「行動しなければ何も変わらない!」ドリーム しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
行動しなければ何も変わらない!
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
1960年代、ソ連と宇宙技術を競い合っていたアメリカが進めていた「マーキュリー計画」の成功を影から支えた、3人の黒人女性の知られざる実話とのこと。
黒人と白人とでトイレやバスの座席、水飲み場まで分かれていた当時のアメリカの世相を考えると、とても進歩的な出来事が起きていたことに驚きました。しかも、その中心を担っていたのが女性たちだったと云うことにも…
「黒人だから」と云う理由だけで理不尽な差別を受けて来た彼女たちでしたが、自分の能力を最大限に発揮して、周囲の偏見を吹き飛ばす活躍を見せてくれるのが痛快でした。
キャサリンの必死の訴えを聴いてすぐさま意識改革し、黒人用トイレの看板を剥ぎ取るケヴィン・コスナーのような人が生まれたことに、大きな意義があるように思いました。
周囲の空気感や慣例に一度染まってしまったら、そこから抜け出すことは容易ではありませんから…
IBMの導入によって自分たちの存在が危ぶまれても、その使い方をいち早く習得して、新しいことに順応していった姿を見習いたい…。逞しささえ感じさせる彼女たちの行動力の源とは、偏見を恐れず、自らが道を切り拓いていこうとする強い気概に満ちた心の持ち様だと思いました。
黒人だからなんだ、女だからなんだ、、、
ただ待っているだけでは変化は訪れない。夢を叶えるなんて到底出来っこない。何も変わらないのならば、自分自身がパイオニアとなって前例をつくるだけ…
人間が本来持っているはずの強さと勇気に溢れていて、生きる活力が湧いて来るような高揚を感じました。
[余談]
「あなたを差別しているわけではないの」と言うキルスティン・ダンストに対して、ドロシーが応えたセリフ(ええ、知ってます。あなたがそう自分で思っていることはね)にハッとさせられました。これこそが差別の本質かもなぁ、と…
意識の奥底にはあるはずなのに、「そう云うわけではない」と言い訳して、自分を誤魔化して、知らない内に誰かを傷つけてしまっていないかどうか、考えさせられました。
※修正(2022/09/14)