劇場公開日 2017年12月8日

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「否定の否定。」否定と肯定 sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0否定の否定。

2017年12月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ユダヤ人のホロコースト研究者が、ホロコーストを否定してくる輩に名誉毀損で訴えられ、裁判で闘うという実話に基づいた話。
何かと闘っている人にオススメな作品かも。

イギリスの裁判制度を知らなかったのだが、弁論や確たる証拠を積み重ねて組み立てて戦うという点ではどの国も同じ。
戦略や、相手をよく研究することが重要な点も同じ。
普遍的な闘いの物語として興味深く楽しめた。

裁判シーンがメインでやや地味な展開かつ描写なんだけども、個人的には人間ドラマ含め、十分見応えがあって一喜一憂をドラマチックに楽しめた。

実際にはどうだったのか知らないが、本作でのアーヴィングは訴えた側で、しかも自称歴史研究家のくせに、自身の論理的な防御が手薄すぎて、あきれた。
無知な自称知識人、はどこの国にでもいるということなのか。。

その矛盾や誤ちを気持ちよく指摘、反論してゆく弁護人の発言は至極真っ当で痛快この上なし。
私自身も主人公のリップシュタット同様、自分の良心や意見は自分の言葉でぶつけたい人種なので、彼女の歯がゆさにも超共感しつつ、支えるチーム勢やチームの力に涙。

自身の信念で考える最善の方法が、最短ルートにはならない場合、その道は困難になる、みたいなセリフがあり、しみじみ噛み締めている。

sannemusa