「怖いのは無能な味方」シー・ヴァイパー 潜航作戦!U235を追え!! odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
怖いのは無能な味方
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第二次大戦末期、スマトラ島の入り江でドイツ潜水艦と日本の駆逐艦の船影をとらえた米軍の偵察機が攻撃を受け島に不時着する、米海軍の潜水艦シー・ヴァイパー は乗員の救助にスマトラ島に向かう。劇中の潜水艦はアラバマ戦艦記念公園のUSSドラム潜水艦が使われたようですから実写感はありますが戦闘シーンは凡庸、U235を追えとは思わせぶりですがUボートの型名ではありません。ハンターキラーゲームのような醍醐味には欠けていますので過度な期待は禁物です。
(以下ネタバレ)
艦長は島に上陸、副官は爆雷攻撃の揺れで転倒、脳震盪、指揮を代わったのが上等兵曹のカッターなのだが冷静な判断に欠け無謀な操船で沈没の危機にさらされる。痛みに苦しむ負傷兵に冷酷な同僚や無能な軍医などダメな輩が多すぎて気が滅入る。散々、落胆させておいて最後は助かる落差付けと言うのはドラマ手法の基本だが程度問題、ほんとに怖いのは有能な敵ではなく無能な味方といったナポレオンの名言を地でゆくようなプロットは如何なものでしょう。
戦時下のドイツ軍の無線交信が暗号も掛けずに機密物資名を口にするなんて笑止千万、脚本のリナン・ロックヒルさんは女性なので軍事の素人なのでしょうか・・。
サブタイトルのU235はウラン235で原爆の材料、奪取したウランはロスアラモスの研究所に送られるところで幕引きだが、この作戦が日本の原爆製造の阻止、ひいては自業自得のような描き方は気分の良いものではありませんね。ただ、観終わってみると単純な英雄物語に描かなかった訳は分かるような気もしました。
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