「予備知識が欲しいかも。天才達が照らした、未来の行方。」エジソンズ・ゲーム 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
予備知識が欲しいかも。天才達が照らした、未来の行方。
【賛否両論チェック】
賛:エジソンやウェスティングハウスを始めとする様々な人間によって、今日の電力供給の礎が築かれたという事実に、思わず考えさせられる部分が多い。豪華なキャストの重厚な演技も味わい深い。
否:理論的にも構図的にも難しい話が多いので、興味を惹かれないと眠くなってしまうこと請け合い。主人公の人柄ややり方にも、やはり感情移入するのは難しいかも。
天才でありながら、その人間性故に事業に苦戦するエジソンと、着実に勢力を広げていく実業家のウェスティングハウス、そして野心に燃える天才・テスラや、全身全霊でエジソンを支え続ける秘書・インサルと、実に様々な人物達の運命が交錯し合いながら、いかにして“電力供給”という今日の人類の発展へと繋がっていったのか。それを考えると難解な理論の話も、すごく感慨深く思えてくるようです。ベネディクト・カンバーバッチやマイケル・シャノンの味のある深い演技も、また物語を際立たせていて、観ているだけで圧倒されるものがあります。
ただ大方観る前から想像出来るように、お話自体はやや小難しいといいますか、送電システムを始めとする理論的なお話だったり、色々な人物が登場してくるその構図だったりと、興味がないと眠くなってしまうような事柄が満載な印象でもあります(笑)。
そしてやはり主人公・エジソンの、手段を選ばない狡猾なやり方や、自分本位に見えてしまうその人間性にも、なかなか共感というか感情移入というか、どうしても理解していくのが難しい部分でもあります。
対立関係の詳細や、時系列でみる全体像等、初見だとなかなか把握するのが大変だったりもするので、可能であれば予備知識を持ってから観るのが望ましい、そんな映画といえるかも知れませんね。