劇場公開日 2017年10月20日

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「とにかくド迫力の戦闘シーンが凄い!」アトミック・ブロンド うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5とにかくド迫力の戦闘シーンが凄い!

2021年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

89年のベルリンの壁崩壊が舞台で、当時の車、当時のファッション、当時の音楽をふんだんに散りばめた、極上のアクション・スリラーです。

特に、当時のソビエト製のトラバントを使ったカースタントは、まるで本当に発砲したかのように、相手の着弾と、車列の脱落の様子が、手持ちカメラにばっちり収まっている。「ボーン・アルティメイタム」が、さらに進化したようなアクションだった。

シャーリーズ・セロンの体当たり演技も素晴らしい。ヒールのとがった部分を武器にしたり、蹴飛ばされて階段から転げ落ちる様子は、直接的に「痛み」の伝わる戦闘シーンだ。「ジョン・ウィック」と、同じスタッフが手掛けたというのも頷ける。

キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロックなど、自分でプロデューサーも兼任する俳優は、アクションに取り組む姿勢が違う。覚悟を決めて、腹を据えている。

このスタイルの成功者は、何といってもトム・クルーズだろうけど、今後、彼女の主演作はセルフ・プロデュースの方向を歩むことになるのだろうか。

残念なのは、使用される楽曲が単調で、眠気を催すこと。確かに当時のヒット曲がいいタイミングで流れるのだけれど、最近の映画のトレンドにのっかったもので、新鮮な驚きはない。もっと厳選して、曲自体を減らしてほしかった。

「ベイビー・ドライバー」では、かなり上手に音楽を使っていただけに、一段落ちる印象だった。違いは、主人公がその曲を今聴きながら運転しているという、臨場感だろう。悪く言えば、今かかっている曲に、映画の中のつながりが無いので、そのミスマッチが何度も続くと、だんだん単調で、眠くなってくる。

アメリカではさほどヒットしなかったようなので、続編はなさそうだが、ちょっと残念。彼女がどうなっていくのか見てみたかった。

2017.10.27

うそつきカモメ