ぼくの名前はズッキーニのレビュー・感想・評価
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悲しい
気の毒な子供ばかりで見ていてつらい。ズッキーニは人生がつらすぎるので仕方がないかもしれないが顔が暗すぎる。おまわりさんがいい人で、女の子と一緒に引き取ってもらえてよかったのだが、残された子供が気になって仕方がない。施設が暖かい場所でよかった。みんながみんな幸せであることなど無理なのだろうか、という悲しい気分になる。
素晴らしきフランスアニメ
🇫🇷
キネコ国際映画祭でやるようなミニシアター系の素晴らしい作品。
原作とはやや違うところもあるが、ストップモーションアニメの良さもあり、素晴らしい作品に仕上がっている。
もっとみんなに見て欲しい作品。
そんな世界があったらいいな
こんな養護施設があればよいなあ、
こんな里親や施設の職員のように生きてみたいなあと思える
理想を描いた映画でした。
でも、実際の養護施設で
こんなにもゆとりのある人員配置はあるんだろうか、
愛されずに育ったり、深く傷ついたりした子どもたちが
とても素直で、
それほど手間のかからない子ばかりなんてあるんだろうか
と、疑問に感じるところもありました。
初めの場面で、凧がありえない上がり方をするのが
印象的でしたが、
やはり、この話は現実とはやや違う、
そうあってほしいという理想の世界を描いているということを
表しているのではないかと思います。
字幕だったので、フランス語の音の心地よさを感じながら
観られました。(意味は分かりませんでしたが)
背景も綺麗でした。
非の打ち所がないアニメ
短い時間の中に濃い内容をギュッと凝縮し、無駄なく丁寧に作られた映画でした。ダラダラと冗長な映画よりもずっといいです。
子どもたちの心情描写もさることながら、とても印象に残っているのは、養護施設のスタッフ、レイモンといった、彼らに関わる大人たちの態度でした。価値観を押し付けず、ふわっと包み込むように子どもたちに接しているように感じました。
ズッキーニやシモンといった施設の子どもたちはひどい傷つきを体験してきているため、人をなかなか信用できないのではと想像します。しかし、彼らを囲む大人たちの態度が作り出す雰囲気が、子どもたちが本来持っている自己治癒力を引き出し、自然と友情を深められたのでは、と思いました。
雪山に行った夜に、コテージをクラブにしてみんなで踊ったシーンが特に印象に残っています。一緒に楽しむムードが素晴らしいです。夜の遊びを自然と取り入れることができるのはやはりお国柄だろうか。日本でもあんな風に遊べたらいいのにね。
このような大人の守りの中で、孤独な少年ズッキーニは同じく傷を負った孤独な子どもたちと友情や恋を経験していきます。そのプロセスが実に丁寧かつ誠実に描かれておりました。
お互いの傷を知っていく。それが軸となって自然と連帯し、孤立して生きていた子どもたちが、ひとりではないと実感していく。その姿に感動しました。
特にシモンとズッキーニの友情はグッときました。あのくらいの歳で友情を育めたのは宝です。特に愛情に裏切られた子どもたちだからこそ、かけがえのない出会いだったと思います。
シモンは侠気があって良いキャラですね。カッコいいし。彼は終幕近くでズッキーニの養子縁組による別れという痛みを抱えますが、苦しさを吐き出しつつ、ズッキーニの旅立ちを祝福します。これは大人でもなかなかできないと思います。このラストは不平等であり、すなわちとてもリアリティがあると思います。ここでズッキーニを思いやれるシモンの態度が、物語をさらなる高みに上げていると感じました。彼の態度は彼自身をグッと成長させたと思います。
ストップモーションアニメはとても繊細で、キャラクターはおしなべてキュートでした。音楽も素敵。居場所を作っていくメタファーとしてたびたび挿入される鳥の巣作りも上品です。カミーユがカフカを読んでいたり、金髪のコがカミーユとの出会いで前髪が払われたりと、ディテールも丁寧で意味があると思います。
なので、本作はかなり非の打ち所がない、完成度の高い作品ではないでしょうか。もう少し話題になってもいいのでは、なんて感じています。
この子は幸せになれたけど〜
様々な事情で親と暮らせなくなった子供たちのお話。
可愛いけどちょっぴり癖のある人形たちの姿が
この映画が一筋縄ではいかない内容であることを
観客に教えてくれる。
それでもそんなに暗い話ばかりでもなく
ところどころ笑えるシーンもあり最後は泣かされます。
支え合い生きてゆくのに血縁だけではない関係が
これからの社会には必要なんだろうな〜と感じさせてくれます。
で、月に10本ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
いや〜前半、こんな子いるいると言う感じで
意地悪を仕掛けてくるシモンくんが後半いいとこ持って行きます。
ここの施設の職員たちがみんな子供たちを大切に思っていて
見ていて本当に心が救われます。
雪山への遠足シーンやディスコシーンはとても素敵。
日本の養護施設にも有るのかしら?
