「非人道映画」グレイテスト・ショーマン mriさんの映画レビュー(感想・評価)
非人道映画
予告から、浅そう…と思っていたのですが、予感的中…。
浅い上にツッコミどころが多過ぎて…。
全体通してまず言えるのが、サーカス、フリークショーなのに、空中ブランコ以外は歌って踊って、肝心のユニークな彼らの個々の見せ場がほぼ無し。
というか、歌えて踊れる人達が奇抜な格好してるだけ。
チャリティは花嫁学校まで行ったのに、両親はどんな理由か謎のまま結婚を承諾…フリークスたちはすぐに本領発揮で、努力や葛藤のシーンは皆無。
描くべき部分が省かれてると登場人物を応援しづらい。
バーナムもフリークショーというリスキーな興行に対して前向き過ぎるし(きっかけも陳腐、というか外道、娘たちの思いつきのシーンは残酷極まりない)、フリークスの気持ちに寄り添えてない。
フリークスを金儲けの道具としてしか見てないし、偽物呼ばわり。
あなたの言う本物もオペラ歌手なのにオペラ歌ってないですけど??
苦労してきた割には(苦労の描写ほぼ無いんで分からないですけど)なんだか人として浅いし、歌の中でも同じことしか繰り返し言ってないし、何故フリークスとフィリップを口説き落とせたのか。
怒りのThis is me、確かに良い曲かもしれませんが、肝心のバーナムに伝わってなく、自己完結で終わり。
差別してる人間はそのままに、差別されてる人達に問題を押し付けるというあってはならない展開に唖然。
フィリップとアンのロープシーンは見応えあって良かったですが、愛を語る前に謝ることがあるんじゃねえのかと。人の目を気にして手を振りほどいたのは、周りの目じゃなくフィリップの問題!
評論家の存在も謎でしたね。
正統派の興行好きなだけで、何をきっかけに最後に全焼したサーカスを慰めにきたのやら。
子供達のバレエのくだりも半端でいらなかったんじゃないかな〜。
そういえば、冒頭のシーンは本編に繋がってないですよね。苦しかったのは周りの人達なんだが…。
バーナムは反省と謝罪をせず、結局いとも簡単に許されて終わってしまった。
ミリオンドリームとか言ってるような金の亡者は今後も同じ過ちを犯すであろう…と思いました!
あと、プロデューサーなのか座長なのか分からんですけど、ショーのセンターにいるのもなんか気持ち悪いです。
スターになりたかったの?フリークスを率いて?
と、思うと、どの楽曲や演出も高慢ちきで趣味悪いな〜と思っちゃって、なんかダメだなあ…。
冒頭でチャリティとの危険度MAXな屋上スレスレダンスやるくらいなら、それをサーカスでやっては?
最後の最後にCGの象とかライオンが出て来て激しく萎えました。
オチも意味わからな過ぎてもはや恐怖です。
楽曲もストーリーも互いに寄り添えてなくて何も生まれてない。
これがミュージカル映画だなんて許せないです。
楽曲とパフォーマンスだけがいいならMVでいいのでは…。
エゴイストのワンマンショーに振り回されて大変気持ちの悪い映画でした。
あのなぁ
フリクスたちが歌も踊りもj練習しなくても
上手なのは、リアルじゃないんだよ!
わかる
すべては、脳内での彼らのこうあって欲しいという願いなんだよ
実際の彼らは,奇形で声も悪く、五体満足じゃないからダンスだってうまくはない!
でも、一生懸命にやってれば、観客は笑うものもいるけれど、受けるし、感動だってしてくれる。
彼らの脳内での歌唱であり、ダンスなんだよ!
ミュジカルってそう!
脳内の出来事なんだよ!
だって、レストランのデイトで、突然、彼女が、「♪愛してぇ いぃるのぉ よぉおぉぉ」なんて歌って踊りだしたら気持ち悪いだろ!笑