夜明け告げるルーのうたのレビュー・感想・評価
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人間と人魚をつなぐものは、“赦し”と音楽
「四畳半神話大系」「夜は短し恋せよ乙女」などを手掛け、カラフルでポップ、独創的な世界観を作り上げる湯浅政明監督による完全オリジナル長編アニメ。寂れた漁港・日無町を舞台に、東京からやってきた中学生カイと、歌うことが好きな人魚ルー(声も動きもかわいい!)の交流を描いた。やがてカイとクラスメイトの国男&遊歩が組んでいるバンド「セイレーン」の演奏にルーが参加したことで、ルーの存在が町の人々に知られてしまう。3人とルーが絆を育む一方で、古くから災いをもたらす存在とされている人魚を忌み嫌う住人たちもいた。
全編を貫いているのは、“赦し”と音楽。作品の中盤で住人たちに捕えられたルーを助けるため、ルーのパパが炎を発しながら暴走し、町の施設を破壊していくシーンがある。その姿を見た人々は、さらなる恐怖や憎しみを増幅させていく。今も全世界で繰り広げられているであろう、歯がゆく悲しい争いの構図。しかし、カイとルーの間に芽生えた「好き」が、様々な誤解を溶かしていくさまに、心を動かされる。
両親の離婚で心を閉ざしていたカイ、わがままに振る舞いながらも本当は自分に自信がない遊歩、愛する人を人魚に奪われたカイの祖父&タコ婆――ひとりひとりのドラマが丁寧に紡がれ、それぞれの結末が愛おしい。皆が“赦し”を覚えた時、カイが歌う「歌うたいのバラッド」が響き、人々はダンスを踊り出す。
ポニョちゃいまんねん、ルーでんねん。
1週間アニメです。次の2週間トリュフォーです。行けるだけ行くつもりになってます。目当ては「スパイダーバース」だったんですが、その直前に上映されると言う事で、ついでに見ちゃえ。
何か、オジサン世代にとっては、色々と微妙なファンタジー。ほんとに微妙で、物語りに浸りきる事が難しい作品でしたが。これがテンポが良いのと、勢いがあって、不覚にも、ちょこっとだけ涙が滲みました。
日当たりが良くなった堤防のこっち側で飛び跳ねたのは、ルーだと思いたい。そうそう。傘が名物だったと言う、港町ですから。昔っから、人魚が傘をさして歩いてたりしてたんかも。てな感じで。
と。劇場で見るスパイダーバースは、やっぱり凄かったぁw
アニメの本質に迫る
この作品は票が結構真っ二つに分かれているんだけれど、低い評価をしている人は殆どが宮崎アニメのエピゴーネンと言う躓きに会うと、もう物語に入っていけなくなってしまっている。昔よく言われたパリではパリの街並みに目が行く人と足元に落ちる犬の糞に気を取られる人ではパリの印象が180度違って見える現象だ。どちらがいいかどうかはここでもどうでも良い。それぞれの気質の問題だから。でも唯一いえる事は勿体ないよね、あんな素敵な街並みに目が行かないなんて!って言う事。今作品とポニョの類似性だけでこの作品を楽しめないなんてなんて勿体無いんだ・・と同じように思う訳で。事実最初の頃の評は殆どは★5つで、僕同様、何となくいろんなのに似てる~的な感想を凌駕するノリとテンションと同調感による興奮がこの作品を後押ししているのだと言う事の証ではないだろうか。
湯浅監督の作品は今回初めて鑑賞したわけだが、アニメ的には宮崎の作品とは全く異質なアニメだと思う。むしろ高畑に近いアニメ手法の作家とみた。元々高畑はアニメ手法的には手塚に近い。むしろ逆かな・・。宮崎はそののアニメ哲学で手塚と反目し合うが、実は似たタイプである高畑と仲がいいのは、制作、作画における職人性が二人の絆を強くしていたと言って良い。と言うより東映の伝統はまさにそこにあるからだと思う。一方手塚はどうかと言うとアニメ哲学において極めて芸術性を重視し、音楽との共通性を追求する。ここが将に今作品の高畑=手塚型の所以である。音楽がタイアップだとか、演奏方式の表現がどうだとか、打ち込みはソロ楽器メンバーといきなりジョイントしないとか‥どうでも良い事。
