「ファンタジー超大作だと思っていたが‥‥‥」DESTINY 鎌倉ものがたり ポッケさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジー超大作だと思っていたが‥‥‥
最近洋画ばっかり観ていたので、久々の日本製映画だった。「ファンタジーものかな」と軽く考えていざ観てみると、予告やポスターで見た時よりも主人公二人の夫婦愛が全面的に押し出されていて驚きだった。自分が事前に内容をしっかり把握していなかったせいでもあるが、ファンタジー超大作を期待していた分、正直“裏切られた感”がある。
舞台が鎌倉の雰囲気がある街、魔物や幽霊が人間と普通に暮らしている、人間から魔物に転生した本田さん、小説家だけでなく先生が鎌倉署の捜査にも協力しているなど。魅力的な世界観やキャラクター設定はたくさんあるのだが、堺雅人と高畑充希の夫婦生活ばかりが目立つ気がした。せっかくのファンタジーな設定も影が薄くなってしまい、それらの描写が少ないために説明不足でモヤモヤする部分も多かった。
魔物が一緒に暮らしているという話が、一番描写が足りないところだと思う。夜市はともかく居酒屋の端にいたり、道を歩いているだけだったりと、本当にただいるだけのように感じたし、もっと彼らを描いてほしかった。本当に仲良く暮らしてるんか? と疑ってしまう。CGを大盤振る舞いする、外国のようにふんだんに使うことが予算や技術の問題で実現できなかったのが理由かなぁ‥‥‥。
しかし、役者さんたちはそれぞれのキャラクターにぴたりとハマっており、キャスティングについてはとても良かった。高畑充希さんも安藤サクラさんも可愛かった。
一緒に行った友人は全員、「面白かった」と感想を述べていて、私だけが恋愛映画が苦手だということも考えると、恋愛ものが好きな人にはウケる映画。これが私の、この映画の印象だ。ファンタジー超大作というより、揺るぎない愛で結ばれた夫婦の物語という方がいいんではないか。