「あらすじを読んでサウンドトラックを聞けば満足できる映画!」グレイテスト・ショーマン ōeさんの映画レビュー(感想・評価)
あらすじを読んでサウンドトラックを聞けば満足できる映画!
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歌唱パートに頼り切った筋書きに不満。
新進気鋭の劇作家フィリップ・カーライルを口説き落とすシーン("The Other Side")などまるで歌徳説話かと思えてしまう(3分ちょっとで説得されるフィリップよ,大丈夫か)。
バーナムがショー仲間を顧みずに興行し大失敗をした後,酒場で彼らと和解するシーンなども,ん?簡単に許しすぎでは?と釈然としない気持ちを抱かせた。
ミュージカルだから,といってしまえばそれまでだが,それなら会話パートをもう少し減らして純ミュージカル的にしてしまえばよいのではなかろうか...。
もっと根本的な所だと,なぜチャリティの父がバーナムとの結婚を許したのか? 花嫁学校にまで入れて教育した娘を仕立屋の息子にみすみす渡してしまうというのは,一体...。
疑問の尽きない本作ではある。
冒頭,繰り返されるコーラスとバーナムのソロが掛け合うパート("The Greatest Show")は鳥肌も立ってなかなかに熱いものがあったのに,映画体験としては貧相なものだった。紋切り型のストーリーに,要所要所,個性とも言えない個性を混ぜ込んでいく手法は『ラ・ラ・ランド』譲りのものなのだろうか。いや,それでも『ラ・ラ(略)』よりはマシか。ミュージカル映画というジャンルの出涸らし感に落胆を禁じ得ない。
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