ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのレビュー・感想・評価
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マクド◯ルドは日本だけか。マクダ◯ネルなんだね
食事中に見ても大丈夫だよー♥
「スカイラ◯ク」の
「コーヒーゼリー」か
「マクダ◯ナルズ」の
「マ◯クシェイク」のイチゴ若しくはチョコ味が僕らの定番で、千葉県田中村のその他の定番は「B◯MBAY」の「カシミ◯ルカレ◯の極辛」が高校生の定番だった。
経営者が元のまま残る店は、もう無いが、今でもそれはある。この映画のシェイクは眼から鱗の驚天動地な味だった。
「BOMBA◯」の極辛とシェイクを同時に食したくていたが、当時はテイクアウト出来ない時代だったので、結局やらずじまい。16歳、17歳の時にシェイクに飢えていたが、僕はそれ以来食したことは無い。ハンバーガーは元々、余り好きではなく、ダブルチ◯ズバ◯ガーが出るまで、一度も食したことは無かった。申し訳ないけど、都市伝説が頭をよぎって、なかなか食べられない。そう言った方々も多いんじゃないだろうか?突っ込んで言えないが。
「戦争と同じで食うか、食われるかだ。ライバルが溺れていたら、ホースを口に突っ込む」
「出来ないし、やりたくもない」
さて、映画は驚天動地のシェイクについてネタバレしてくれた。50年ぶりでシェイクを・・・。どうしようかなぁ。今更、元に戻したと言われてもね。本当に?って新たな都市伝説になっちまってるね♥僕個人の意見では。そうだ、フライド◯チキンでも、食べるか!!
「私はナショナルで、あんたらはローカルだ」と訳されているが「ローカル」は「ファ◯ンローカル!!」って発音している。
要はキャピタリズムに於けるブリシットジョブを赤裸々に描いたブリシット映画だぜ♥
追記
本日(4月8日 月曜日)AM10時00分
「わが魂を聖地に埋めよ」を鑑賞した。ネイティブアメリカンが白人から土地を奪われていく歴史を語ったストーリーだ。レビューを書こうとしたら、2007年の映画にも係わらず、対象になってない作品の様だ。U-NEXTの独占配信ならば、おかしな話だと思うが仕方ないか。
当該映画と「わが魂を聖地に埋めよ」の主題は全く同じだと感じた。
こうやって、アメリカは自由と民主主義を貫いて来たと理解出来る。つまり、キャピタリズムの発展期に於ける土地の拡大なのだと思う。さて、それが、許容範囲から漏れ始め「宇宙」とかバーチャルとか言い始めている。しかし、所詮、仮想の土地故に、今度はアメリカンドリームが瓦解する番だと僕は考える。
ビジネスの成功=執念>発明
マクドナルドってこうやってできたんだと、知られざる話がまず知れて面白かった。今でこそ当たり前のファストフードのシステムはマックとディック兄弟が考えたものではあるが、それを52歳で知ったクロックの成功への執念が凄まじい。ミキサーの営業マンではあったが耐えず成功に飢え、何かを探していたこそ、他人では気付けなかったことを探し得たのだと思う。人間的には彼ら創始者である兄弟を切り捨て、彼を支えた妻をも捨てた酷い男だとは思うが、彼でなければ今日の世界最大の帝国を築けなかった。飲食チェーンでありながら世界的な不動産資産を持つというところも感心してしまった。クロックの人間的には共感できないが、ビジネスマンとしての才覚は只々驚嘆するしかない。売れないセールスにもがく男から、野心をギラつかせ、成功者にのし上がっていく様をマイケル・キートンが好演している。
店舗拡大の功罪
馴染みのマックの創業秘話だから実に興味深く観賞。
実際の創業者はマクドナルド兄弟なのだがこれほどまでに広まったのはレイ・クロックの働きが大きいことがよく分かる。レイ・クロックは高校中退で学歴は無いがその分、職業経験が豊富、全米各地を巡っていたセールスマンなので人脈や土地勘もあるからフランチャイズ拡大にはうってつけの存在だったのでしょう。
順調に思われたが契約縛りもあって資金繰りに行き詰まる、そんな彼の救世主がアイスクリーム会社の財務担当副社長だったハリー・ソナボーンの助言だった。まさに運命の出会いというのはこのことでしょう。
ケンタッキーフライドチキンは有名なカーネル・サンダースさんが元祖、マックより2年早くフランチャイズ化を始めているが世界規模への展開は1964年にKFCを買い取ったジョン・ブラウン・ジュニアの功績というから似ていますね。
同じフランチャイズの話ではNHKのプロジェクトXでセブン・イレブンの「日米逆転!コンビニを作った素人たち」がありました、こちらはマニュアル通りでは立ち行かず日本風にアレンジ、物流から商品陳列まで工夫見直しをすることで成功、ついにはセブン・イレブン・ジャパンがアメリカ本社を子会社化するという偉業を成し遂げた話。
実話に基づいたビジネス秘話は面白くてためになると言う点では格好の材料ですね、ただ本作のレイ・クロックの功績は人材スカウトや店舗拡大が中心で商品アイデアといっても経費削減の粉シェークくらいしか描かれず顧客ファースト、サービス充実という理念は感じられず残念、フィレオフィッシュやビッグマック誕生秘話など欲しかった。
あのマクドナルドを世界展開した人物の実話!
