「TOHOシネマズ府中にて観賞」ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 shallowwhiteさんの映画レビュー(感想・評価)
TOHOシネマズ府中にて観賞
一緒に観賞したカミさんの一言が的を射ている。
「登場人物全員、何がしたいのか分からなかった。」
ユニバース映画群の常道として、「シールド」や「モナーク」みたいな組織が出てくるのだが、何をする何の組織かよく分からない。
この組織は「悪を以て悪を制す」方針らしいが、何故に正義の不在が前提なのかよく分からない。
そもそも、不安定な怪物であるラッセル・クロウをトップにしている意味も分からない。
この組織の人間は感情描写されないところを見ると、シールドのように悪に転じるという設定なんだろうが、名前も長くて覚えられないし、本当にどうでもいい。
ミイラ女アマネットが保存されるのも、仲間になるというユニバース設定なんだろう。どうせ。
アマネットは目覚めて何をしたかったのか、トム・クルーズや女性学者はどうしたいのか、どうも動機に強さが感じられない。これはキャラクターの魅力不足にも直結している。
見せ場である砂嵐やロケーションといったスケール感も十数年前の『ハムナプトラ』に劣っている。
闘いの締めも驚くほど呆気なく、カタルシス不足。
結局、トム・クルーズ頼みだったのだろう。ニコニコして跳んで跳ねるトムは流石にスター。墜落シーンの体の張り方も流石で、お金を払う価値がある。
しかし、終盤のシリアスな恋愛演技は、人物が全く描けていない為に唐突過ぎる。ブレンダン・フレイザーみたく明るい芝居で通した方が良かったのではないか。
ソフィア・ブテラは体の柔らかさが美であり、拘束されているシーンが一番の見せ場だった。
アレックス・カーツマン、クリス・モーガン、デイヴィッド・コープ…この顔ぶれがクリエイターで深みのある世界観を創れるとは毛頭思ってないが、思った以上に内容が無かった。
ほんと、初心に戻って、きっちり1本の映画を作ろうよと言いたい。