しかし手塚は制作、作画もとんでもない天才性を発揮したものだから宮崎に終生妬まれることになる。手塚の死亡記事に対する宮崎のコメントは異色です。でもいいのです二人とも稀代のアーティストであることに変わりはないのですから。手塚の作画が天才であることはアニメより漫画の方が一流であった事からも伺える。宮崎の漫画はそのレベルに到底追いついていない。嫉妬するのも無理からぬところだ。
さて今度はどこを宮崎、真似たかと言う指摘でキャラ、設定、取材等を上げてる方が多い。
キャラは確かに似ているが、これとて宮崎の場合、徹底して一貫しているのは物の怪はあくまで物の怪として描いており、設定としては後期の水木に近い。愛くるしくはしているが人間と必ず一線が引かれており、住み分けが前提でのニアミスを描いているのに対し、今作での人魚は人との交流を求めていて音楽を媒体としてそれを成し遂げようと物語が進行する。
特に人魚たちは誰かがゾンビじゃんって言ってたけれど、元人間や元動物たち・・人間社会にメチャクチャ未練のある存在たちで、その意識は特に人魚少女ルーに強くあるようですね。そしてルーはポニョと違い思春期の少女のような儚いエロスを持ち合わせています。人魚たちは恐らく漁民の人たちの心にくすぶる、まだ見ぬ自分、怒れる神によって分かたれた失いしもう一人の自分である、まだ見ぬ成長後の自分の化身でもあるかのようです。事実人魚と村民たちが一体となって、自然の脅威から身を守り抜いた後人魚たちは住処を無くしていなくなったけれど、島の民たちは、主人公の少年たちも含め新しい自分へと生まれ変わったではないか・・・。人魚は消えて漁民達の心を大きく成長させた成長譚とみるとこの物語は理解しやすくなる。エヴァしかり、新海監督の作品しかり・・そうこれは成長譚、少年たちだけに限らず人間の成長譚として描かれたのであると思う。
ポニョの街並は広島県の鞆の浦であることが良く知られているが今回の日無町のモデルとされた街並みは京都府の伊根町と言われているが、街並みは確かに取材されているようだが肝心の日の当たり方が違う。あの朝日の出方は明らかに太平洋側でなければいけない。事実湯浅監督は名古屋のどこかの島(実際は愛知県の)と言っている。宮崎アニメが極めて映画的な取材に基づき、職人的な処理の仕方で街並みを再現するのに対し湯浅アニメでは極めて柔軟に舞台も設定されている。最近流行りの巡礼マニアには何とも悩めしい設定ではあるが、アニメとしてはやはり王道と言える。
以上の考察から湯浅監督の今作品はアニメ哲学としては手塚さん(すなわちディズニー)的
制作哲学としてはもちろんジブリ的ではあるもののどちらかと言うと高畑さんよりの制作哲学を持った作品と言う事になると思います。
いずれにしても完成度の高い、多くの日本アニメの歴史と哲学を踏襲した金字塔となりうる作品のひとつと言えましょう。
漁港のポニョ子ちゃん。 圧巻の映像と、つまらな過ぎる物語。
人魚伝説が残る田舎の漁港を舞台に、東京からの転校生・カイと人魚の子供・ルーの交流を描くファンタジー・アニメーション。
監督/脚本は『マインド・ゲーム』『夜は短し歩けよ乙女』の、名匠・湯浅正明。
カイの祖父の声を演じるのは『ウォーターボーイズ』シリーズや『シン・ゴジラ』の、レジェンド俳優・柄本明。
第9回 TAMA映画賞において、特別賞を受賞!
湯浅政明らしい独特のパースとデフォルメの効いた人物描写は今作でも健在。生き生きとした水の描写は見ているだけで楽しい。
主人公カイと人魚のルーの交流は心温まる。特に、夜の公園でカイがルーに自らの内面を語る場面では涙がほろりとこぼれました。
クライマックスでの「歌うたいのバラッド」にはやられた!