マクドナルド兄弟のお店をみて、そのお店をフランチャイズ展開し、マクドナルドコーポレーションの創業者になったレイ・クロックのお話。レイクロックがマクドナルド兄弟のお店を拡大していく中で、兄弟と様々な場面で対立するようになったことが描かれています。
お店を奪われ、廃業まで追い詰められた兄弟が可哀そう・・・という見方もあるかもしれませんが、レイクロックがいなければ、今のマクドナルドはないです。レイクロックが野心的にお店を拡大し、執念をもって世界展開を行ったことが今のマクドナルドをつくったということがこの映画から伝わりました。
また、レイクロック自身の兄弟との出会いや、有能なアドバイスをくれる人たちとの出会いがあったからこそ、成功したとも言えます。自己啓発という意味では、出会いの大切さも感じられました。ただ、レイクロックの夢への執念はすごいと思いました。あの執念だからこそ、この資本主義社会、意欲をもって儲けようという人が儲けていく世の中で、成功していったんだなぁと思いました。現代では、アメリカだけが模範とも言えませんし、資本主義社会の問題点が世の中の様々な場面で表面化しています。レイクロックの生き方全てに共感できるとも言えませんが、映画は見ごたえがあり、色々な見方の中で考えさせられる内容のある映画だと思うので、そういう映画が好きな人にはおすすめだと思います!
執念と覚悟のオヤジ
アイデアは最大の産物であり多くの人が日々探しているであろう。
それを搾取するオヤジは如何なものか…
欲しいと思ったら手段を選ばす、何がなんでも手に入れる。
それが例え人のモノであっても厭わない。
きっと天国には行けないだろう。
タイトル通りの「ファウンダー」!
エンターテインメントの映画として面白いのはもちろんのこと、経営という視点でもとても造詣の深い作品でした。特に、マクドナルド兄弟との確執や因縁の中で、自分自身の初心や信念を貫き「断行」する様は、まさに創業者(ファウンダー)だなと感じます。今や日本中・世界中どこにでもある「当たり前」のマクドナルドですが、その裏側には全く当たり前ではない、とてつもない努力があることが、非常にドラマティックに伝わってきて心が震えました。
ハンバーガーの味だけじゃない話
マクドナルド氏の成功ストーリーかな?と前情報無しで見たら、何と!
今やハンバーガーのスタンダードとなった革新的なマクドナルドのブランドは創始者の兄弟の手から、最初は協力者に過ぎなかった野心に満ちた営業マンの手に!
