「底辺の描写がやるせない」ソウル・ステーション パンデミック nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
底辺の描写がやるせない
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「新感染」の前日譚ということで、気になって観ました。
なんの武器も持たない庶民が逃げまどう緊迫感のあるゾンビホラーで、楽しめました。
そこへ、社会の底辺で生活する人のリアルな描写、市民を切り捨てる国家権力と、社会問題に対する視点があるところも印象深いです。
怪我をしても助けが得られないホームレス、風俗で働かねばならなかった家出少女など、底辺のリアルが辛いです。
ホームレスに家出少女と、貧困の中で家を求める人達を描き、クライマックスにたどりついたところが、誰も人のいない超高級マンションのモデルルームとか、格差社会の皮肉にやるせない気持ちになります。
クライマックスの展開も、個人的には全く予想外のどんでん返しで、良い意味で裏切られました。
もうゾンビホラーじゃなくて、バイオレンススリラーだろ、という感じで。
アニメーションとしては、リアルな人物描写は良いですが、個人的にはCGっぽい動きや色などはあまり好きではありませんでした。
アニメーションならでは、というところも、特に無かったように思います。
リアルな不穏な緊迫感のある演出は、やはりハラハラドキドキさせられて、良かったと思います
ちなみに、シリーズの「新感染」「新感染半島」は鑑賞済みです。
個人的には、この中では「新感染」が一番面白いと思っています。
「新感染半島」と本作となると、ストーリーなど本作の方が面白いと感じました。
「新感染半島」のラストは、ちょっとイマイチな気がしましたが、本作を観た後だと、最後の最後はそういうラストにしたいよな…、と思えました。
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