案」。身を守るために銃を持つのか、持たないのか。議員が決める法案だけど、民意を動かす事が必要。議員にとっては大切な票ですから。
「私って007みたい」とエリザベスが自分を揶揄する場面がありました。これジョーク的に言ってたけど、当たってます。いろんな方面からアプローチしていく様は、すごい。銃に対する辛い思いでを持つ女性同僚をも、マスコミの前に差し出す。いやだねー。
エリザベスが法廷に呼ばれているシーンと、そこに至るまでのシーンが交互に描かれているけど、そこが説得力ありました。
段々エリザベスは追い込まれて行く場面からの展開は、見ごたえ抜群でした。
共感できないヒロインなのに、その展開に引き込まれて。あっという間の時間でした。
ロビイストというものがよくわかる作品でした。しかし、先の先まで読み...
ロビイストというものがよくわかる作品でした。しかし、先の先まで読み尽くす頭のいる内容でした。会話も早く着いていくのが大変。本当に最後まで見えざる手でした。
これが女性の実力かも(o^-')b
すんごい作品、これは!。
わからない部分は自分で考えろ!見たいな洞察力も必要で、そこがまた面白い、展開も速い。
仕事の疲れも吹っ飛ぶくらいすっきりした。
超おすすめだっ!
女性によるハードボイルド
勝つために生きる、より大きな勝利をめざすロビイストの物語。米国で銃規制法案を設立させる側に立つ、という「勝てばそりゃ大きな勝利だろうが、勝てないでしょ」という無謀な戦いへ自らをおく凄腕ロビイスト。彼女を突き動かすのは「銃はいけない」という信念か、はたまた「より大きな戦いに勝ちたい」というあくなき欲求なのかは、最後までわからないまま。
しかし彼女を突き動かしている情動がなにかがわからない不満も、最初のうちに感じる「それはやりすぎでしょう」「冷たいなあ」といった主人公への反感も、いつのまにか小さなことに感じられてくる。
それは、彼女が、知力、胆力の限りを尽くして勝利を追い求めることに尽きる。ごくわずかな可能性を見つけ、それを本当に少しずつでも広げ続けていく姿を見続けていると、"優しさとはまた次元が異なる世界" を感じられ始め、彼女が見ているものがわずかに見えたような気がしてくる。
そして、「同僚たちは罪に問われないようにする」ために同僚たちに全く情報を与えなかった点は、彼女なりの矜持だったのだなあ、と感じられてくる。
強い女性を描く映画が全盛の昨今においても、彼女は群を抜いている印象。女性による傑作ハードボイルドだと思う。
ダイナミックなエンターテイメント
素晴らしい脚本、素晴らしい主演女優。
どこまでもリアルに感じられるエンターテイメントな作品でした。
何度も観たくなる深いストーリーだけど、分かりにくくない。(難しい法律単語はありますが)
肉を切らせて骨を断つという言葉を思い出した…
アメリカ議会におけるロビイストの活動は聞いたことがあるが、ここまでエゲツないとは知らなかった。その影響力の大きさ、議員の操り方など思いもよらない話ばかりで、画面に釘付けになった。しかも、冒頭の主人公の言葉ではないが、
敵側のウラのウラをかき、スパイ活動みたいな方法までとられて進めて行く。本当にびっくりするしかなかった。リズは勝つためには手段を選ばない人で、共感することはできないが、その非常なまでの戦略にはおそろしさを通り越して、すごすぎるとしか言いようがない。銃規制問題というタイムリーな話題で、先の展開が読めず、とにかくめちゃくちゃおもしろかった。
素晴らしい脚本
タイトルが微妙なので期待しないで見てみたらビックリ。こんな作品が眠っていたなんて。張り巡らされた伏線を見事なまでに回収し、ラストの主人公の視線の先が本当の意味でのオチだったのかもしれない。金とキャリアのために人生を捧げてる全てのサラリーマンに見てもらいたい。相手を論破することで築き上げてきたあなたの鼻っ柱が折られるかもw
期待値が高すぎたのかもしれません
知的エンターテイメントとして楽しみながら鑑賞しました。
前半は良かったのですが、興ざめするようなポイントがいくつかあり、気持ちが映画から離れてしまいました。
オチも何となく読め、知的というより俗っぽい方向へ向かってしまって残念です。
原題「Miss. Sloane」という映画に「女神の見えざる手」という邦題
主人公のスローン女史はアメリカの大手ロビー会社で働くロビースト。彼女のもとへ、銃の規制強化法案に反対する(つまり、銃をもっと持たせようとするクライアント)ロビー活動の依頼が入る。
日本では馴染みがないロビー会社とは、クライアント(企業や団体)からの依頼を受け、クライアントに有利な政策や立法がなされるよう、政治家に直接・間接を問わず働きかける専門家集団を指す。スローン女史はその中でも抜群の能力を持つ敏腕ロビーストで、数々の実績を挙げてきた。一方で、目的のためには手段を選ばないスタンスが批判の対象にもなっている。
この映画を観ていて、ふと、私自身が学生の時、先生から出されたレポートのお題「“嘘とは、それが本人以外に嘘だと分からなければ、嘘ではない”、というテーマについて自分の思うことを書け」を思い出した。
作中で描かれるスローン女史の様々な行動は、アメリカの大きな社会問題である銃に対する義憤からなのか、あるいはビジネス上での更なる成功や刺激を求めてのものなのか、あるいは別の何かのためなのか、最後まで判然としない。そして、恐らく、彼女自身も、なぜ薬剤を乱用して眠らない状態を意図的につくったりしてまで、違法行為を犯したりしてまで、身近な人を裏切ったりしてまで、仕事をしているのか、よく分かっていない。本作の最大の魅力はそこにある。
何が嘘で何が本当か、何が善で何が悪か、彼女の言葉を借りるなら、その「境界線」が曖昧になって、融解した瞬間、良し悪しはともかく、とてつもないエネルギーが生まれ、その様は危うくて、そしてとても美しい。真っ赤な口紅、高いヒール、勝負の場面で纏う黒い衣服、外形的にはっきりしたそれらが対照的に映る。
原題「Miss. Sloane」という映画に「女神の見えざる手」という邦題を、よくまあ思いついたもんだと感心する。見えざる手とは、アダム・スミスという経済学者が自著で使った表現で、色んな人が勝手に、利己的に行動しても、最終的には全体に利益をもたらす、という意味。スローン女史という実像の全体を、彼女自身で輪郭づけるために狂ったように働く様と、アメリカという国全体を輪郭づけるために「銃」というテーマから様々に巻き起こる攻防の両方が、極めて利己的に動き、そしてそれぞれの全体を結果的に最適に導く。時に痛みを伴って。
完璧な脚本と圧倒的な主演女優の存在感
序盤は凄まじいセリフと情報量に付いていくのがやっとだが、綿密に張り巡らされた伏線が明かされる時、感情の洪水に襲われる傑作。主演のジェシカ・チャステインの魅力的なキャラクター、存在感に圧倒される。
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