「とても良い作品でした。」女神の見えざる手 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良い作品でした。
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銃規制法案を巡り、凄腕女性ロビーストが、規制反対派の圧力と組織力と戦うストーリー。
凄く良い映画でした。
まず主人公の女性が格好良いです。バタバタと切って捨てるような歯切れの良いトーク。実力に裏打ちされた自信に満ちた弁舌は、素直にすごいと思えます。
ただのスーパーウーマンではなく、売春夫(?)に逃避したり、自ら捨てた人生を思い描き、同僚を死の危険に合わせたことに苦しむ様は、彼女の人間としての魅力を高めていたように思えます。
時々、インサートされる聴聞会のシーン。現在と未来を交互に映す手法を、私は不得手に感じています。ラストシーンが想像出来てしまいますし、「現在」に集中出来ない、とも感じるからです。
でも、この映画がこの手法を取った意味は想像できます。
格好良く立ち居振舞う主人公。でも、インサートされた聴聞会のシーンは、このロビー活動の失敗を暗示していて、鑑賞者を重く暗い気持ちにさせます。
その気持ちがあったからこそ、最後のどんでん返しに、より大きなカタルシスを感じることが出来たのだと思います。
クライマックスシーンの夫々の表情が良いですね。彼女の弁護士、上司、商売敵、議員、仲たがいした仲間、そして主人公。全員無言で、それでいて表情がそれ以上に雄弁に言葉を発しているような・・・
出来れば、彼女がそこまでこのロビー活動にかけた理由を明示して欲しかった。そのチャレンジ性でしょうか?心身が限界だったので最後の仕事にしようと思ったのでしょうか?暗示はされていましたが、もう少しヒントが欲しいところです。それがあれば、捨て身の彼女の行動が、よりリアルに感じられたのではないでしょうか?
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