「証拠だけが本当の歴史を語ることができる」否定と肯定 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
証拠だけが本当の歴史を語ることができる
これは素晴らしい作品だった
ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺「ホロコースト」はなかった
と言われたらどう思うだろうか
それがユダヤ人によるねつ造だと言われたら?
え?本当にそうなのかな?
と、一瞬自分の中の常識を疑わないだろうか
この映画では
ホロコーストはなかったと主張する歴史学者が、ホロコースト研究家の主人公デボラ(レイチェル・ワイズ)に自分の主張を侮辱されたと訴える
しかし
イギリスの法廷では、訴えられた側に立証責任がある
つまり、デボラはホロコーストがあったことを主張しなければならない *
これは否定することの安易さに比べて、それを証明することの難しさを描いている
否定したり、非難することは誰にもできること
またその安易な否定が世の中から注目されやすく、多くの人が信じてしまいがちな側面も描かれる
しかし、そこにこの映画の面白さがあった
50年前に起きたことを証明することは非常に難しいけれど、真実は何よりも強いのだ
真実がインチキ歴史学者を打ちのめす様には胸がスッとして、爽快な気分になる
ホロコーストがなかったなんて、どんな神経してるんだろうと思ったけれど、そういう感情論よりも、証拠が示す真相の力強さを感じた作品だった
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