「綺麗な愛ではないけど」彼女がその名を知らない鳥たち のんさんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗な愛ではないけど
R15だったので、どこまで官能的に写しているのかと思ったら、細かく長い描写が映されており
しかし、いやらしさよりもかなり客観的に観れる描写となっていた。
というのも、この映画をどこか安っぽい恋愛映画ではないというところが、そうさせているのか。
役それぞれが、自己愛的であり、男女のもつれや行く末がかなり非現実的な状況であるが故に、誰にも同情や感情移入出来ないからである。
皆それぞれ、主演のような見応えがある演技と役回りで役者の素晴しさを感じた。
最後の終わり方も、十和子の人生の次のステップへの一区切りとなっているまま終わったのが良かった。
人間的な感情と愛に狂ったサイコパス的な間を、最後は人間で終わったのだと感じた。
狂気的で終わるのは簡単だが、それだとこの映画は身近に感じられない。
だから、あの終わり方で良かったのだと感じた。
色々な見方ができる映画だと思う。
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