「鑑賞記録」彼女がその名を知らない鳥たち ハッピー・ホーガンさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞記録
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『凶悪』『日本で一番悪いやつら』の白石和彌監督による新作。ならば観ないわけにはいかないでしょう!
この作品の魅力といえば、やはり役者陣の演技でしょう。松坂桃李、竹野内豊といういい男2人が「ゲスの極み」と形容する他ないクズ男をまぁ見事に演じきっております。そんなクズ男どもに翻弄される蒼井優の、ホイホイついて行ってしまうような寄る辺なさを全身で体現している感じもさすがです。
阿部サダヲはとにかく汚い!ものの食べ方って簡単に人の気持ちを不快にさせられるんだなと実感させられました。ただ本作に限っては「フード理論」は適用されないのかもと思ったり思わなかったり…。
ラストの解釈はあっけにとられるところもあったのですが、じわじわと沁みてきます。「子どもを産むんだ」という言葉、ある男が言えば呪縛になり、ある男が言えば未来へ希望をつなげてほしいという祈りにもなる。それはやはり、その言葉に相手を思い遣る心がどれくらいあるかの違いだと思います。「恋は下心 愛は真心」とはよく言ったものです。でも、だったら陣治の最後の行動は、壊れてしまった十和子にとってどうだったのだろう。僕だったら…救われないかなぁ。
観終わった後、妻は体調を崩しました。それだけのエネルギーというか、怨念のようなものは込められているのかもと思ってます。公開館数は少ないですが、興味のある方は是非。
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