圧巻の迫力で魅せる海のうねりとカイの心からの歌唱が組み合わさり、非常にエモかった。町の名産である傘が最後に意味を成すところも良かったです。
確かにクライマックスは盛り上がるのだが、そこに至るまでの展開が退屈。
ありきたりな物語の上進展も遅く、正直40分過ぎたあたりから何度も時計を確認してしまった。
湯浅監督は多分ストーリーを描く事に関して、あまり興味がないのだろう。どの作品を観ても物語はヘナチョコ。
天才アニメーターと言われるだけあって、外連味溢れる作画は確かに魅力的。迫力ある画作りは勿論アニメーションには大切だが、ここまでお話が面白くないと流石に見ていてしんどいです。
ルーはポニョに似ているし、ルーのお父さんはまんまパンダコパンダ。どんだけジブリ意識してんだ😅
キャラにオリジナリティが無いというのは致命的な欠陥だと思う。
あと、クライマックスでのカイからルーへの告白はかなり気持ち悪い。実年齢は分からなくてもルーの見た目は10歳以下くらいな訳だし…。そんなロリコン主義なところまで宮崎駿を真似せんでも良いでしょうに。
1人のアニメーターとして、湯浅さんは確かに突出しているのかもしれない。ただ、それと監督として優れているのかどうかは別の話である。
少なくとも、湯浅監督には原作者としての才はない。彼は原作の有る作品を作る方が向いているのでは無いでしょうか?
興味深い空間 そして迫力のアニメ
進路に悩む少年少女が人魚との出会いを通じて成長し、周囲の大人と分かりあい、自分の道へ踏み出す。
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人魚は人々に愛を伝えれば分かり合えることを教えてくれる存在であり、同時に自由な海からの使者として、閉ざされた者、囚われた者たちを解放してくれる存在でもあるようです。
外海、人魚、歌と踊りが新しい世界への解放のイメージとして重なり、軽やかな和音を響かせます。
期待通りと言うべきか、アニメーションで魅せる場面の迫力はものすごいです。海での、視界全体がうずしおに揉まれたかのような躍動。色彩そのものが生きているかのような豊かな動きに、視覚表現の一つの理想を見ました。
空間の描写も印象的で、上下の移動を積極的に見せるようにデザインされていることが目立ちます。各場所やその位置関係は結構こだわって作られているのでしょうか、場所の意味を考えるとなお空間のシズルを感じられそうです。穴の空いた岸壁も絶景で、好奇心を掻き立ててくれました。
海と山、岸壁に縁取られた空間で、それゆえの閉塞感もあるが(場所のイメージと人物の心境との関係は言うまでもない)、閉じた場所の心地良さや幸福感もある。また、海底から岩の上まで上下の柔軟な空間移動も描かれ、全体が大きな球形のに感じられるため、立体感が際立っています。
そんな球形の舞台が巨大なライブコンサート会場と化す「歌うたいのバラッド」のシーンはやはり感動しました。
キャクターが気持ちを解き放つ瞬間に大胆なビジュアルを添えて感動を生むあたり、湯浅さんらしいのではないでしょうか。
と面白がれた点はありつつ、しかし本音を言うと、どうにも私とは波長が合いませんでした。部分部分の展開やそのリズム感が気持ち悪くて乗れなかった。
人間描写に現実味はあまりないのですが、そのことが良く活きていないように思われます。
例えば、冒頭、明らかに異常なまでに俯いているカイに対して、ユウホとクニオの全くお構いなしに話すさまに違和感があり、引っかかります。
他にも、水が浮き上がるという人魚の起こす超常現象を初めて目撃したのに、ボートを降りる頃にはもうバンドの話に戻っているのも、あっさりし過ぎて変でした。
具体的な町のモデルがないからか、訛りも中途半端で、それもあまりしっくり来ません。
しかも、面白い表情や仕草はあるのですが、シーンには合っていなかったり、リズム感がイマイチだったりします。ルーと出会う過程も、脚本含め魅力を感じられません。
