「プロの戦略」否定と肯定 ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
プロの戦略
原題は「Denial(否定)」です。
法廷物語なので、ホロコーストを否定する人と肯定する人という
対立関係を明確にした「否定と肯定」という邦題は良いです。
事前知識として「ホロコースト」と「アウシュヴィッツ」を知らない
人は調べておくと良いでしょう。
「アウシュヴィッツ」は有名ですが、見たことはないので、
「アウシュヴィッツ」で撮影された部分もあり、忠実に再現
されているので、印象的でした。
「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」を観た人に
この映画をお勧めできます。
この映画を観た人にも「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」
をお勧めできます。
法廷で勝利するためには、戦略とチームワークと資金が重要だと
思い知らされます。
感情や証言や証人では、裁判に勝てなないという事実を突き付けられます。
本当のプロの戦略を観ることができます。
思想や信条は自由ですが、事実を歪曲して歴史にすることは許されません。
政治家が票や資金を集めるために、専門家がお金儲けのために、
マスメディアが受信料や広告収入を得るために、事実を歪曲して
いるのが現状です。
この映画は、この現状に立ち向かうことの困難さを良く示してくれます。
日本人にとって、ホロコーストは遠い昔、遥か彼方のヨーロッパでのこと
なので理解しにくいと思います。
日本人にとって、南京事件のことなら理解しやすいでしょう。
政治家が、専門家が、マスメディアが南京事件のことを
どう言っているのかということです。
私は、南京市内に入った兵士から事実を聞いています。
政治家が、専門家が、マスメディアが嘘を言っているのを知っています。
政治家が、専門家が、マスメディアが南京市内に入った数万という兵士
から事実を伝えたことがあるのでしょうか?
南京市内に入った数万という兵士は、ほぼ亡くなっていて、事実を
もう伝えることはできません。
だから、政治家が、専門家が、マスメディアが嘘を言っているという
ことです。
NHKは法律を盾に受信料を徴収していますが、政治的に公平であること、
報道は事実を曲げないですること、意見が対立している問題については
できるだけ多くの角度から論点を明らかにするという努力をしていない
ことは南京市内に入った数万という兵士から事実を伝えていないことだけ
でも明らかです。
法廷物語なので、眠くならないように、万全の体調で鑑賞することを
お勧めします。
映画の余韻に浸りたいという人にはパンフレットの購入をお勧めします。