レッド・スパローのレビュー・感想・評価
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これこそスパイ映画
字幕版を鑑賞。怪我によって引退を余儀なくされたロシアのボリショイ劇場の女性バレリーナが,恋人相手に暴力事件を起こしたのをネタに追い詰められ,ロシアのスパイ学校に送り込まれて徹底的に鍛え上げられ,アメリカの CIA 諜報員と頭脳戦を展開する話である。スパイものというと,007 のように派手なアクションを思い浮かべるが,カーアクションすらないこの映画は,むしろシアリティが物凄く上がっているように感じられて,非常に面白かった。
スパイとは,諜報活動を本業とする者であり,他国に潜入して機密情報を入手するのが仕事であるので,ジェームズ・ボンドのように存在が知れ渡るようでは,まずスパイ失格である。情報を入手するためには,どんなことでもするように訓練されるそうで,その最も効果的な方法がターゲットと性的関係を結んでしまうことらしい。体を許してしまえば口が軽くなってヘラヘラとなんでも喋ってしまう要人などが多いのはどの国も同じようである。主人公はスパイ養成の訓練校に入れられて過酷な訓練を受ける。R15+(15 歳未満は親と同伴でも鑑賞禁止)にされているのはこうした描写があるためであろう。
そうしたスパイ同士のやりとりが展開し,高額な報酬と引き換えに二重スパイの申し出などもあり,話はどんどん複雑になっていく。今話していることは本当なのだろうか?嘘なのだろうか?といった会話が続き,全く飽きさせない。観客も騙される対象になったかのようで,非常に臨場感があった。
この映画が成立するかどうかは,ひとえに主演女優の質にかかっていると言っていいが,その点,ジェニファー・ローレンスは文句なしの体当たり演技を見せてくれていた。流石,オスカー女優である。彼女の出演なしにはあり得ない作品であると思った。叔父のロシア情報省副署長を演じた俳優が,どう見てもプーチンにしか見えなかったのも面白かった。
音楽はベテランのジェームズ・ニュートン・ハワードで,「シックス・センス」や「バットマン・ビギンズ」などの過去の傑作に肩を並べる素晴らしい音楽を書いていた。無言電話の背景音にグリーグを流すだけで誰がかけてきたのかわかると言った仕掛けにも惚れ惚れした。シアター・ショップにサントラ CD があれば直ちに買ったところだが,生憎なかったのでネットで注文した。
演出は,緊張感を切らさない素晴らしいものであったが,今時,極秘情報がフロッピーディスクに入っているというのはどうかと思った。また,どの国の人間も全て英語で喋っていたのにはアメリカ映画の悪癖が未だに根強くはびこっているのを痛感させられた。字幕を読まされるくらいなら映画など見に行かないというアメリカ人の方が多いのが昔からの状況で,このため,モーツァルト(アマデウス)も,ジャンヌ・ダルク(同名)も英語で喋るという奇妙な状況に陥ってしまうのである。しかしながら,それらを差し引いても,非常に面白い映画であった。
(映像5+脚本5+役者5+音楽5+演出4)×4= 96 点。
スパイ行為に翻弄されるも、名優たちに救われる。
予備知識なしで、観に行きました。
冒頭よりセルゲイ・ポルーニン、ジェレミー・アイアンズ、シャーロット・ランプリングと、好きな人たちが出てきてちょっと興奮。
ジェニファー・ローレンスそっちのけで楽しんでしまいました。
性描写や暴力・拷問などは露悪趣味でしたが、皮剥ぎからのアクションはちょっと良かったです。
自分にとって、ジェニファー・ローレンスは希求力に乏しくて残念。
(ときどき可愛かったけどね)
スパイ行為で観る側を翻弄するのは面白かったが、わかりにくくて後味がハッキリしなかったです。
屈折したスパイ
最後まで読めなかった。
ジェニファー、思い切りすぎ?
純粋なスパイ映画である。
誰と誰が敵か味方か、まったく予断を許さない。
バレリーナの夢が破れたドミニカ(ジェニファー・ローレンス)は叔父ワーニャ(マティアス・スーナールツ)の庇護のもと、諜報員としての訓練を受けることになる。
そして、アメリカに情報を流しているモグラを見つけ出すミッションを与えられる。
フランシス・ローレンス監督がいままで手がけてきた作品に比べると、大人度が相当アップしている。
ジェニファー・ローレンスはこの監督を相当信用しているのであろう。もっとも、自分の重要なシーンはジェニファーがファイナル・カット権を持っていたらしい。それであのカットが残るのだから、ジェニファーの覚悟も並大抵ではない。
このご時世、思い切った映画に出演したものである。
ただ、そこまで体を張って出演するほどの映画かというと、疑問符がつく。
久しぶりに、かっこいいジェレミー・アイアンズを観た。アルフレッドもいいけれど、このなんともいえないオーラをまとった役は断然いい。
スパイ映画 かくあるべし
先ほど観てきたので簡単に感想を。
ロシアとアメリカを手玉に取る女性スパイの物語──と書くと、カビの生えた使い古しのネタに感じますが、とにかく脚本が秀逸!
