「哀切のカントリーロード」キングスマン ゴールデン・サークル pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
哀切のカントリーロード
2作目作品としてはまずまずの出来である。
前作を彩っていた社会風刺はやや鳴りを潜め、スラップスティック要素が強まった感があるが、同じ路線にしなかった事も成功要因であろう。
とにかく「マーリンがカッコイイ」
ハリーもカッコイイし、ステイツマンもカッコイイし、エグジーもカッコよくなってきたが、
しかし、今回はマーリンがめちゃくちゃカッコイイ。
異国の地カンボジアにて、朗々と歌い上げるカントリーロード。マーリンの瞼に浮かぶは遙かなるロンドンか、、、
胸に迫る熱いシーンだ。
(テキーラの出番これだけ?と拍子抜けだったが実はスケジュールに急な事態が飛び込んだ事による大人の都合だったらしい。エルトン"キング"ジョンのシーンが過剰に多く感じたのはチャニング・テイタムが抜けた尺の穴埋め?と疑うのは穿ち過ぎか?
まぁ、ウィスキーがカッコよかったから良しとしよう。テキーラは今後活躍しそうだし)
冒頭のPrince - Let's Go Crazyは最高にクールだ。スピード感溢れるカーチェイスで楽しませて(笑わせて)くれる。
モンテ・ビアンコ・スカイウェイの360度回転ゴンドラシーンは必見!
今回、安堵したのはエグジーとティルデがきちんと交際していた事。
ボンドガールよろしく、ひと時のラヴアフェアだったら、この作風だと下品になってしまうので嫌だな?と思っていたので作品への好感度が増したし、ご両親である国王夫妻との会食で難題にスラスラ答えるエグジーは痛快だった。その直後にロキシーを襲う悲劇には心が痛むが。ヒロインは2人要らないという事なのか?
いや、ハリーを思えば、今後の復活は?願わくば再登場に期待したいものだが。
キングスマンとステイツマンの対比も良し。
はたまた、ステイツマンが造る「酒」は合法、ポピーの「麻薬」は違法。という対比は、娯楽シーンの緩さで麻痺しかけた脳に冷ややかな問題を提起してくる。
この辺りがマシュー・ヴォーン監督ならではの好ましいイヤラシさだと思う。
生ハンバーグに関しては、、、中盤の方は、まぁ悪人の末路という事で許容範囲。
前回、あれだけヤッちゃってるから、目玉となるグロさは必要だったのだと理解しよう。
終盤の「彼」の動機は、同情も理解も出来るものであり、決して悪人ではない。こちらは「目的は正しくとも手段を間違えてはならない」「人を呪わば穴2つ」と捉える事で許容範囲であった。
それにしてもエルトン・ジョン御大が楽しそうだったー(笑)
連れだってコンサートに向かうエグジーとハリーという絵面も、今後観たいシーンの一つである。
3作目は誕生秘話という事で、馴染みの面々には会えないだろうが、今年の夏が楽しみだ。