「期待値をしっかり超えてきた!」T2 トレインスポッティング Ryo Hiraoさんの映画レビュー(感想・評価)
期待値をしっかり超えてきた!
Trainspottingから20年。
15年前、学生の時にDVDで見た。
当時UK Rockにハマってる頃で、ファッション、音楽、軽快でセンスの光る編集にぶっ飛ばされたのを思い出した。
前作を受けて期待値が高い人が多いと思うが、その期待値をしっかり超えていると思う!
前作とリンクするカットや演出が多く散りばめられ、見終わった後に思わず1を借りに行ってしまった。
凄く上質な人間ドラマだ。
退廃的で、絶望的。
でもそこにひとかけらの希望がある。
____________________以降ネタバレ____________________
ど頭のシーンは前作のラストと同じ場所・同じ演出から始まる。
レントンが車に手をついてニヤっと笑うシーンや、トミーと共に4人で行ったスコットランドのど田舎の駅のシーンなど、前作と完全にリンクされたシーンが20年の歳月を感じさせる。
弁護士の女性は前作でレントンと関係を持った女子高生のダイアンかな?
レントンがサイモンの彼女に"Choose Life"の説明をするシーン。あれはきっとダニー・ボイル監督自身の言葉なんだろう。
そして、物語の鍵を握るのはやっぱりスパッド!
ラストの方でスパッドが書いた小説のタイトルを思いついたと話すシーン。あのタイトルは明示されないけど、きっと「Trainspotting」なんだろう。
それにしても「Born Slippy」の使い方がやっぱり格好良い!今聞いてもワクワクさせる。
中盤で挿入されるリミックスも、前作からの対比が暗示されてる様でとても良かった。
前作を観ている前提ではあるが、総じてクオリティが高い!
悲しみ、やるせなさ、クズの中のクズが生きるクソみたいな現実は、実際のスコットランドの状況ともリンクしている。
それでも生きていく人間達に理解を示せれば、きっと心に響くはず。