そりゃあんまりな酷い話に思えるが創始者以上にマクドナルドの価値を見出して、それに賭けたのも彼だったのだよ。
食いたなくなった
マック食べたくなるかな〜って思って観た今作。結果としては実話に基づいてるだけあって食べたくなくなった(笑)
ウーム、創業者と言っていいか微妙なこの主人公。というかこの乗っ取り。The アメリカみたいな話だなと。元々アメリカだって土地を乗っ取って創られた国だし。
私はこの主人公が人間的に嫌いで、あの兄弟に同情するが、リアルな人間のずるさと醜さを描いていて現実だってこんなもんなんだろうし、このお話から逃げていてはこの先の未来で上手くやって行けない可能性もある。ビジネスの本質的な部分が含まれているのだろうと勝手に想像。ファウンダーというタイトルの二重性にリアルを見る。
しかしまた見ようとは思わないし、僕の感情の核の部分には触れてこなかったな
なかなか面白い
実話を知らずに観たけれど、最後にマクドナルド兄弟のドンデン返しがあると思いきや、レイの勝ち逃げで終わるという結果に驚いた。
あの大企業マクドナルドがまさか乗っ取られたものだったとは。。
少しがっかりもしたが、現実は綺麗事だけではないということを感じ、逆にリアルだと思った。
教祖誕生
マクドナルドの「ハンバーガー」を広めたかった始祖マクドナルド兄弟。
商業的なツールとして「マクドナルド」を利用した教祖レイ。
レイの強烈な野心と執念、マクドナルド兄弟に訪れるアメリカンドリームの厳しい現実が描かれ非常に見応えありました。
結果、マクドナルドというかファストフード産業とフランチャイズビジネスは世界に普及し、
今日も美味しいハンバーガーが食べられて幸せです。レイありがとう!
ってならないよね、別にマックなくても困らないし。
そして、商品(ハンバーガー)に何の愛着も無く、何も創り出して無いような人物が「創業者」だなんて、まさにハンバーガー帝国のヒミツでしたね。
史実を描く演出が見事
「英雄か、怪物か」と予告編にもあるように、観る人の価値観次第で、鑑賞後、レイ・クロックが、どういう人間なのか決まると思う。
お金を稼ぐ「方法」を考えたのが、マクドナルド兄弟。
お金を稼ぐ「手段」を考えていたのが、レイ・クロック。
マクドナルド兄弟とレイが、フランチャイズ契約を交わしたとき、レイが手に入れたのはお金を稼ぐ「方法」です。その後、レイもフランチャイズで、マクドナルド兄弟から得たお金を稼ぐ「方法」を、気に入った人材に提供していった。
…ところが、はたと気づく。
(あれ?お金が貯まらない…)と。本来レイは、お金を稼ぐ「手段」として考えていて、事業を進めるうえでも「方法」という概念ではなく→「方法と書いて手段と読む」というふうに、ずっと「手段」としてマクドナルドにほれ込んでいた。兄弟の人生の物語、紆余曲折の末できたアイデアの結晶の輝きに、目をキラキラさせて「これは素晴らしいビジネスだ」と思っていたのではない。
単に「これは(お金が儲けられる)素晴らしいビジネスだ」と思っていた。
とすれば不満が出る。欲が出る。そんなときにある男のアドバイスで不動産に手を出しはじめてから、お金を儲ける「手段」として「マクドナルド」が機能する。
最初から、レイは、お金を稼ぐ「手段」としてほれ込んだだけ。マクドナルドの「素晴らしい形態」を広げたいのではない。「素晴らしい形態を広げれば、お金になる」と見込んでいただけ。
結果的にマクドナルド兄弟は、その人生で生まれたアイデアを数万ドルで売ったことになる。
英雄か、怪物か。
例えば、劇中でマクドナルド兄弟の人生の物語を知らなければ、描かれていなければ、レイは優秀なビジネスマンとして、鑑賞者には映るはず。マクドナルド兄弟の人生にフォーカスして描かれていれば、レイは悪として映るはず。
双方バランスよくどちらも描かれていて、観る者にレイという人物の存在価値をゆだねる。マクドナルド誕生の物語というより、資本主義に圧殺される民主主義のアメリカの競争社会に一石を投じるような作品。
民主主義者にとっては、怪物だし、資本主義者にとっては、英雄なのかもしれない。
1番気になったのはスミス氏…
BS-テレ東 吹替版で初鑑賞。
まず冒頭から~「ポジティブのパワー」というレコードを聴いているレイの姿が…
「バットマン」からの「バードマン」のマイケル・キートンらしくて笑えました(*^^*)
最初の方、レイからはちゃんとビジネスとしてのマクドナルドに対する愛は感じられました。他のフランチャイズのオーナー達がちゃらんぽらんだっただけ。
後半も周りの人たちが入れ知恵した結果あんな事に… でも、今私たちがマクドナルドを楽しめるのはレイがいたからだと思うと、ビジネスとしては大成功だったのかなぁと思います。 マクドナルド兄弟の立場からみたら、レイなんかと組まないであのまま細々とやってれば良かったのにね…となりますが。
しかし、私が1番気になったのはジョアンの元夫のスミス氏です。美人の妻を寝とられて…その後どうなったんですかね!?