こんなように、合わないと感じたわけは各部分の問題になるのですが、それが場面ごとにずっと続くので常にムズムズして落ち着かない気分でした。
しかし私は湯浅さんの作風は好きなつもりでしたので、鑑賞時の私の精神状態が悪かったせいだ、という可能性に期待しているところです。
もう一度見たら、もっと素直に面白がれるのかもしれません。
これぞ独特の湯浅のうた
神山健治、米林宏昌、新房昭之ら今年は気鋭のアニメ監督の新作続いたが、いずれも今一つピンと来ず。
本作と『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督の2作には期待していた。
それほど多くの作品を見ているって訳ではないが、『マインド・ゲーム』やWOWOWで放送した『ケモノヅメ』『カイバ』などは見た事あり、アニメ監督数いれど、とりわけ独創的な作品作るなぁ…と思っていた。
好き嫌いははっきり分かれる作風だが、『夜は短し歩けよ乙女』は国内ランキングに入り、本作はアヌシー国際アニメーション映画祭であの『この世界の片隅に』を抑え最高賞に輝き、一気に飛躍&メジャーデビューと言った所。
特に本作は気になっていた。
人間の少年と人魚の少女の交流という、オリジナル作としては王道的な話ながら、湯浅監督“らしさ”は惜しみ無く。
まず、昨今のアニメの定番の圧倒的な映像美やリアリティー、昔ながらの懐かしさや温かみとは違う、独特の画のタッチ。
基本シンプルだが、海中ではフニャフニャになったり、回想シーンでは突然カラフルなタッチになったり、ルーのパパが燃えながら走るシーンは凄みを感じさせたり、柔軟に変化。
海水を空中に浮かばせる事が出来る人魚のルーの不思議な能力、クライマックス、町を浸水する緑色の海水など、ファンタスティックな演出。
ルーと主人公の少年カイの交流は、歌。歌やダンスのシーンはポップ。
所々シュールでもあり(何つっても、海から上がりスーツに身を包んだサメのルーのパパ)、もう本当に何と言ったらいいか…見て貰うのが一番の湯浅ワールド。
心を閉ざすカイが、歌を通じて同級生の遊歩と国夫とバンドを組み、ルーと出会い、変わり始める。
が、住んでいる寂れた港町には人魚は災いをもたらすと言い伝えられている。
ある時、ルーの存在が町の人にバレ…。
今風だと思ったのは、ルーを使って町興し。
しかし、ひと度事件が起これば、手のひら返し。
やはり言い伝え通り、恐ろしい存在。
そんな人間の…いや、大人の都合・傲慢こそ恐ろしい。
こんな事いっちゃあおしまいだが、主人公である筈のカイとルーがちと魅力に乏しい。
ルーは愛くるしさはあるが、カイに至っては時々感情の変化についていけない。明るくなったと思ったら、ルーの町興しを機に何が面白くないのかまた塞ぎ込み、ルーの救出も町の水没を食い止めようとするクライマックスも周囲に鼓舞されてやっと。
むしろ、真っ先に行動した遊歩や国夫の方がいいキャラしてる。
悪くはなかったが、かといってスゲーサイコー!…ってほどでもなく。
でもオリジナリティーに溢れ、ユニークで、今年公開の邦アニメでは期待を下回るものではなかったと思う。
ごちゃごちゃした映画
削れそうな人物がいる気がする。遊歩のお父さんとおじいちゃん、どっちかでいい。放送部のお姉さんも削れる、おばあちゃんの存在もいるかな。
なぜ、音楽が鳴ると、人魚のヒレが足になるのか。太陽に当たると、なぜ燃えるのか。
気になることがなんだか、そのままになって、終わってしまった感じ。
音楽は良かったです。
これぞアニメーションの真髄
終映間近にやっと地元にやってきてくれて
ようやく鑑賞
正直言って、全く期待していなかったが…
湯浅政明監督、恐れ入りました。
★5つでは全く足りない。
日本アニメ史上屈指の大傑作です。
あちこちに小ネタや小気味良いギャグがテンポ良く入ってるだけでなく、決定的に面白い。
アニメ映画は、「ただキャラクターが動いていて楽しめる」というのが究極なのであれば
この映画はそのアニメの基本たる動きが最高に楽しめる作品。
冒頭、マイクを叩いて始まるファーストシーンから
音楽一つ一つが何とも心地よく響く
