「突っ込み所が満載だがハラハラ」ライフ(2017) parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
突っ込み所が満載だがハラハラ
まず宇宙からの映像が綺麗、宇宙ステーションの出来も素晴らしい。無重力空間としての撮影も良くできている。何も考えずに見れば、ハラハラドキドキで、ストーリー的にはツボを押さえている。しかし、冷静に考えると突っ込み処満載でありえないと思ってしまう。そこで評価が分かれるように思えた。
まず、カルビンが人間以上の知性を最初から持っているかのように振舞うのはいかがなものかと。単細胞動物って思っていたら、みるみる間に学習、進化していく。それってあり得ないでしょ。何も学習せずに既にわかっているって超能力か悪魔の化身か。生物学者が手を掴まれて、抜けたと思ったらカルビンが手袋を器具を使って破るとかってアリ?そんなものに初めて触れたはずなのに。ラボから空気孔の狭いすき間から脱出って、どんな形にも姿を変えられる? 通信機器を破壊するって、膨大な機器を選別して壊すことができるの?であれば、もっと別なものを破壊して自分に有利にするんじゃない? いくら人間が船外活動をしに出たからといって、酸素も水もなく、宇宙線が降り注ぐマイナス276℃の宇宙に出ていくか?必ず船内に戻れる勝算ありなの?噴射を使って排除しようなんて、あんまりにも素人考え過ぎる。生物学者が、再びとりつかれるのだが、なぜ異常を他のクルーに伝えないのか不明。ソユーズがドッキングしてショウが助けが来たとか言って、他と連絡を取らずに単独行動を取るのもないでしょ。最後、ミランダのポッドが破片と当たって軌道が変わって宇宙の彼方に消えていくのと対照的に、地球に到着してしまったカルビンとデイビッド。宇宙物は、こういうブラックな終わり方がお似合いです。
ハラハラドキドキをしたいのならお勧め。思索する系の人は見ない方が良さそうです。