「さすが池井戸作品」空飛ぶタイヤ よしさんの映画レビュー(感想・評価)
さすが池井戸作品
トレーラー事故の真相を追う、運送会社社長の奮闘を描く物語。
長瀬智也主演・・・というよりは、ヒットメーカー池井戸潤原作の映像化作品ですね。原作未読。WOWOWでもドラマ化されていましたが、未鑑賞です。
流石に池井戸潤原作。とても良く出来た物語ですね。
運送会社社長の苦悩描写がしっかり。着せられた汚名、家族にも降りかかるパッシング、無実を信じながらも加害者として対応せざるを得ない立場。
会社存続の為の厳しい判断が求められるシーンを含めて、苦悩のエピソードがしっかりと描かれています。
ラスボスの設定も素敵です。財閥系の自動車メーカー。その中でも圧倒的な権力を持つ役員。大企業の影響力と官僚主義。
主人公の苦悩とラスボスの存在がしっかりと描かれているので、ラストのカタルシスが大きく感じられます。
エリート社員の苦悩、銀行とマスコミ。色々な人物がしっかと描かれていて、物語を重層的に盛り上げてくれるのも良いですね。
やや主人公を演じた長瀬の演技が芝居がかって感じたのが残念なところ。若い頃ヤンチャしていた昔気質・職人気質の社長描写なのでしょうが、もう少し抑えても良かったかもしれません。もっと私的な好みで言えば、寧ろひ弱な2代目にした方が、物語は映えたように感じられます。
私的評価は4にしました。
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