ルーが登場してからは「歌うたいのバラッド」が必然的に多く使われてるのだけど
場面場面でアレンジを上手に変えてあり、これがまた絶妙にマッチする。
主人公のカイも、最初の数分はまったく表情が読み取れない、とても影ある少年として描かれてるのが、タイトルの出る場面で人魚を見つけて、奇妙な機械的な動きを見せた後に次第に打ち解けていくと、色々な表情を見せてくれる。
ルーとセイレーンの初セッションは、もし自分があの場にいられたなら、絶対に一緒にバンドをやってみたくなるほど、見ていて楽しくなる。
あの不思議な歌声で音楽合わせたら面白いだろうなー、こいつらホント楽しそうな顔してるなーって。
主人公の相棒的役割を果たす国夫、とにかく感情動きが激しい遊歩と、脇のキャラクターもなかなか面白い連中。国夫も10代なのにもう髪の毛の心配してたりする割には、「ライブしたい」とだだこねる遊歩に「わかった」なんて根拠もなく頼もしく言っちゃうイイ奴。一緒にいたら絶対友達になりたい。
ルーとカイの深夜デートもそれぞれの夜景が一つ一つ丁寧で、どれも初めて観る人魚の子には珍しさでいっぱいで「すき」ばっかなのも当然。ワン魚を誕生させて夜明けと共にバッシャーンと海に帰って行くというのもなかなか斬新。
一部で古典的名画のパロディも出てくるが、このシーン、とにかくルーが愛おしく愛おしく感じますよ。
セイレーンのデビューライブにおける、ルーが巻き起こす日無町全体を巻き込んだダンスシーンは、どこかカートゥーンを思わせる懐かしさを感じる絵柄で
とんでもなく早い足裁きとハイテンポなリズムを刻む音楽に合わせてアニメ映画史上最高のダンスシーン魅せてくれる。
もっと見せて、音楽止めないでーとなること請け合い無し。
しかし、ルーとの最高の夏休みは、このあたりまで。
以後ストーリーは深化していく。
街中がルー、人魚の存在を知ってしまってからは、大人たちの汚い汚い部分が沢山描かれる。
それを商売にしようとする者、拒絶反応する者、はたまた殺そうとする者すらいます。
最初は人魚に好意的だったオバサマ方もすぐに掌返してきます。
どこか、現代の人間社会の縮図のようにも思えますね。
そして、よくよく考えれば、その“大人たちの身勝手”が引き起こした事件である遊歩の家出でストーリーは大きく動きます。
人魚がよくカイの家に現れることを知っていた大人たちは遊歩誘拐犯としてルーを監禁してしまいます。
さらに、大人の身勝手さは、ルーを犯人と決め付けて彼女を殺そうとしたことでついには海の神様の祟りを引き寄せてしまいます。
そこでようやく一部分の大人たちは、子供たちの正しさや純粋な想いを認めてくれます。
そんな目に遭っても、ルーは健気に日無町の人々を救おうと親子で奮闘。
遊歩や国夫たちの援護も虚しく、もう頼みの綱の人魚たちがダウン寸前となったときに
「嗚呼歌うことは難しいことじゃない~」というヘタクソな歌声が街中に響き渡る。
しかし、この歌声はルーが誰よりも大切に想う大好きなカイの声。それまでのどんな力よりも強いフルパワーで、彼らは主人公たちの町に立ちはだかる大きな壁を文字通りぶち破るのです。
最後の最後にこの歌は“短いある一言”で終わりますが、その後の人魚たちとのシーンを予見させていますね。
ヘタクソな歌でありながら、このシーンは上手に歌われては却ってリアリティを削いでしまうので、本当にカイの心の叫びが歌となったように聴こえるでしょう。
ラストは日の当たる町になった日無町と主人公たちの明るい未来を示唆して終わる、爽やかな結末。
脚本は確かに、すこし鋭いヒトなら粗方結末は見えてしまうし、ウクレレに釣り糸張ってマトモな音が出るとは思えないのだけど
それを全部ひっくり返してしまう圧倒的な演出美。
Blu-rayは早くも10月には出てしまうが、かかってる劇場があれば、この映画関しては絶対に観て損はない。
だって最高のアニメ映画で、最高の音楽映画でもあるのだから。
アニメが粗い... けど悪くなかった‼︎ ルー‼︎ パパ‼︎ ベロ...
アニメが粗い...
