「他人に委ね得るほどの良心を自分は持っているか?」否定と肯定 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
他人に委ね得るほどの良心を自分は持っているか?
裁判に関わったことのない人間には縁遠い世界の話のように思っていたが、一般的な生活に於いても日常起こり得る様々な局面や葛藤に繋がるテーマがたくさんあり、脚本を文章に落として再読したくなった。
期限を区切られた中で、どれだけ資料を渉猟し、根拠のある、戦える、或いは勝てる論点を提示するか。
良かれと思う方法や言動が、思わぬ形で人(この作品ではホロコーストの被害者)を致命的に傷つけることがあるかもしれない、と想像力を働かせることの重要さ。
先生や上司にその想像力がない為にいかに多くの生徒や会社員が心を病んでいることだろう。そもそも良かれと思う以前に自分のことしか考えていないのかもしれないが。
良心を他人に委ねることも難しいが、委ね得るほどの形をもった良心を自分は持っているのか?
新しい年に向けた気持ちの在り方とか他人との接し方などを考えるのにとてもタイムリーな中身の濃い作品でした。
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