夫の目の前で奥さんを口説いちゃダメですよ!!
巨大帝国の陰にある弱肉強食の掟
個人的にマクドナルドは特に好きでも無ければ嫌いでもない。たまに食べるし日本には子供向けの明るいイメージが普及している。ケンタッキーと違い創業者があまり知られていないのはそう言う理由だったのかと納得。
味と安全を追求し顧客の為を願う創業者マクドナルド兄弟、かたやビジネスライクに外食産業に一代帝国を築こうとするレイ。手段を選ばず貪欲に残忍に情け容赦なく創業者からその全てを取り上げる。レイに情けをかけ彼の誠実さを信じるマクドナルド兄弟は最後には倒産という結果が悲しく語られる。
今の世の中を皮肉と共に表現するこの作品を作り出した意欲は買いたい。
まあマイケル・ムーアではないがこの作品よく世に出せたなあ。マクドナルドにとってイメージダウンは確実(゚д゚全体的にとても見応えがあった。憎たらしいが欲望に素直なレイにマイケル・キートン。素晴らしい演技です。
途中まで楽しかったー
ビジネスとしての云々より、人としての色々の方が私には重い。奴をリスペクトも出来なければ、応援も出来ず、途中からただただイライラしていました笑
映画としてはとても面白いと思いますが、私にはひたすら、マクドナルド兄弟が可哀想でした。
ファウンダー?
いや、バーグラーだろ。
ハンバーグラーってキャラは、お前のことかレイ。
確かに兄弟は石頭で、商才はなかった。
だが、騙すようなやり方はなかったろう、135万ドルでも、誇りは買えないと思う。
とは言えこれからも、きっとそれなりにマックを食べる。恐ろしいことに、レイの築いた帝国はもはや日常なのだ、遠いこんな島国でも。
マクドの歴史
最後まで見入りました。
商売って難しいんやなぁー。
小市民の自分は、あの兄弟に共感し、あの
おっさんに酷い目にあってる感じやし、
憎たらしい!思ってたんやけど…
いやいやあのおっさんあっての
今のマクドがあるんやな て考えたら
(弱肉強食の世界で勝つ執念か…)
あのおっさん凄い。
成功 勝ち組 て事なんやろな…
うーん
複雑な気持ち…
(あんな真似は、でけへんわ!)
(マクド行くけどね!)
