「煮えきらなさはあるが、演技や展開に惹きつけられる」三度目の殺人 さやかさんの映画レビュー(感想・評価)
煮えきらなさはあるが、演技や展開に惹きつけられる
クリックして本文を読む
映画の趣旨は「人が人を裁けるのか」とのこと(インタビューより)
”取材期間で感じたのは、「非常に不完全な人たちが集まって司法を担っているわけですが、判決は絶対的なものが出るという根本的な怖さ」について。それだけに、「それを知らないうちに許容している私たちに対して、ちょっとゾッとする感じを残したいなと思ったんです」と明かす。”
”「弁護士さんたちから『法廷は別に真実を究明する場所ではないですし、私たちには真実は分かりませんから』という話が出てきたとき、『じゃあ何をする場所なんですか?』と聞いたら、『利害調整をする場所です』と。もちろん、彼らが民事を中心に仕事をされておられる方々だったから、余計にそういう認識の仕方をしていったんでしょうね。刑事事件の場合、都合が悪ければ被告には黙秘権があるわけですから、話さなくてもいいという前提で論戦するわけで、それは明らかに真実を究明しようとはしていない。ああ、なるほどと思いました。ただ一般的に当事者であれば、真実を明らかにしてほしいですよね。日本の場合は特に。だけど、それは人が人に対して期待するにしては、ちょっと荷が重いんじゃないかなって感じもするんですよ。それもあって、真実が分からないまま主人公が投げ出される感じを描こうかなと考えました」”
真実は追求されず、利害調整で集結する。
このもやもや感が、エンドロールが始まると「え、これで終わっちゃうの?」と拍子抜けさせられる原因か。
しかし、監督が描きたかったのはそこなのだ。
司法の世界において、本当はどうだったかなんて関係ない。
その気味悪さ、不気味さ。
子供が救われないのが辛い。
コメントする