「裁判は大変…」否定と肯定 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
裁判は大変…
クリックして本文を読む
率直になぜ今更、ホロコーストがなかったという誰もが信じ難い、わかりきったことで裁判が起きるのか、また起こそうとするのかが、まず驚く実話ベースの話だった。しかもイギリスの法廷では訴えられた側がそれを証明しなけらばならないという不可解さ。法廷弁護士を演じ、原告を理詰めに責めるトム・ウィルキンソンは好演だった。自身もユダヤ系として自らの口で法廷で反論したい気持ちを抑え、弁護士の戦略により、他者に自分の信念を託すまでの葛藤を見事に演じたレイチェル・ワイズも適役だった。判決直前の判事の物言いにはおいおい!となったが、原告がかなりの差別主義者であったことで形勢がやや一方的になった点に若干映画としての盛り上がりに欠けた気もするが事実はどうだったのだろう。再び悲しみを与える可能性を排除し、被告含め迫害を受けた人々に断固として証言させなかった弁護側の戦略はまさにプロフェッショナルだし、裁判というものを考えさせるものだった。判決結果は一日前に弁護側だけに伝えるというのは初めて知ったし、映画では明らかにされてないが実際に被告には伝えなかったのだろうか。
コメントする