ラストのラスト、自分の子供を産んだ女性職員が
赤ちゃんを施設に連れてきて
それを見にきた親と離れ離れの子供たちが
女性職員に問いかける言葉の一つ一つが
胸に突き刺さります。
良い映画です。本当に〜
★もう一度観るなら?「配信かレンタルで、じっくり」
よく動くクレイアニメは見てて楽しい。
過失によって母親を殺してしまい孤児院で生活することになったズッキーニ少年の物語
孤児院のメンバーはいかにも曲者で、馴染むのどれだけ苦労するのだろう……と思いきやすぐに馴染む。基本的に悪い人がいない。
孤児院の生活は楽しそうに映るくらい。
制度への批判とかでもなく、元から悪い人間になったらアカン的な子供にもわかるストーリー。意外。
と予想とはちょい違う内容だったけどなかなか楽しめました。よく動くクレイアニメは見てて楽しい。
最後は◯◯◯…お前ええやつじゃないか!
孤児院の子どもたちが雪山のコテージでダンスパーティーをするシーンがあるんだけども、DJ(先生)の選曲がEBM。EDMじゃなくてEBM。ハンマービートに合わせてガチ踊りする10歳前後の子どもたち。アレはなかなかカオスなシーンだったなぁ;
クレイ(粘土)を使わない新世代クレイアニメの繊細な感情表現にため息
かつて、こんな切ない表現をした"ストップモーションアニメ"があっただろうか?
本作は、世界最大の"アヌシー国際アニメーション映画祭"で、2016年度の最優秀作品賞と観客賞の2冠を受賞し、昨年の第89回アカデミー賞長編アニメーション賞にもノミネートされた注目作である。
アルコール依存症の母親に育児放棄されていた9歳の少年ズッキーニは、彼の過失から母を亡くしてしまう。親身になってくれる警察官に保護され、孤児院での生活が始まったズッキーニは、新しい生活の中で、同じく様々な家庭問題を抱えた子供たちと出会い、仲間や彼女を作っていく。
セリフで状況を説明するのではなく、子供たちの行動、背景、繊細な表情の作り方、絶妙なセリフの間(ま)。そしてコマ送りで紡がれるストップモーションでしか得られないアナログな味わい。
"育児放棄"、"小児虐待"、"親権争い"など、暗く重い社会メッセージがありながら、子供たちにとって孤児院は心のシェルターであり、"友情"や"思いやり"が横たわっている。こんな優しいアニメは初めてである。
近年、"ストップモーション作品"は増えている。粘土(クレイ)を使う"クレイアニメ"はその代表格で、第89回アカデミー賞には、日本でも公開された「KUBO/クボ 二本弦の秘密」(2017)もノミネートしていたり、今年の短編アニメ賞には「ネガティブ・スペース(原題) / Negative Space」がある。
また、「グランド・ブダペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督のクレイアニメ「犬ヶ島」もすでに話題沸騰で、5月に日本公開される。国内でも、斎藤工プロデュースのクレイアニメ「映画の妖精 フィルとムー」が、昨年10月の東京国際映画祭で世界初上映されたばかり。
これらストップモーションが量産される理由には背景がある。それは技術的革新だ。
