「『ミスター・ガラス』鑑賞後にチェック!順序が逆でも問題なかった。」スプリット kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
『ミスター・ガラス』鑑賞後にチェック!順序が逆でも問題なかった。
順序が逆になってしまい、ケイシーは生き残ることもケヴィンが死んでないこともわかってはいるが、脳を逆回転させて楽しめました。最後にはダン(ブルース・ウィリス)も登場して、ミスター・ガラスのことを口にする。最初から続編作る気満々のシャマラン・マジックにかかってしまったんですね。『アンブレイカブル』、今作『スプリット』、『ミスター・ガラス』と繋がったことがとても嬉しく感じられました。
24人だと思ってた人格も、この時点では23人。最後の一人が“ビースト”という怪物で、バリーとかデニスとかパトリシアの人格がこの恐ろしい存在を噂していたのだ。精神科医フレッチャーも医学界から異端視されていたことも面白いし、それを裏付けるかのように、ケヴィンの人格の一人がインシュリン自己注射するビデオがショッキングだった。モンスター化するところは『ミスター・ガラス』を先に観ているため驚かなかったが、こうした細かいところがいい!
ケヴィンの生い立ち、母親の虐待から逃避するために多重人格していった経緯。さらにはフレッチャーとの会話にちょっと出てきた「父親が電車で死んだ」とあるから、彼の父もまた『アンブレイカブル』の電車事故の被害者だったのだろう。ビースト化する際に花束を手向けるシーンがここでも繋がっている。
自分が虐待を受けていたものだから、ケイシーの虐待痕を見て彼女を殺すことを諦めたビースト。監禁されていた彼女たちの必死の逃亡模索シーンよりも、他の精神的な葛藤の方が面白い。そして、シャマラン監督といえば、どんなどんでん返しを用意してるんだ?と期待させるのだが、今回は動物園の管理棟地下で行われていたという事実だけだったような気がする(働いているという事実も気になっていた)。それともブルース・ウィリスの登場シーンがどんでん返しなのか?
解離性同一性障害(DID)として有名になったビリー・ミリガンをモデルにした映画かとも思うが、そのミリガンの人格の中に犯罪を好んでいたケヴィンという名もあることが面白い。