けど悪くなかった‼︎
ルー‼︎
パパ‼︎
ベロだらぁ〜ん犬‼︎
爺様はお母さん
婆様は旦那さんに会えて
良かった‼︎
亡くなったんだけど
ハッピーエンドだよね‼︎
まあまあだった
登場人物があまり好きになれなかった。特にヒロインの女の子がやっかいなメンヘラにしか思えず、距離を置いた方がとしか思えない。ルーも幼児だし、そんなのを人前に出したらダメだろと思った。お父さんはいなくて、主人公とお兄さんとおじいさんで暮らしているのかと思ったらお兄さんだと思っていたのがお父さんでびっくりした。結局お母さんの手紙はなんだったのだろう。
また、日光がNGだと分かっているのに日中にばかりライブをやるのはどうしたことだ。
人魚の音楽なら人魚なりの何か雰囲気があってもよさそうなのに、Jポップだった。
新潟での上映が見れず新宿で見て、新潟で見ればよかった。
いい映画なんだが
読解力がないせいか災厄から大団円に向かうあたり、人魚が災いの原因ではないとする筋がわからず。
残念な点として、あざといお涙ちょうだいがあるのが興ざめる。タコ婆さんのセリフ通りなんで今さら。
夜明けは訪れた
晴れやかな気分になる映画でした。
視聴前。ルーのデザインやボーイミーツ人魚というコンセプトから何となく崖の上の◯ニョのような作品を想像していましたが、全く違いました(笑)
主人公と仲間達は中学3年生と悩めるお年頃。劇中を通して成長していきます。
ただ、個人的には周囲の大人(保護者)達がすごく良い味を出していたと思うのです。
作中の大人達は内面の描写こそあまりありませんが、子供達同様、悩みながら生きています。登場人物は皆悩んでいるのです。さながら終わらない夜に囚われているかのようです。
そこに不思議な力を持つ人魚のルーが現れます。ルーを巡って周囲が慌ただしくなる中で、ルーは一貫して歌を歌い踊ります。やがて人々は目を覚まし、ついに夜明けが訪れました。
子供向け作品であれば、ルーはその後も主人公達の前に姿を見せるでしょうが、そうはいきません。夜が明けた世界に存在出来ないルーはそこで主人公達とはお別れです。別れは唐突に訪れるのでなかなか切なくはありますが、最後の主人公達の晴れやかな態度を見ると非常に爽やかな気分にもなります。
中学生から大人まで。幅広い年代の人が楽しめるアニメ作品となっていると思います。
みんな仲良くファンキーダンス
ダンスのシーンがとにかく印象的でした。
浜辺の祭りでバンドが演奏するシーンが素晴らしくて最高すぎました。
観てる人たちもルーと一緒に勝手に踊っちゃう。なんともファンキー!
アニメーションもアメリカのカートゥーンっぽく、サイケで無国籍な雰囲気にワクワしました。
カイの創るビートミュージックもいいですねー!ハンドクラップがスピーカーじゃないところから聞こえてくるみたいで、カッコ良かったです。ルーが引き込まれるのもわかる。オープニングのスカっぽい曲もテンション上がりました。
歌うたいのバラッドはまぁ…でもラストのカイが歌う、決して上手くない歌が本当によかった。カイは当初、ピッチにうるさい典型的な魂レスなミュージシャンでしたが、ラストはロックでしたぜ!
ギャグのキレも豊かで、ブラックかつキュート。ケロっと「お母さん食べられた」って凄いよね。「商工会議所のデカいやつも怪しいぞ」そりゃそうだろ!
ワルキューレの騎行も、地獄の黙示録オマージュでファナティックかつマヌケで最高でした。パピーちゃんとかくだらなすぎて、特に前半は笑いっぱなし。
作画や演出は超ファンキーかつドラッギーでありながら、ストーリーは解りやすい王道な少年青春モノ。君の名はの隕石シーンみたいなディザスター入れて盛り上げて大団円と、綺麗にまとめたなぁ、という印象です。カイの成長とともに日無町に太陽の光が差すとか、スマートだなと思いました。
人魚で町興しの時の反対派の動きとか、寂れた商店街のビラとか、負の田舎感もかなり出ていて、ダークでよかった。
ただ、ラストは物足りなかった。人魚が身をていして町を救ってカイの前から去っていく物語は、少年が異界に触れて成長し現世に戻る、と言う、ある種の神話体系そのもの。確かに、ひとりの成長物語としてはまっとうで誠実、説得力もある。
しかし、カイだけに焦点化しなければ、異文化同士の接触と摩擦、相互理解の物語とも捉えることができる。せっかくの素材があるのだがら、あえて一歩踏み込んで人魚と人間の共存で終えてほしかった。
世界的にも排外と共存がテーマとなっている時代なので、最後は人魚も犬魚も人間もみんな仲良くファンキーダンス!共存!で終わっても良かったんじゃない?