でも勉強になりました。
企業の価値を考える
もっとも印象的なのは最後にレイ・クロックが言った「マクドナルドでもっとも価値があるのはフォード式のスピーディな生産システムではなく…マクドナルドという名前だ」という言葉だ。
予想に反して
見る前、このマクドナルドのお話は少し知っていたので、マクドナルド兄弟に同情するのかなぁなんて思っていたけど、不思議とレイに対して嫌悪感はなかった。
多分、何かしらの配慮があってそういう描き方をしたのかもしれないけど、それを差し引いても、マクドナルドというシステムを作ったことと、世界的な帝国を築けたことは全く別の才能で、レイみたいな人が現れなかったら、今のマクドナルドは兄弟には築けなかったんだろうなぁと感じた。
マクドナルド兄弟は、あれだけの金額を手にして、そこだけみたら大成功なはずなのに、そこはレイの成功と比べると負けに見えてしまうのはなんだか皮肉だなぁと感じた。
アメリカ(資本主義)で勝つという事を勝者(悪魔)側の視点から見てる映画
主人公にあるのは野心、執念だけ。自分で何も作り出していない。人のビジネスモデルをパクる、ビジネスを支え続けてきた奥さんは捨てる、人の嫁を獲る、おおよそ褒められた人間ではない。が、褒められるとか人情とか、この人の求める価値観がそういう道徳的な所に置かれていない、成功、勝利、自分が他者よりも上に行く、そのことに向いていて他はどうでもいい。他人の気持ちなんて考えてない。
そんな主人公に粉のシェイクや土地売買を進めるビジネスマン等、要所要所で悪魔が出てくる。で、その悪魔と契約することで勝利していく。
でも、アメリカの勝者とはこういう人間なのかもしれない。
スティーブ・ジョブズも製品自体はウォズニャックの開発だった、でもアップルのトップに立った。
才能がある人間でも誠実な人間でもない。隣で溺れている人間がいたらホースを口に突っ込める人間。アメリカで(資本主義で)成功することとはこういうことだよって伝えている映画だと思います。
ナイトクローラー、セッション、ゼア・ウィル・ビー・ブラッドを見た後に近い感想。
主人公に人間味がある所がまたヤラシイ。
また、主人公が反道徳的にして手に入れた成功を何か感動っぽく演出して、イイ雰囲気をわざと出しているのもうまいなとおもった。
ラスト、スピーチに向かう主人公の姿をボヤけた鏡(虚像)に映ったショットでみせている。こんな成功、嘘っぱちだぜってメッセージ。
マクドナルド兄弟が不憫すぎる…。
たしかにクロックの名前は知らない
マクドナルドにこんな裏話があったのかとなかなか興味深く観られた。
マイケル・キートン演じたレイ・クロックは桁外れの実行力を備えた野心家だが、周りの人間を利用して自分の陰謀を巡らすいうなれば人間のクズである。
せっかく成功したのに後世たかが東洋の一市民から「クズ」と思われるとは彼も思っていなかったかもしれないが、この映画を観てそう思う人間はたくさんいるだろう。
面白いのは監督から主演のキートンをはじめ出演者のほとんどが最終的には彼を好ましく思っていないということである。
せっかく成功したのにね。
彼を擁護する人間からすれば、ビジネスは綺麗事だけじゃない!と言うかもしれないが、綺麗事で成功する企業も世の中には巨万とあるだろう。
Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグにも似たようなところがあり、映画の『ソーシャル・ネットワーク』の中でその実像が暴かれている。
本作もそうだが、人を蹴落としてでも成功することは本当に幸せなのだろうか?
クロックは「ライバルが溺れていたら、ホースを喉に突っ込んでやる」と言っているので幸せかもしれないが、やはりはたから見てそういう人間には品がないと感じる。
結局は各個人個人が己の生き方を決めて行くしかない。
とはいえ筆者もそれほど人に胸を張って誇れるような人生を送っているわけではないので、本作のような映画を観て教訓にしたいと思う。
本作の監督であるジョン・リー・ハンコックの作品は過去に『アラモ』と『ウォルト・ディズニーの約束』を観ているが、その演出方法に取り立てて印象がない。
しかし、ともするとクロックの人物像は賞賛か唾棄かのどちらかに偏りそうな人物であるが、主演のキートンが目的に邁進するひた向きさと野望の前には人を欺くクズっぷりの両方を兼ねた素晴らしい演技を見せてくれる。
マクドナルド兄弟を演じたニック・オファーマン(弟)とジョン・キャロル・リンチ(兄)の2人も、事業が拡大していく歓びと拡大すればするほど自分たちの手から離れていってしまう悲哀との板挟みになるジレンマを見事に演じている。
脚本の出来も素晴らしいが、この3人が配役されたことで本作は成功したと言える。
『ウォッチメン』のナイトオウル役で想い出されるパトリック・ウィルソンやローラ・ダーンなど、懐かしい顔を本作で観られたのも良かった。
また初期のメニューや店舗も徹底的なリサーチから再現しているという。
細部にこだわっているために物語の真実味が増す好例である。
本作を映画化するリサーチの段階で、マクドナルド家が大量に保管していたクロックとマクドナルド兄弟との会話を録音したテープや書簡、記録写真、設計図、模型などを目にしたらしい。
マクドナルド兄弟は50年もこの話が表に出ることを待ち望んでいたというから、よほど悔しかったのだろう。
ただ映画化の話が持ち上がった時には既に2人とも他界していた。とはいえこうして映画化されたことで彼らの魂も救われたことだろう。
また本作でも描かれているようにジョアン・スミスは後にクロックの3番目の妻となっているが、彼の死後ほとんどの財産を慈善活動につぎこんだようだ。
やはりどこかで贖罪意識を持っていたのだろうか?
