ドリームのレビュー・感想・評価
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best of the best、アメリカの輝ける頃
人種隔離政策は教科書でしか知らないが、家族と自分の尊厳をかけて生き抜くために戦う黒人女性たちがNASAの偉業を支えていた事を知り単純に勇気が湧いた。
初めての事をなすのは本当に勇気がいる。失敗する確率は高く、注ぎ込む努力も割に合わないかもしれない。彼女たちはしのごの言わず自分のやれる事、やれると信じることをただやるしか道はない。
時は1960年代のアメリカ、人種隔離政策の真っ只中、ソ連とアメリカは宇宙進出でしのぎを削っている。
超優秀な3人の黒人女性はロケット軌道計算室で働くが、それでも差別的待遇にハンディーを取らされ、思うように働けないが、負けまいと必死だ。
ただNASAの打倒ソ連と愛国心、また月への思いは白人も黒人もなく同じと言いたいのがこの映画、そんな連帯感と思いに、いつしか映画を見てるものも飲み込まれて行く。。。
偉業を達成するアメリカの強さ、人間の強さを見せつけられ、翻って自分の悩みの小ささ、まだまだ自分も頑張れるんじゃないか?頑張って自分の仕事に挑戦したいんだと思わせてくれた。ありがとう、この映画制作者と実在の3人の女性たち❗️
ただ、フィールドオブドリームズのケビンコスナー扮する所長が黒人専用と白人専用のトイレの看板を叩き壊すという少し映画的で短絡的すぎで、ちょっと小っ恥ずかしいシーンを演じてたが、アメリカ人はあんなまとめで良いのかな。
ともかく色々深掘りしたくなるテーマを含むのでアメリカの歴史を良くおさらいしたくなりました。
Friendship7〜 人生を切り拓く
NASA宇宙特別研究本部に配属されたキャサリン( タラジ・P・ヘンソン )のひたむきに生きる姿、温かく包み込むような笑顔に引き込まれる。黒板に向かい数式を解く姿に鳥肌が立った。
少しお腹の緩んだ本部長ハリソンを、ケビン・コスナーが渋い演技で魅せる。
エンドロールのパンチの効いた歌声が素敵。
ー楕円軌道から放物線軌道に
ー着水座標は緯度16.11984
経度マイナス165.2356
NHKを録画にて鑑賞 (字幕版)
3人の女性のそれぞれの生き方が魅力的
予備知識は舞台は1960年代と主人公は黒人女性だけだった。てっきり黒人差別の人種問題映画だと思っていた。実際には3人の黒人女性のサクセスストーリーだった。頻繁に黒人差別のシーンは出てくるものの、サクセスストーリーには必ず出てくるいわゆる障害の一つであり、障害が大きければ大きいほど、多ければ多いほどその後の成功の感動が大きいと言う、典型的なサクセスストーリーだったので、「グリーンブック」のような人種差別問題を提起するような映画とは一線を画するものであった。
最初に出てくる警官も、裁判官も、キルスティン・ダンストもケヴィン・コスナーも、最初は黒人に偏見を持っている感じだったが、結局はいい人だったと言うことで、出てくるほとんどの人がみんないい人だったのはちょっと出来過ぎかなと言う感じもしないでもないが、個人的には好きな展開で、大いに高評価を与えたい映画であった。
頭のいい女性が出てくる映画にハズレ無し!
キャサリンもドロシーも冷静沈着で隙がなくて惚れ惚れする。
ケビン・コスナーがこれまたかっこいい役で。
実際は困難に次ぐ困難だったろうと思われるのに、ブルーな気分になるシーンが少なく、どんどん成功へ向けて進んでいく気持ち良さ。
かわいらしい細かい伏線が楽しい。
良かったセリフは
「スピード違反だね」
「気に入った」
「彼女が出した答えなら飛ぶ」
本当に実力のある人に認められた瞬間は格別だ。
素敵なところがありすぎて書ききれない。
大好きな’60のアメリカ。
景色も車も建物も家具も衣装も最高にかっこいい!
