「ただのパニックムービーに止まらない」ジュラシック・ワールド 炎の王国 ホラー好きさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのパニックムービーに止まらない
人が退去したジュラシックワールド。
恐竜たちは生き生きと暮らしていたが、火山の噴火により、絶滅に追い込まれる。
レスキューに来た船に置いていかれ、なす術もなく噴火に巻き込まれてゆっくりと倒れゆく首長竜。
見ていて辛かった。
かつてはパークで営利目的で利潤だけを追い求めたクレア、前回の事件を機に変わり、いまは恐竜を保護する側にまわっていたが、騙されて恐竜を売買する企業に利用されてしまう。
子供も楽しめるように、ユニークな恐竜や笑いを入れながらも
恐竜を金や物としか見ていない人間
世界に残酷な人間が少なからずいることも、容赦なく描き出す。
彼らが作り出した戦闘用恐竜が、獰猛な本能のままに創造主を食い荒らすシーンはスカッとする。
そして、物語のキーワードとなる、ジュラシックパークを作った巨大企業の孫娘メイジー。
彼女は実はクローンだった。
炎にまかれ、追い詰められる恐竜達ー自分と同じクローンを、ついに人が住む世界へ解き放つメイジー。
クローン、人に作られた命であっても、
私たちと同じように感情があり、生きたいと思う。
いまや、倫理は置き去りにされ、中国をはじめ、どんどん新たに遺伝子が組み替えられた生き物が作られる恐ろしさ🧬
行き過ぎた科学への警鐘。
クローンの哀しさを
生き物への尊厳を思い出してほしい。
ただのパニックムービーではない、良作。
🦕 🦖 🦕 🦖
序盤のマルコム博士の名言
「何度、証拠を見せればいいのか、何度指摘すればいいのでしょう。人は自ら滅びようとしている。多くのレッドラインを超えました。
私たち人間の築いた社会は基本的に強欲と、それに、権力欲で汚染されている。
遺伝子操作の急速な進歩は、当然のように破局をもたらします。それは恐竜を再生した時から避けられない運命でした。
日常の中での突然の変化は仕方ない、そう言われる方も多い。
例えば交通事故とか死に至る病とか、人間の力では制御しようないものも存在しているのだと、織り込み済みであるが、それがいつ起きるかは人には予測できないと。
しかし、予測可能な変化もあるのです。それがまさに今起きました。
今日、人類は、恐竜との共生を余儀なくされています。彼らは、今、そこにいます。気を付けないと滅びるのは人類かも…。
我々は想像もできなかった脅威に直面している。
新時代の始まりです。
ようこそ、ジュラシック・ワールドへ。」