なおアメリカ人に言わせると日本のマクドナルドはメニュー通りの商品がきちんと出て来て接客態度も最高らしい。
本作を観て、本国の店舗がマクドナルド兄弟どころかクロックの教えすら守っていないことになるが大丈夫か?と心配してしまった。
ところで、このクロックの自伝『成功はゴミ箱の中に』が日本語に翻訳されて刊行されている。
ソフトバンクの孫正義とファーストリテーリングの柳井正が帯で「これが僕たちの人生のバイブル!」と推薦している上に巻末の解説まで担当している。
老婆心ながらそれは返って逆効果ではないだろうか?と思ってしまう。クロックと同じ穴のムジナと思われないだろうか?
それと1つ、ソフトバンクの白戸家のCMには日本人の1人として大変憤っている。
韓国ではことわざにも使われるくらい犬は卑下する存在である。
また黒人への差別も激しい。現にアメリカで1992年にロス暴動が起きた際、日頃から差別されて韓国系に不満を抱いていた黒人が韓国系商店だけを狙い撃ちして襲っている。
その顛末はスパイク・リー監督作品の『ドゥ・ザ・ライト・シング』にも描かれている。
犬のお父さんに黒人の兄、そして日本人の妹、わざと序列しているように思える。
また白戸家の名前を使っているのもわざとに思える。
戦後の日本でアメリカと対等に渡り合った人物に白戸次郎がいる。彼はアメリカに対して「将来在日朝鮮人が日本の大きな問題になる」と訴えた人物である。
そして彼の奥さんの名前は白戸正子になるが、まさにCM内で犬のお父さんの名前は「白戸次郎」であり、樋口可南子演じるお母さんの名前は「白戸正子」である。
他にも国民的アイドルのスマップを作り物とはいえ犬の肛門から出すCMまで作っていた。
朝鮮系日本人の孫正義が創業者の企業だからこんなに日本を馬鹿にしているのかと勘ぐりたくなってしまう。
日本でお金を稼いでいる以上こういう不愉快なCMは即刻やめてほしい。
本作を観終わった後、マクドナルドに寄ってハンバーガーを買うべきか買わないべきか迷った。
どちらがマクドナルド兄弟に敬意を払うことになるかなかなか答えは出なかったが、最後に弟のディックがクロックに向かって「名前が残るのは自分たちだ」と言い残した言葉を思い出し、彼ら兄弟に感謝して買うことにした。
暖かいチーズバーガーは美味しかった。
とてもよかった
面の皮の厚さ問題が描かれている。作品をパクって、パクった方が売れる場合がある。本体を作った人は、「果たしてこれでいいのだろうか、受け入れられるだろうか」という疑問や、他の作品との比較など相対的にまあまあだなみたいな自己評価がある。しかしパクる方は、その作品に大変な魅力を感じており、一切迷いがない。そして作品に感じた魅力を、思う存分迷うことなく表現するので、オリジナルよりずっといいパフォーマンスをする。そうしてパクった方が人気が出る。そして、いつしか自分が作ったみたいな気持ちになり、ますます迷いがなくなる。その際、面の皮の厚さが大変な効果を発揮する。
オリジナルを考えるより、パクリの方がずっと売れると最近ずっと考えていたのだが、その図式がこの映画でばっちり描かれていた。いい面も悪い面も、両論併記でどちらに偏ることなくまっすぐ描いている感じがすごくよかった。
あの信用ならない厚かましい人に対して紳士協定は絶対にダメだ。ひどい話だった。しかし、その素晴らしいシステムはあいつがいなかったら世界に広まらない。兄弟は誠実だけど頑なすぎる面がある。主人公は誠実でないからこそ、彼も偉人であると思うが、ひどいバチが当たるべきである。
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