使命を貫く3人が個々に光る
NASAでも白人 非白人の差別的環境があったのかと残念だった。
しかし、その葛藤を抱きながらも
謙虚であり、諦めず、凛としている黒人女性たちの仕草や、前向きな姿勢が映像からとても伝わりカッコ良かった。
自分の才能をより磨く努力が、周囲からの期待や信頼というカタチで報われていく様子も爽快で、見ているこちらが救われる場面が多かった。
ケビン・コスナーが良かった。家庭人ではないかもしれないが、、、。職場で影響力ある存在だからこそ、偏見の価値観がなく、とにかく安全にロケットを飛ばすことだけに集中している様が、雑念がなくて良かった。
ドロシーとビビアンのトイレの場面では、差別する側、される側の感覚が、ドキッとする感じで表現されていた。普段の自分の行動のなかに、無意識な偏見もあるかもしれなくて、ただ周りが受け入れてくれている(受け流している)かもしれないな〜と反省と感謝が生まれてしまった。
そして、前例を作った裁判官だからこそなのか、前例をリレーしていく場面も感動的で心に残った。
自立した女性の映画
と、一言では言い切れない絶妙さが散りばめられている映画だった。
「ドリーム」なんて邦題が・・・。
1960年代、米ソ冷戦の宇宙開発時代。
NASAに努める3人の黒人女性の実話。
宇宙に一番近い先端の職場には黒人専用のトイレ、職場、そして珈琲ポット。
台詞も3人の演技も良いし音楽もノリノリ。
最後はハッピーエンドにしたが、黒人差別は温存されたままなんだけどね・・・。
原題「Hidden Figures(隠された人物)」、「ドリーム」なんて邦題が愚かすぎる。
タイトルなし
今よりもっと人種差別ある中、天才集団NASAの中で活躍した3人の女性を描いた実話で、皆演技がうまい。ケビン・コスナーも存在感ある。差別をできないほど、能力があったんだろうと思う。
「前例」となることを恐れない人々
人種差別というヘヴィな状況をコミカルに風刺し、宇宙開発競争で大きく貢献した黒人女性たちの功績を知らしめた爽やかな名作。原題通りまさに「隠された人物たち」の活躍に、世には知らないことがまだまだたくさんあるのだと、素直に感動。
黒人差別だけでなく女性差別の垣根をも、能力と努力で少しずつ壊していく主人公たち。
誰もなしえなかった「前例になるために」、暴力や涙で訴えるのではなく、周囲が瞠目するような才能によって、正々堂々と道を切り開いていく様に清々しさを感じる。
バスや図書館、学校といった全ての公共機関で白黒分けられていた時代。黒人が読みたい本を借りたくても「トラブルを起こさないで」と言われる社会。
本当はNASAでは人種差別は撤廃ムードだったらしいですが、そこはこの時代のムードをわかりやすくするための演出。
白人と非白人に分けられたトイレやコーヒーポットなどで、非効率さを強調している。
だからこそ、部長のアル・ハリスンや宇宙飛行士のジョン・グレンなど、命を預かり命を懸ける人達が肌の色で判断せず、本質を捉える心を持っていることに感動するのだ。
たとえ彼らが積極的な差別撤廃主義者でなくても、「合理的で理性的」な判断は「差別による弊害」と相反するので、結果的に「差別することやそれに費やす時間がいかに時間の無駄で愚かか」ということにもつながってくる。
しかし差別をしている側に属する者は、差別していることにすら気がつかない。ハリスンでさえも、キャサリンが40分もトイレに行く理由に想像がつかない場面では、理不尽なことに声を上げる重要性をとっくと感じた。
身近な例だと、腹痛を訴える女性に対し、男性が「生理かも?」と思い至らないことに似ている。
無意識の差別とは、差別が日常であることで順化してしまうこと、自分が属する社会から爪弾きになることへの恐れで、差別を見て見ぬふりをすることなのだと思う。この時代の白人の多くも、黒人そのものを憎み恐れているわけではなく、自分の常識や日常に波風が立つことが許せないだけのように見える。
主役3人のウイットに富んだ掛け合い、そしてすっと自然に染み入る名台詞の数々にも注目。
原題を日本語にしにくいのは理解出来る
邦題がダサいと、誰のレビューを見ても書かれていたが、なるほど私自身は題名自体の記憶がなかった。
ファーストマンをネット配信で見ようと思い先にここの評判を見ようと思い立ち、そう言えば国際線の飛行機の中で見たあれは良かったと思い出し、メモとして書き残すために
