「史実を争うことの難しさを痛感」否定と肯定 ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
史実を争うことの難しさを痛感
米大学で教鞭を取る主人公デボラ・リップシュタットが、自著の中でホロコースト否認論者として糾弾した英国の歴史学者デイヴィッド・アーヴィングから名誉棄損で訴えられた、英国高等裁判所での裁判を元にしたドキュメンタリー的作品。作品の焦眉は、彼女の弁護チーム、とりわけ、スコットランド人法廷弁護士リチャード・ランプトンが、被告にされた故に冷静さを失いがちなクライアントの心に寄り添いつつ、綿密な事実調査に基いた、論理的で冷静沈着な弁論を展開するところでしょうか。実際にあった裁判が下敷きなので話の顛末は最初からある程度推し量れてしまうのですが、裁判の場面での論戦は本当に臨場感に溢れ手に汗握るものでした。また私自身、ポーランドのアウシュビッツで70年前に実際に起こったことを学べる良い機会になりました。
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