「真理の追究こそ正義」ドリーム Rasty1135さんの映画レビュー(感想・評価)
真理の追究こそ正義
最先端科学の分野で人種差別の壁をブレイクスルーする瞬間を切り取った作品だと思う。当時は奴隷時代の名残から差別は当たり前だったのだ。答えを知っている現代の我々からは彼ら彼女らの苦悩は想像するのが中々に難しい。当時は平然と全て区分けされていたし黒人が使ったコップは触りたくないとコップを捨ててしまうという描写が他の映画にも出ている。
この映画の見所は主人公の女性がケビンコスナー演じるハリソン部長に思いのたけをぶつける所だと思う。科学の分野においては真理の追及こそが正義なのである。ハリソンはとても合理的で進歩的だがトイレが分けられていても不自然とも不都合とも思わなかった。この時にハリソンはハッとしたことだろう。(なんてことだ。)馬鹿らしい慣習を自ら看板を外すのにわざわざハンマーを使って周囲に知らしめた。大きな山が動いた瞬間だった。
アメリカ、マサチューセッツ工科大学はノーベル賞受賞者が群を抜いている。世界大学ランキングでは11年連続1位に輝いているのだという。彼らは教授や生徒、OBにおいて上下は無く一番詳しい者に耳を傾ける。生徒が講義をして熱心に授業を聴く先生の姿も珍しくなく、率直に意見を述べ合うスタイルを彼らは誇りにしている。アメリカ正義のひとつを体現しているとも言えるでしょう。
ブレイクスルーする瞬間の快感とアメリカの正義のひとつを表現した傑作です。
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