黒人女性 数学 映画
で検索して一発で出てきた。
まあ 「ドリーム」だとは思わなかったが そもそも映画を題名で選ぶ事はしないので、というか
邦題に関心がないので
言ってみれば 題名はなんでもいいです派。
宇宙工学に 物理の公式及び計算力が必要なのは大まかには理解出来るものの
それに人間という命を乗っけて飛ばしてちゃんと戻って来るというのが 文系の私にはもう神業でしかない。
日食や月食の日時 遥か彼方の星の流れを
計算で出し 当たり前のようにその通りになるわけで。
今でこそコンピューターがおやりになるわけですが
その機械だって人間の頭脳によって生み出されている物には違いない。
それが黒人女性だからという部分に 日本人の私や現代人に驚きは無いわけであって、そんなものを差別なんかしちゃって白人たちは馬鹿だったんだなあと思うのみであるけれど
実際そんな時代はあったんだなあと言う具体例を見せつけられた。
彼女たちは実際同時期に働いていたのではないようだが3人とも実在の女性たちであるようだ。
このようなドラマチックな人物が実在の人物だと言うのはかなり興味深い。
大統領自由勲章
主人公の一人キャサリン・ジョンソンさんは2015年アメリカで最も栄誉とされる「大統領自由勲章」を受賞している。「キャサリンは人種や性別の壁を破った開拓者です、数学や科学で優れた力を発揮すれば星に手が届くことを示しました」とオバマ大統領は称賛した。宇宙開発の中であまり語られて来なかった裏方達の実話(当然、映画ならではの脚色はあるが)に基づく物語である。
天才キャサリンだけでなく友人のドロシーは独学でプログラミングを学び将来に備えるしメアリーは判事の業績や人柄を調べて主張を纏めるなど差別や偏見に感情的に抗うのではなく知力を働かせて前に進むところを並行的に描くことでテーマを練り上げている。人種差別に屈しそうなメアリーを励ます上司の言葉は迫害を受けてきたユダヤ人ならではの重みがあった。
キャサリンさんの業績はNHKのコズミックフロントNEXTで「コンピューターと呼ばれた女性たち」としてドキュメントが放送されているので再放送があったらご覧になると良いでしょう。
行動しなければ何も変わらない!
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
1960年代、ソ連と宇宙技術を競い合っていたアメリカが進めていた「マーキュリー計画」の成功を影から支えた、3人の黒人女性の知られざる実話とのこと。
黒人と白人とでトイレやバスの座席、水飲み場まで分かれていた当時のアメリカの世相を考えると、とても進歩的な出来事が起きていたことに驚きました。しかも、その中心を担っていたのが女性たちだったと云うことにも…
「黒人だから」と云う理由だけで理不尽な差別を受けて来た彼女たちでしたが、自分の能力を最大限に発揮して、周囲の偏見を吹き飛ばす活躍を見せてくれるのが痛快でした。
キャサリンの必死の訴えを聴いてすぐさま意識改革し、黒人用トイレの看板を剥ぎ取るケヴィン・コスナーのような人が生まれたことに、大きな意義があるように思いました。
周囲の空気感や慣例に一度染まってしまったら、そこから抜け出すことは容易ではありませんから…
IBMの導入によって自分たちの存在が危ぶまれても、その使い方をいち早く習得して、新しいことに順応していった姿を見習いたい…。逞しささえ感じさせる彼女たちの行動力の源とは、偏見を恐れず、自らが道を切り拓いていこうとする強い気概に満ちた心の持ち様だと思いました。
黒人だからなんだ、女だからなんだ、、、
ただ待っているだけでは変化は訪れない。夢を叶えるなんて到底出来っこない。何も変わらないのならば、自分自身がパイオニアとなって前例をつくるだけ…
人間が本来持っているはずの強さと勇気に溢れていて、生きる活力が湧いて来るような高揚を感じました。
[余談]
「あなたを差別しているわけではないの」と言うキルスティン・ダンストに対して、ドロシーが応えたセリフ(ええ、知ってます。あなたがそう自分で思っていることはね)にハッとさせられました。これこそが差別の本質かもなぁ、と…
意識の奥底にはあるはずなのに、「そう云うわけではない」と言い訳して、自分を誤魔化して、知らない内に誰かを傷つけてしまっていないかどうか、考えさせられました。
※修正(2022/09/14)
諦めない気持ちが大事!
