「文字情報多すぎ」犬ヶ島 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
文字情報多すぎ
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面白かったけど、視覚情報が多すぎてメチャメチャ疲れました。アンダーソン酔いです。
基本、細かいギャグが面白い映画だと思います。個人的にはあのヘンテコな言語センスが大好きで、ウニ県メガ崎市とか字面だけで最高ですし(メガ崎って縦書きだと漢字っぽい)、随所にちりばめられた日本語で書かれた文字が良いです。黒板を見ると「6年間の思ひ出」とか。リンクしてるようでしていない感覚が好みで、文字が出てきたら早速目で追ってしまいました。
その結果、後半はすっかり疲れて、物語もきっちり把握できずじまい。面白かったけど、どんな話だったっけ、という感じで終わっていきました。
負け惜しみではないですが、本作はいつも以上に物語よりもヴィジュアル優先な作品だと思いました。
あと、最近のウェス・アンダーソンらしく、本作もポリティカルな背景があり、本格的なディストピア映画でしたが、ポップに終わっていくのも意外です。これまでの作品に見られる、彼独特の無常感や寂寥感はさほど感じられなかった。
個人的には、比較的よく出てくる『バイクとサイドカー』が本作には出てこなくて残念。今か今かと待っていたのですが。
前作の『グランド・ブダペスト・ホテル』やストップモーションアニメの過去作『ファンタスティックMrフォックス』の方が好みで、ウェス・アンダーソン作品の中では今ひとつだと感じています。
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