騙しているのか?騙されているのか?誰が誰にどこまで騙されているのか、最後まで予断を許さない展開に圧倒されました。
個人的にスパイ映画には、仲間や敵対者との心理戦や巧みな駆け引きを期待するのですが、そういったポイントがしっかり押さえられていて、ラストまで楽しめました。
そして、そういう意味で本作は、「スパイ映画ならこうあってほしい」と思うイメージとピッタリ重なる作品に仕上がっているのかなと。
また、主演のジェニファー・ローレンスの体当たり演技も強い存在感を放ち、作品に一定の緊迫感と重厚さを与えています。
全体を通して、久しぶりに高い満足感を得られた作品でした。オススメです。
※ ★-0.5の理由は、全編を通じて言語がほぼ英語だったことです。ロシア人設定なのだから、自国にいるときくらいロシア語で話してほしかった。プロット上は意味がないのだろうけども。
バレリーナにしてはちょっと太め。
古いスパイ映画みたい。
一応現代ロシアの話なんですが、全体主義のソ連時代のような描き方で古臭く感じました。今でもそうかもしれないけど。
スパイの正体はあっさりバレてしまうので、ストーリー展開に緊張感はあまりなく、エロとグロ風味で味付けしてます。
主演のジェニファー・ローレンスは魅力的だけどロシア人には見えないし、相手役のジョエル・エドガートンはアメリカ人らしいけど、パッとしないです。全体的にイマイチでした。
彼女はこうして二重スパイになったというお話。まあ諜報部員が大統領に...
3.5です
主人公は夢を文字通り砕かれた、足の折れたスワン。自己の存在が他者と異なる特別なものであると信じる女の子。やりたくないことはやらない。人だってバンバン殴るし殺す。そんな女の子はなるべくしてスパイになるが、スパイとしての任務中、彼女の感情の機微はほとんど描かれない。スパイにとって心は弱点である。ただ、今作は完全無欠なブロンド美女を描くわけではない。赤い雀の赤は、なにも彼女の手によって流れた血だけをトレースしているわけではないのだ。
そんなこんなでジェニファーローレンスちゃんがかっこよかったりかわいかったりする今作、レッドスパロー。ストーリーはシンプル。ドミニカちゃん、あんたはロシアとアメリカどっちにつくんや?どっちや?どっちや?って話を転がして、その中にさらっと散らしてある結末へのヒントを最後にご丁寧に回想し回収してくれるという構成。個人的にはタイトルコールがかっこいいタイミングで、おー!って感じで、プールの水着が流出写真の下着を連想させるようなデザインで、あっ、、って感じでした。
微妙…。
ハニートラップを前面に押し出すかと思いきや
なかなか渋めのスパイミステリー。
原作小説読んでみたくなった。
フロッピーディスクのせいでいつの時代設定なのかが気になって集中出来ず。車を見る限りはがっつり現代だと思われるが。
R15+なのはおちんちんがちら見えするのと拷問シーンがあるせいか。
※アクション映画ではありません
何故にロシア語でしゃべらないのだ? ジェニファーローレンスは好きだ...
ハード
ハリウッドのスパイ映画にしてはアクションが少なく、騙し合い、刺し合い、拷問と韓国映画の様な展開のスパイ映画でした^ ^
が、今作は女スパイなのでコレがまた凄い(^^;
訓練の時から女スパイとなると主な武器はハニートラップなのか、最初はフェラチオの練習から(^^;
CIAにロシア諜報員のモグラを聞き出すのが主人公ドミニカの最初のミッション。
コレややこしいのは140分の中で登場人物が多く会話の中で名前が出て来ても誰に話ししてるのかわからないシーンがあった(^^;
ドミニカが置かれた状況からどうやって抜け出すのか、どっちに付くのか、誰を信用するのかが見ものでしたが、そうこうしてる内に自らモグラが名乗り出るし、このままどう収まるのかと思ってたらまさかの結末でした(^^;
体の悪いお母さんの面倒見るために最初にハメられた時から決めてたのかな?
それにしても見応えありました!
最後電話がかかって来て終わったけど続編もあるのかな?
ふと思ったけど冒頭のバレエのカップルはどうなったのでしょ? 笑
最後のカタルシスで合格
ロシアの、あるバレリーナが怪我の後に、叔父の勧めで(半分陰謀で)スパイになっちゃう話。
まず、ロシアの話なのに全編英語。恐らくロシア人もほとんど出ていないのでは?
これだけでロシア人が観たら失笑というか噴飯ものでしょう。
日本人がなんちゃってニッポンのハリウッド映画を観る感じ。
そこが常に気になる感じでした。
前半のスパイ養成所のくだりがある意味クライマックス。R15の一因になり、ジェニファーローレンスの熱演と前評判であったとこです。
が、スパイになったあとはそこまで体は張らないんですよね。ちょっと肩透かし。だます相手のアメリカ人がB級アクション映画の主人公のように上司に盾突き、根はいいやつタイプ。その上司までもがそこまでイラつきません。
実は訓練が一番の無茶ぶりで、身内に嫌なやつがいる。
これってロシア人は基本的には悪。アメリカ人はいいやつという整理になってる気が。ステレオタイプなのでひとひねり欲しかった。
まぁ、ここまでは突っ込みどころをかいてきましたが、
ジェニファーローレンスの演技、イライラしない展開、伏線とラストの収まり方、見て損は無いかと。
あ~また騙されると思いながら僕はどんどん堕ちていく
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