ひとつは粘土(クレイ)を使わない"クレイアニメ"の登場である。本作もそうだが3Dプリンターのおかげで、フォームラテックスによる自在な人形を作ることができるようになった。コマ撮りの、気の遠くなるような作業が短縮されるとともに、人形の視線や表情、より繊細な動きなどに演出の配慮が可能となる。
一方で、オーソドックスなアニメは、CG作画により実写と見紛うくらい究極の画を手に入れた。しかしその代償として、セル画的な手作りの魅力を失ってしまった。アニメのアニメらしさは、"パラパラまんが"感にあることが見直され始めている。
本作を観れば、新世代クレイアニメの誕生と可能性を目の当たりにできる。
(2018/2/11 /YEBISU GARDEN CINEMA/ビスタ/字幕:寺尾次郎)
とても良かった
この題材で、子供達をカワイさのかけらも無い造形にしたのが良い。これが実写なら世知辛さだけが際立つ感じになりそう。
まだ幼い言葉しか持たず、この先無事に辿り着けるかどうかも分からない自分の未来を、そのデカい目でひたすら見つめ続ける。そんな彼らの心がジワジワと伝わってきた。
ラスト、赤ちゃんを囲んでお喋りするくだりがまた泣けた。
子供たちの心の影と光を繊細に掬い取った佳作
「ゴッホ 最期の手紙」を観た時も思ったことだけれど、最早アニメーション作品は本当に子供向けやファミリー向けという概念ではなくなったのだなと「ぼくの名前はズッキーニ」を観ながら感じた。
母親を亡くし(父親は不在)、身寄りのなくなった少年ズッキーニが児童養護施設と思しき施設へ預けられるようになり、そこで出会う友人や、初恋、そして自分の居場所を見つけるまでの物語が、ストップモーションアニメで描かれるのだが、なんだかアニメーションという枠を超えて、子供たちがそれぞれに抱えている悲しみや虚無感が映像として伝わってくる説得力がとても素晴らしかった。内容だけを考えればわざわざアニメーションじゃなくても?と思いそうなところだけれど、作品を実際に見ると、いやこのストップモーションアニメだからこそ、この少年たちの孤独感や、それぞれに複雑な心情を抱えて築かれていく友情や仲間意識のようなものがかえってありありと描かれたような気もしてくる。ところどころグサッとくるようなセリフ、施設の壁に貼られた子供たちのその日の気分を示すメーター、車の音がするたびに母だと思って玄関を飛び出していた子が、実際に母と対面した時に思ったこと・・・。一つ一つのシーンと演出がとても繊細で奥深くて、「子供が見てわかりやすいように」という価値観で作るアニメーションではまったくないなとつくづく思った。そしてそこが非常に気に入った部分だった。
70分足らずの短い作品だけれど、そこで語られる内容の濃さと深さはそれ以上のものだった。
思い切り泣く場所がない子供達の、淡々した表現が描かれていて、ホロリ...
思い切り泣く場所がない子供達の、淡々した表現が描かれていて、ホロリときました。
コマ撮り目的で観たのに、そんなことを忘れる程入り込みました。
子供の心理がよく伝わる作品だと思いました。
う〜〜ん…
口コミ評価高かったし(件数は少なかったけど)、面白そうだったのでわざわざ観に行ったんだけど、何〜???
なんか淡々とした表現で全然感情移入出来なかった。
大袈裟なのも困りものだけど、ここまでアッサリもいかがかしら?
ガッカリ。
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