「人類の技術進歩にかかる倫理の解答の1つ」ジュラシック・ワールド 炎の王国 nagiさんの映画レビュー(感想・評価)
人類の技術進歩にかかる倫理の解答の1つ
技術力の進歩によって、人工的に生み出されてしまった彼ら。マルコムの言うように、彼らが絶滅の危機に瀕してる以上、その自然の淘汰に身を任せ、運命を神に委ねるのが最も良いのだろう。
しかし、人間は幾度となく自然に干渉する。
自然を支配しようとするその性質...人類の定めなのか...?人間性とは何かと問われた時に、「力への意志」が1つの解答であるならば、それは決して否定することはできない。人間が単なる自然の一部であるといった主張は、我々の理解を超越した、人生の意義に対するエクスキューズにすぎないのだ。
たとえ彼らがクローンであれ、我々同様生きている。我々が宿した命に対する責任は、自然支配の歴史に終止符を打つことか、あるいは、人類が大いなる自然体系を技術で超越したことすら運命であり、それを受け入れるか。彼らは自らの歴史を受け入れた。
原来あるべき自然法則の幹に、人類が新たに干渉することで思いもよらぬブランチが発生する。これこそカオスだ。全ての生けるものの共存の選択、これがPARKからWORLDへの昇華である。