この映画から汲み取れたことは2つ。
1つ目は、
人は都合が悪くなると合理的になるという事。
主人公の黒人女性達が並外れた頭脳を持っていて、プロジェクト成功には彼女らの力が必要不可欠という合理的な考え方が働いている。
仕事で成果を上げれば平等に評価され賞賛される。
そんな当たり前のことが色が違う性別が違うという理不尽な理由で簡単に捻じ曲げられてしまうが、例外として合理的な措置も行う。しかし、平等では無いという社会の異常性が伝わってきた。
2つ目は、
理解者の存在の大きさ。
肌の色ではなく努力と実力でしっかりと評価してくれる上司に出会えた事は大きな救いだったと思う。
チーフがトイレの看板を破壊した時に放った「此処ではみんな同じ色だ!」という発言は彼女達に強い希望を与えたと思う。
また、それぞれの家族だったり同僚の存在がバイブルとなり、過酷で息苦しい時代の中で、無理だと思われていたドリームを掴み取った彼女達の生き様は尊敬に値します!
不愉快な部分は所々ありますが、主人公の3人は至ってポジティブなので、見てて凄く応援したくなるような内容で、見終わった後はとても爽快で俺も頑張ってみよう!と、思える作品です。
肌の色は変えられません、だから前例になるしかないのです
映画「ドリーム」(セオドア・メルフィ監督)から。
1960年代の米ソの宇宙開発戦争を題材にしてはいるものの、
根底にあるのは「人種差別撤廃」のメッセージかな、と思う。
黒人・更に女性であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、
NASAの歴史的な偉業に、彼女たち3人の能力は不可欠だった。
自分たちでも、それを信じていたからこそ、どんな苦境にも
真っ向から立ち向かって、その扉をこじ開けた気がする。
黒人女性が、白人専用の学校に通うこすら許されなかった。
というより、そんな前例がなかった、というべきなのだろう。
でもNASAで働くためには、その学校で学ばなければならなかった。
そのために、州判事に詰め寄るシーンが印象に残っている。
「前例となることの重みは誰よりもご存知のはず。
宇宙に行ったアメリカ人もいなかった。
そして初の宇宙飛行士になったシェパードは、
前例をつくり名を残します。
肌の色は変えられません、だから前例になるしかないのです。
判事のお力が必要です」
その強い想いと信念が、判事の心を動かすことになる。
「前例になること」の大変さは、私も何度も経験しているが、
一度、経験してしまうと、それはそれで意外と楽しい。(笑)
「前例がない」と言われたら「それでは仕方ない」と諦めるか、
「前例になるしかない」と思えるか、それだけなんだよなぁ。
すげー
IBM7090コンピューターが誕生し、企業に活用された時代のNASAにこんな舞台裏があったなんて!
そういえば黒人差別の真っ只中で人が手動計算で検算する仕事がある時代だった。
コンピューター+歴史となると人間が絡むはずなのにいつも忘れる。
本当に当時は激動と進化の凄い時代だったんだと見てて実感。
こうしてもう1つの性別のキャリアモデルが出来ていったのかと始終びっくりしてた。
当時の全世界が注目していた宇宙計画に、生身の社会問題をぶっ混んで、テーマも登場人物もぶれずに最後までドキドキさせてくれた。
成功するって分かっててもドキドキしたよー。
当時の人は全員が本当にこの仕事に誇りを持ってたんだね。
本当に凄い。
歴史に残された名前の裏には沢山の人達がいて、その陸続きで現代があると思うと感慨深い。
映画を見たら原作や当時の環境が実際どうだったのか気になる一作だった。
あと数学は落ちてくる物や打ち上げる物が描く放射線がどういう形になって、何処へ落ちるのか表せるの?聞くだけで凄くてわくわくするんだけど。
DVD特典に付いてる映像で
どの分野で誰が優れているか、皆分かってた、与えられた仕事がそれぞれの仕事
っていう言葉いい。でも給料は問題にした方がいいと思うよ。
未公開シーン集では
差別に立ち向かう主人公の姿や差別の為に立ち止まる登場人物を諌めるシーンがいくつかあるけど、
本編ではこれらはカットされてる。
特典映像でも触れてる言葉があるように
差別に立ち向かう姿ではなく、
才能と大胆な努力を持って普通の女性が偉業を成し遂げた姿を描きたかったのかな。
だから複数の社会問題に問い掛けた素晴らしい映画に仕上がったと思う。
あと解説付き映画も見たけど、実際の検算は3日、IBMは3時間、今の時代のコンピューターなら3秒!?!?
