劇場公開日 2017年11月11日

  • 予告編を見る

「一緒に暮らしていてもお互いの事は解らない。」南瓜とマヨネーズ puccinoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5一緒に暮らしていてもお互いの事は解らない。

2017年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

それにしても臼田あさ美の印象はいつも同じ声のトーンで演技の幅があるようには見えないのに表情の変化は独特な魅力がある。
オダギリジョーは何をやらせてもオダギリジョーで。実年齢は40過ぎてるのに全く違和感がない。羨ましい。
現実の壁を乗り越えて成長していく幼さがまだ残る唯一リアルな20代の太賀。だらしなさと真面目さが同居している。3人共に実際にいそうなキャラクターを感じとれる演技力。
南瓜とマヨネーズ。意味深なタイトル。見た目も味も全く違うタイプを好きになってしまった。という意味なのか?
いろんなシーンを断片的にクローズアップした画面を人物の顔は映さずにテンポ良く小刻みに見せ、これから始まるストーリーをちらつかせるオープニングがとてもオシャレだった。
若い頃に感じていた東京に対する漠然としたイメージとこれといった保証や約束なんて無いのに妙に自信に溢れ、夢や目標は必ずいつか叶うと思い込んでいて、強気で、基本自分のことしか考えていなかったような20代の頃のなんとも言えない青くさくて歯がゆい空気感が終始画面から伝わってきた。
たまにこの手の映画を観る度に自分の若い頃を思い出す。自分の可能性に向かってもっとやりたい事やってもっと遊んでおけばよかたなぁ…男と女のいざこざも…とか40過ぎた今になっても後悔している自分に毎度気付く。それを20代で気付いていれば「私は一体何をしているんだろう」なんて言葉、今だにつぶやく事なんてなかったのかな…。
女は自分には何もないから夢に向かって一生懸命で純粋で無邪気で子供っぽい男に魅力を感じ尽くしたくなるのでしょうか。
男の夢を叶えてあげたいがために働く。という理由だけで女は辛いことも頑張れるのでしょうか。そこに自分の存在理由を感じるのでしょうか。
男はプライド、信念、こだわりを崩すこと崩されることは辛いことなのでしょうか。
忘れたはずの恋なのに、また同じことを繰り返してしまうものなのでしょうか。男も女も関係なく。

せいいちが最後にためてためてやっと歌った歌は意表をついた。
てっきりベタなラブソングを歌うものかと予想してたから。
最後にいい曲聞けて願いが叶ってしかも自分のことを歌ってくれて本当によかったね、ツチダ。

puccino