ファンキーダンスという、異文化の壁を越え得る素晴らしいモノがあるのに。
Make It Funky!!
自分の気持ちに素直になること
水や深海の描写に監督らしさが感じられる映画だ。
お話はシンプルだ。説明こそないが、離婚をきっかけに故郷に帰ってきた内に閉じこもる主人公のカイが一途で純粋なルーと出会い変わってゆくひと夏を描く。
本来なら出会うはずの無い二人が、巨大な岩で影ができる日無町という舞台でそれができる。別の世界が交錯する設定だ。そしてそれはカイの心の中も表している。
クライマックスで岩はなくなるが、それは素直になったカイの心境でもあるのだ。カイはルーと出会って素直になった。せつなさよりも心地よさが感じられる。だから会えなくてもさびしくは無い。
ラストのカットはそうゆうことだ。
結構胸糞映画
中盤〜終盤にて人間の嫌な糞すぎる部分を描いていますね。葛城事件や愚行録を見た時の様な登場人物(人間)全員死ねという感情が湧き、イライラが募る展開に観なきゃ良かったと後悔。
音楽が良いとの事でしたが、バリエーションが乏しく、まさかあんなに歌うたいのバラッドばかり流れるとは…
また、作画の悪さは意図的だとしても、そのせいか全く魅力的なキャラクターが居いし、全体の印象が良くないのもここが大きく起因するかも。
心掴まれる可愛くて素敵な映画
いかにも心を閉ざしています感満載の少年が
バンドを組んでいる友人2人、音楽が大好きな人魚に
出会いだんだん心を開いていくという
ありきたりな進み方ですが下田翔大くん演じる
「カイ」と谷花音ちゃん演じる「ルー」が
仲良くなるシーンが愛らしくて微笑ましかったです♡
シンセサイザー、ギター、ベース、で音楽を
奏でるのです原曲よりポップに仕上がっていて
聴いていて気持ちよかったのも1つの良点です。
個人的にベース兼ボーカルの子の歌声は
カイくんも言ってたように
お世辞にも上手いとは言えません……。
((細かいところを気にしてしまうとダメですね。
まぁなんやかんやありルーに危機が迫るのですが
最後のカイくんが1人で歌う「歌うたいのバラッド」は
心に響きましたね。主題歌は原曲である
斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」ですが
わたしはカイくん(下田翔大くん)の声で奏でられる
「歌うたいのバラッド」がとても大好きです♪♡
音楽の力と好き(自分の想い)を伝える大切さを
今一度考えさせられる映画でした。
余談
くちびるに歌をでの下田翔大くんを想像している方へ
きっぱりざっくり言います。「全く違います!!!」
「めちゃくちゃ成長しています!!!」
男らしくなり落ち着きを感じられる声になっています
そんな声だからこそカイくん(下田翔大くん)の
「歌うたいのバラッド」がとても素敵なのです!
わたしがカイくん(下田翔大くん)の
「歌うたいのバラッド」と書くのもこの理由です。
ぜひ、本編のついでに声の成長っぷりも
楽しんでみてください。
素晴らしい!
湯浅監督のアニメーション映画
ときいて観に来て大正解!
夜は短しも面白かったし
天才と言われる所以だなと笑
最初の街を覆う影とお陰様、
傘、最後の日の当たる街
きれいに繋げてきたなと
アニメーションももう最高
ダンスシーンは言葉で語れないほどわくわくしたし
ルーのパパがルーを助けに来るとこはすごくハラハラした
感情直接ぶつけてくるかのような勢いにもうたまらん
てかパパいい人過ぎ笑
人と人魚の対立のようにみせかけて
昔から人魚と人は一緒にいたんだなと
最後は心がすごく軽くなった
あと歌うたいのバラッドはやっぱいいなぁ
好きを伝えるということ
湯浅監督の作品は独特の世界観があり、一定のファンに支持される作品が多いが、今回の作品は良い意味で大衆受けされる作品に仕上がっている。
気持ちを素直に伝えるために、本作では心から声をだし歌っている場面が印象的で、心をさらけ出す「好き」を伝えるということの素晴らしさに、心を打たれた。下田さんの役作りにも目がいく。是非一度観てもらいたい。
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