「愛しきクズの物語」彼女がその名を知らない鳥たち しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
愛しきクズの物語
レンタルDVDで鑑賞。
原作は未読。
白石和彌監督でないと描けない世界観じゃないかなと思いました。監督のカラーが思い切り出ておりました。真骨頂!
豪華なキャスト陣が大胆な演技で魅せてくれました。生々しいほどの存在感が画面から立ち上って来るようでした。
十和子と電車に乗った時、自らを押し退けた若い男を突き飛ばした陣治。その後、彼と彼が映った窓ガラスを一緒に映した場面が「撮り方が上手いなぁ」と印象に残りました。
不鮮明な像は、彼のもうひとつの顔を連想させ、にわかに不気味さを漂わす演出がお見事でした(ありふれた場面づくりかもしれませんが、不穏さを敏感に感じさせてくれました)。
そこからの展開は言わずもがな。陣治への疑惑が十和子の中で膨らんでいきました。過去に起きた恋人の失踪と浮気相手のトラブルは、全て陣治の仕業ではないだろうか?
しかしその先に待っていたのは、なんとも意外で切ない真実でした。美しい愛に彩られたそれは、完全に予想を裏切るもので度肝を抜かれました。まさかこう来るのか、と…
十和子への想いに胸を打たれました。愛してくれないのならば、こちらが只管愛するだけ。なんと云う純愛。本作はラブストーリーだったんだと思い知り、熱い涙が流れました。
[余談]
私は関西方面に住んでいるので、見覚えのある風景がちらほら出て来たりして、余計物語に引き込まれてしまいました。
※修正(2024/01/31)
地蔵菩薩🙏さんへ。
コメントありがとうございます。
クズな奴らが出て来る作品が好きなので、本作を避けて通るわけには参りませんでした(笑)
それにしても振り切れてましたよねぇ…。まさにそのもの、って感じでした。
特に、竹野内豊がこういう役をするときが来ようとは…みたいな(笑) 「孤狼の血」もしかり(笑)
本当にこういう人たちって、意外と身近にいたりしますよね。
syu32氏🙇
私もDVDで観ました。
「…見覚えのある風景が出て来たりして…」に同意🙏私もわかりますよ(笑)、だいたいあの辺りって…😅
*他の方へのコメントとかぶって、失礼しますが…🙇
監督の作品好きで、ほぼ観てますが、いつも「アンビバレンツ」って言葉から、先が出ないので、レビュー書くの控えてます。言い訳してズルいけど、白石監督もズルいです😔
誰一人感情移入出来ない、登場人物だらけなのに…本作に嫌悪感わかない、俳優陣の上手さと振り切れ方に拍手します😄
本作では当然、架空の人物ですが、知り合い(決して友人では無くて)に、ホントに似た様な質の人間いまして…ぞ~っとしました😨
ありがとうございました🙏