「こんな男には気をつけろ!こんな女はダメ。」彼女がその名を知らない鳥たち yonda?さんの映画レビュー(感想・評価)
こんな男には気をつけろ!こんな女はダメ。
純愛ものとして観てとても良かったです。原作は未読で、映画の中の情報のみでの感想。
ジンジはトワコ100%で君の為なら何でもするタイプ。下品なオッサンで、マナーとかもなってなくストーカー気質でドジッコ。タコパンティ?送りつけたりとかもして危ないタイプにも思えるが、わりと普通。基本は善人。
イヤな気持ちになる事が多いこの物語の中で唯一イノセントな存在。愛するトワコと同棲するもうまくいっていない。トワコがこんなクソビッチになったのはジンジに原因がある。トワコは会社勤めしていたし、この頃は堅実に生きてた。ジンジがいることで住居があり食べさせて貰える。小さな籠の中のATMを手に入れて自由になった。籍入れてないから他の男にいってもいいくらいの考えで、イケメンから迫られれば即OK。家事も全くせず完全になめとる。うだつの上がらない男だと見下しもしている。
こんな女はダメだ!
マッサージ流れからトワコにエッチなことしようとしたジンジにブチギレて
「男らしいとこみせてみい!」て言う場面がある。
ジンジのことが嫌いか憎いかというとそうではない。ただ理想と現実の差に幻滅している。イケメンじゃないけど自分のことを好いてくれて優しいし、とにかく尽くしてくれる。この男がイケメンで金持ちだったらどれだけいいことか。ところが稼ぎは少ない、全然堂々としていなくて、なしくずし的にエッチしてくる残念男という現実に嫌気がさしている。中盤の電車に二人で駆け込む場面で男まるだしみたいな行動とるジンジに対して女の顔をしてみせたりもする。嫌いではない。口汚く罵ったりもするが心の奥底では、いつか化けるかもしれないとも思う。ただしそれも他力本願で自分は助力も何もしない。やっぱりこんな女はダメだ!
買った時計の修理の対応が悪いと電話かけまくり、レンタルしたDVDが再生途中で止まったとネチャ絡みするクレーマーなトワコ。ほぼ害虫である。
腕時計のクレーム対応にきたのがタッキリマカン水島。こんな男には気を付けろ!言葉遣いは丁寧で物腰柔らかだが、心はなくマニュアルやっつけ仕事。一応頭は下げるが、頭の中はタチ悪いクレーマー対応してたらセフレゲットだぜ!くらいしか思ってないスッカスカの下半身男。トワコを性の対象として見てないというか、女という存在が性欲の捌け口でしかない男。
自分の見てくれが良いことは理解していてそれを武器にもするビッチ属性。ついでに買ったような中国製3千円の時計に外箱つけて誠意を示すフリまでする。
「きれぇな箱に入れてプレゼントするような男は軽薄だろ。」黒崎からもトワコへ箴言(嘘)
そしてバイオレンス黒崎。
こんな男には気を付けろ!
全ては金の為で、他のことは口先だけの男。借金ありで行動原理の根底にあるのは金。金策でスケベジジイにトワコを抱かせたりとか愛していたとしたら考えられない。完全に最初から最後までトワコを利用したかっただけ。用済みとなれば骨折するほど殴って別れる鬼畜ぶり。
別れたあと何年かして会いたいというから、会いに行ったらスケベジジイとまた寝てくれと頼まれて、我を失い滅多刺ししてしまう。その時のショックが大き過ぎてトワコの記憶から殺した部分だけが失くなった。というのがこの作品のミステリー部分。
ジンジの行動原理は全てトワコの為。
会社を起こそう考えたこともあったが現状から抜け出せず、毎日働いて金を渡すだけ。
小説書いて一発当てようとしたりするのもアホだからではなく、全部トワコの為。
タッキリマカンとの逢瀬をストーキングしていたのも黒崎の時のように殺人犯にしまいとしてトワコの為だった。
生命保険入ってるのもトワコの為。
二人のラブストーリーだと思ってみると回想で終わるの最後もしっくりくる。
「私が大切なこと証明してよ」
「トワコがわろた」
トワコはこれからジンジのことだけを胸に生きていくのだろう。