「エスコートサービスとロビイストという職業を初めて知った」女神の見えざる手 ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
エスコートサービスとロビイストという職業を初めて知った
結構好きな展開の映画であった。個人的にはこのようなどんでん返しの映画が好きである。分かりにくい邦題だったので見るのを敬遠していた映画。原題はミス・スローン。ロビイストの話であるので、「ロビイスト、ミス・スローン」くらいにしたほうが良かったかも。といっても、この映画を見て初めて、ロビイストという職業を知った次第であるが。
最後の聴聞会のシーンで議長がスローンに何か言いたいことはあるかと聞いてきたが、彼女は暫し沈黙のままで、たまりかねた弁護士が、何もありませんと答えた直後に、彼女が発言させてくださいと答え、彼女の演説が始まる。
すでに彼女の負けが決定的になっていたので、最後に彼女は言いたいことだけを言おうとしているように見受けられた。「議会の皆さんはそれぞれの票を、政界で出世するために投じるのではなく、祖国のために正しいと信じることに投じてください」・・・確かに彼女の言っていることは彼女の本心で正しいと思った。映画もそれで終わるものと思って見ていた。彼女の演説の途中、元の会社に残っていた元部下が上司に辞表を渡す。なぜこんな時に?と上司と同じようなことを感じていたら、スローンの演説がとんでもない方向へ進んでいった。元同僚のスパイ行為、敵陣への盗聴等により、議長たちの不正を暴く作戦だったというまったくの想定外の展開は、この映画を一気に気に入ってしまうものとなった。
・エスコートサービスの男性(フォード)はなぜ聴聞会で嘘をついたのだろうか?彼女が好きだったから?そう言えば、刑務所から出てきた彼女が何かを見つめるシーンでラストモーションとなるが、もしかしたらフォードが迎えに来ていたのだろうか?でも、そうだとしたら、逆にこの映画の雰囲気を壊してしまうことになるので、あり得ないか?目線は一点凝視ではなく、左から右へ流れているので、複数いるっていうことか?だとしたら、彼女の同僚たちが迎えに来たっていうことか?