本当に凄い進化をしてきたんだね。
最後のもう知られざる存在ではない、の監督の言葉に解説付き見て良かったと思えた。
あとこの映画は邦題替え騒ぎもあった。
私たちのアポロ計画→ドリーム
彼女たちには夢がある
評判違わず!
『ヘルプ』『42』『大統領の執事の涙』…これらの作品が好きな人にはドンピシャ!
いや、もっともっと、多くの人に愛される好編!
60年代、NASA初期の宇宙開発計画の逸話。
まだまだ優れたコンピュータなど無く、軌道や着水などの計算は人の頭で行われ、それを支えた人物にスポットが当てられている。
まさに縁の下の力持ち! この貢献が無かったら、ソ連との宇宙開発競争にもっと遅れていたかもしれない。
が、ずっと厳しい立場に居た。
何故なら、黒人で、女性だったから…。
人種差別根強い60年代。
圧倒的に白人男性社会である当時のNASA。
そんな偏見に満ちた世界へ飛び込んだ黒人女性たち。
新たな部署へ異動になって部屋に入って来ただけで白い目で見られる。
トイレやコーヒーポットが白人/非白人で分けられているなんて当たり前。
昇進は阻まれる。
資格を取ろうにも、必要な学校に行けない。
冒頭、エンストを起こして修理してるだけで警官に職質される。
自分だったらストレスで疲れ、倒れているだろう。
しかし!
彼女たちは逞しい。明るく、前向き。
仕事ぶりは目を見張るほど。
コツコツコツコツコツコツやっていれば、誰もがその才能を認めざるを得なくなる。
努力・実力によって周囲の信頼を勝ち得ていく様が痛快!
才能や努力や実力に、肌の色や性別は関係ない。
彼女たちの存在が周囲の考えを変えていく。
時々、数十分も居なくなる事がある。遠く離れた非白人トイレに行っているから。初めて職場の劣悪な現状を涙ながらに訴えるシーンに胸打たれた。
上司がポットの非白人専用ラベルを剥がし、トイレの白人専用の看板を壊すシーンにも胸打たれた。
とあるコンピュータが導入されるも、扱える人が居ない。彼女たちが抜擢されるシーンが何とも「やりぃ!」な気分に。
そのコンピュータによって、いわゆる“計算係”はお払い箱になるも、打ち上げ当日に予期せぬ事態が。コンピュータのまさかのミス。そんな時、頼りになり、必要なのは…!
胸打つシーンやスカッとするシーンがツボを抑えて描かれる。
人種問題や男女差別が絡み、NASAのちと小難しい専門知識や用語はあっても、作品はライトなエンターテイメント。
演出も展開も軽快で、ユーモア挟み、楽曲もノリノリ。
タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、メイン3人が快演! やはりこの魅力が非常に大きい。
ケヴィン・コスナー演じる上司がカッコいい。キャリアでもベスト級の名演!
全く前例の無い事を成し遂げた彼女たち。
前例が無いのならば、前例になればいい。
その勇気、実行力。
自ら現状を変え、切り開く。
彼女たちには夢があった。
本当に、いい作品であった。
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原題は「知られざる人々」といった意味だそうで。正に、当時その活躍が表面化する事の無かった黒人女性達3人を描いた作品です。人種差別が激しかった時代、まさかここまで酷かったとは…と衝撃を受けるのですが、それ以上に過酷な差別にも関わらず努力と才能と信念と勇気とで、道を切り開いていく彼女達の行動に驚き、もの凄く元気を貰える。スーパーヒーロー並に超カッコイイ!!!って思います。彼女達の行動で、変わっていく白人達の行動にもまた胸を打たれます。差別が当たり前だと、それが間違っていることすら気付かないし、見えなくなるんですね。その事にもハッとさせられるし、部長がトイレのサインをハンマーで壊すシーンは、よくやったーーー!って思います。それ以外にも随所で、彼女達が一歩一歩、自分の周囲から、時代を変革させていくところに、やったーーーーー!ってなります。差別の実態を観て嫌〜な気持ちになるよりも、それを打ち負かして相手の行動を変えさせる、何なら国家をも動かすパワーに、観ていてとても気持ちの良い映画です。
それに音楽もハッピーでダンサブル!まさか今作の為に書き下ろしたとは思えない、時代感を反映したお洒落なナンバーにアガるアガる!!ファレル凄いなぁ…。
これは万人にお勧めできる素晴らしい作品です。観て良かったなぁって思いました。
全47件中、1~20件目を表示