「実話といえど、もっと演出があっても…」否定と肯定 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
実話といえど、もっと演出があっても…
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裁判の準備段階までに比べて、裁判開始以降の展開が雑な気がする。
この映画は、
ホロコーストの否定vs.肯定の戦いを描きたかったのか、
否定論者を否定することでホロコーストが事実であることを肯定して見せた弁護団の戦略を描きたかったのか。
被告側が無実を証明しなければならない英国の裁判ルール。
訴えは名誉毀損だから、主人公がホロコースト否定論者に対してぶつけた言葉が名誉を傷つけたかどうか、という争点で不利な戦いを受けて立ったという図式だと思った。
ホロコーストが事実であることを証明しても、言論の自由、主張の自由を否定できるものではない。
しかし、裁判はお互いのホロコースト論の不備を突き合う展開となり、
しかも意外と敵はあっけない。
そこで最後の裁判長の言葉が急転直下を告げるものか?
と、思ったが、そうでもなかった。
要するに呆気ない決着。
問題は、布石をちりばめ過ぎてかたずけられていないこと。
思わせ振りだったのに、それっきりのシーンが多過ぎた。
しかも、主人公はさした戦いはしておらず、むしろ弁護団と内輪もめをしただけだったような印象だ。
だけど、なんとなく感動的に終わったのは、演者たちの力量・存在感なのかな、と思う。
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